親の因果が来ているのでしょうか
いつも丁寧なお言葉をいただき、ありがとうございます。
以前も同様の質問をさせていただきました。
申し訳ありません。
以前「自分が恋愛できないのは親の因果のせいなのか」と質問し、「そんなことはない」とおっしゃっていただき、そこから仕事も恋愛も努力を重ねてきました。
いただいた励ましのおかげで、最近では様々な出会いに恵まれ、とうとう気の合う素敵な人とも出会えました。
ところが、やはりいつもの通り今回好きになった人とも結ばれることはなさそうなのです。
お互いの相性というより、仕事や環境の問題でだめになりそうです。
ここまで来ると、やはり「親の因果は子に来る」という言葉がよぎってしまいます。
実は父親に不倫癖があっただけでなく、父方の祖父は愛人と心中したという、酷く人々を不幸にした人物なのです。
こんなに人を不幸にした男達の血を引くのですから、私が幸せになれなくても仕方ない気もします。
人のせいにするのはよくないとわかっていながら、この人でなしの血が憎くてたまりません。
私自身は誰にも恥ずかしくないくらい誠実に生きてきました。
それなのに、父と祖父の因果のせいで幸せになれないのは納得できません。
どうか因果を乗り越える方法を教えてください。
決して大それた幸福を望んでいるわけではありません。
ただ、好きな人の側にいるというささやかな幸せを死ぬまでに味わってみたいだけなのです。
長くなりましたが、どうかよろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
少しずつ前に進んでいらっしゃる様で何よりです。
以前のご相談も拝読しました。これまで多くの努力を重ねられてきたことと存じます。少しずつ前に進んでいらっしゃる様で何よりです。今回のご相談では,
・よい人と出会えたが「仕事や環境の問題でだめになりそう」
・「父と祖父の因果のせいで幸せになれない」。
・「因果を乗り越える方法を教えてください」
という程ですね。ずっと頑張っているのに報われない,何か外に原因があるのではないか,それは親の因果ではないかという疑心暗鬼でしょうか。
因果の話の前にまず,変えられない血を憎んでも現状は改善しません。むしろ「仕事や環境の問題」の方を,身近な人と相談しつつ改善するのが幸せへの近道かと思います。その結果,万が一,今回出会えた人とうまくいかなくても,その次にはより良い状態からスタート出来ます。
とはいえ,親の因果が気になって前に進めないのなら,因果の話をしましょう。仏教では,世間というのは,血以外にも様々な因果が集まって出来たものと考えます。つまり,世間はそもそも陽だまり様の思い通りにではなく,種々の因果の通りに起こります。親の因果が今の陽だまり様の不幸を作っている否かでいえば,ごく一部はそうかもしれませんが,むしろ,それ以外の途方もない莫大な因果によって今がある,という方が正しいです。その因果の中には,陽だまり様ご自身のこれまでのご選択も含まれます。要するに,1つの出来事が起きた時,その原因を何か1つに帰することは出来ないということです。
ところで,陽だまり様は因果の悪い面に目がいっておられる様ですが,そもそも今のご両親から生まれ育った陽だまり様でなければ,今の出会いもなかったのではないでしょうか。今回のご相談の場合,どちらかと言えば,陽だまり様は「血のせいで不幸だ」という自らの思い込みに囚われて苦しんでおられる様に思えます。この様な苦しみ方を自縄自縛と言います。
因果に関する健康的な1つの認識の仕方としては: まずはよい未来を思い,懸命に努力します。その結果,もし幸いにも実現すれば,文字通り「有り難い」(有ることが難しい)こととして,実現を手伝ってくれた身近な人に感謝します。自分の力だけでは実現しませんから。もし思い通りにならなければ,そもそもそういうものです。少し休んでまた頑張りましょう。
ぜひ,因果への思いに囚われたご自身を解放してあげて下さい。
質問者からのお礼
ありがとうございます。
努力が報われない、ご縁が実らないことにばかり気を取られ、不幸をすべて周りのせいにしていたのかもしれません。
みんなにはどんどん幸運が訪れるのに、私だけ失うばかり…と思っていましたが、そもそも得難いもの、有り難いものだったのですね。
悪い因果ばかりに気を取られず、良い因果を作る、今ある良い因果に気付けるよう努力します。
ありがとうございました。