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性別ってなんですか?

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私は女として生まれました。

ですがなんとなく、幼少期から女として生きたくないなとぼんやりと感じており最初は男として生きたいのだと思っていました。
ただ、それが心の性別が違うのか、世間から押し付けられる女の像から逃げたいだけなのかがわかりません。


そもそも、女として今まで生きてきて、性自認で悩む人たちのような強い拒否反応があったわけでもありません。
そんな自分が性別について悩んでると言ってもいいのかもわからないです。


お金に都合がつけば胸を取り、子宮等も摘出したいと思っています。
ただ最近気がついたのですが、おそらく私は男になりたいわけではなく、身体から性を象徴するものをなくしたいのだと思います。
手術したところで、男性器をつけたり、筋肉をつけたりしたいわけではないです。できる限り見た目で判断されないような身体になりたいのです。


ですが世の中、あまりにも男か女に属すること必要とすることが多いです。勿論、お手洗いや更衣室等、区別しなければならない事があることは理解しています。でも、出来れば決めつけたくないのです。

上手くまとめられないのですが、この宙ぶらりんの気持ちをどうすればいいのかわからないです。
性別という枠組みに入れられたくないというのはわがままなんでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご質問ありがとうございます。
今の世の中はまだまだ性別にこだわる仕組みが多いので生きにくさを感じられることが多いと思います。
ただ大切なことは男らしさや女らしさよりも自分らしさだと思います。
たとえ女性用のトイレなどを使っていても、あくまで周りの人を混乱させないために使っているだけで、自分は自分であり性別にはとらわれないんだという気持ちを保ってください。
女性器があっても無くても男性器があっても無くても自分は自分だという気持ちです。
そして社会に怯えることなく堂々と自分らしく生きることです。
時々でも同じような境遇の人と話をすると励みになるかもしれませんね。
そういえば以前テレビでこのような番組を見ました。
生き方は人それぞれです。
あなたはあなたが楽しめる生き方を探してくださいね。
(参考にテレビ番組のサイト)
「ザ!世界仰天ニュース、子どもを産むのはオレだ」
https://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20190219_03.html

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私は浄土宗の坊さんです。 少しでも何か参考になればと思って回答しています...
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性別は実体のない概念

仏教では、私達が認識する概念や観念は仮の存在であり、実体のない幻みたいなものだ(無我、空)と説きます。
性別という概念も本当は実体がない幻です。
ただ、私達が生活する上では性別という概念があった方が便利だから、仮に使っている記号です。
経典に出てくる極楽浄土では、住人全員が男になります。
なぜなら、極楽浄土に住人が生まれるときは蓮の花の中から出現する生まれ方なので、出産や産卵が不要だからです。
そうなると、もはや男女という概念も不要で、極楽浄土には性別が無いと言った方が正しいかもしれません。
さらに、極楽浄土では自分と他人を区別する感覚さえ無いそうです。
でも身体は一人一人光り輝く菩薩様の姿です。
自分と他人が平等に溶け合っている世界なんて、私達には想像もできませんね。
あなたは、極楽浄土の菩薩様のような性質を持ってこの世に生まれたのかもしれませんね。
前世でかなりの徳を積んだのかもしれません。
経典によれば、南無阿弥陀仏と念仏を称(とな)えている者は来世で極楽浄土に生まれられるそうです。
来世では、阿弥陀仏が創った理想の世界である極楽浄土、性別が不要な世界に往生しましょう。
なむあみだぶつ。
今はまだ、堅苦しいルールが必要な娑婆世界の生活。
ところで、脳死は人の死でしょうか?
「死」の概念も空でしょう。
ただし、日本の法律では、臓器移植をする場合には脳死を死亡だと扱って良いのです。
性別の概念も、目的や場面によって必要になる線引き手法の一つにすぎないのでしょうね。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。

性別はあくまで世の中を上手く回すためのルールの一つであるという考え方がとてもしっくりきました。
女らしさ男らしさではなく、自分らしさで生きていくにはまだまだ辛い世の中ですが、お言葉を頂けて少しだけ気持ちが楽になりました。
落ち込むこともあると思いますが出来るだけ前を向いて胸を張って生きていけるよう日々を過ごしていきます。
ありがとうございました。

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