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与えることと奪うことについて

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有り難し有り難し 10

布施として、他者に施しを与えることは良いことだと解釈されると思いますが、この行為が、相手の自立性等を奪うという不偸盗に触れるのではないかという懸念があります。

私の妻は、精神疾患を患っております(私も患っております。)。
彼女は根幹に「他者は敵」というような意識があるようで、周りからの様々な刺激に反応してしまい、苦しんでいます。

私との関係においても、被害者・加害者の対立構造をつくり、批難をしてきます(確かに当を得た批難もありますが、多くは上記対立構造に落とし込んだうえでの批難であり、八つ当たりと思われるものも含まれます。)

このような彼女に対し、私は、「支えてあげよう」と思い、「今は勉強を頑張っているから」「今は精神的に疲弊しているから」と、家事のほとんどを私が行ったり、八つ当たりと思われるものにも耐えてきました(昔の、男が「おい」と言えば妻がお茶を持ってくるようなイメージも。)。
しかし、思えば、責め立てられたくないから、争いたくないから施すという打診的な部分もありました。

彼女の病状は良くならず、私がすることについても当たり前といった態度になり、「感謝の気持ちをもったほうが生きやすくなる」と諭しても、「そうやって家事を逆手に取るなら、やるな」という態度です。

私も疲れ、疲れた気持ちや嫌な気持ちを非公開アプリに書き込んでいたところ、それを見ては、「裏でそういう気持ちになっているなら、相談も弱音も吐けない」とのことです。

思えば、交際時より、いつの間にか、そのようなご機嫌伺いをするようになっておりました。

いつかは分ってくれると思いながら、仏教の布施を笠に着て、彼女に接した結果、実は彼女の自立の機会を奪う、不偸盗をおかしていたのではないかと思うようになりました。

どう考えればよいのか、そして、どう接していけばよいのか、ご教示いただければ幸いです。

2022年3月2日 14:05

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご夫婦の継続か否かを話し合うべき

こんにちは。

以前もご縁があって回答しました。
あなたはとても真面目な人のようですから、仏教的な視点で色々と考えるところが多いのでしょう。

ただ、あなたばかりが仏教的な視点で奥さんを支えようとしても、奥さんの方は全くそういう視点ではないと言うアンバランスな現状にこそ問題がある、と感じました。むしろ、夫婦として支え合うという根本さえ心許ない印象です。

前回、こう書いてありました。
「妻は精神疾患に陥り、療養中」「欠勤や早退を繰り返し」ている。その「ストレス源」はあなたの「無能」さにあり、ついに「死ね」と言われた。「欠勤や早退はお前のせいだから、収入が減っているのをどう補填するのか」と詰め寄られ、自死を考えているということでした。

奥さんも精神的に辛いのかもしれませんが、あなたも「精神疾患」なのですよね。お互いに時々愚痴が出るにしろ言葉には気をつけて、支え合うということは必要なはずです。

それに、あなたがさまざまに支えようと家事などをやったとしても、「当たり前といった態度」になり、「感謝の気持ちをもったほうが生きやすくなる」と諭しても、「そうやって家事を逆手に取るなら、やるな」と言い放つ。

あなたの言っていることに誤りはないと思います。「感謝の気持ちをもったほうが生きやすくなる」というのはその通りです。何でも当たり前と思ったり、何をされても非難めいて見ると人生は限りなく黒くにしか見えてきません。

夫婦二人で少しでも明るい方法を目指そうよ、という気持ちは私には伝わってきます。ご夫婦だからこれまで色々な経緯はあったのだと思いますが、当たり前の態度をとる上に精神疾患をもつあなたに対して残酷な言葉を投げつけるのはそもそも夫婦としていかがなものでしょう。

問題の焦点をあなたがどういう風に仏教の概念を理解するかではなく、奥さんがあなたとこれから夫婦であり続けたいのかという意思を明確するにするのが最も焦眉の問題です。

この際だから、奥さんには夫婦継続の意思を尋ねて、精神疾患の療養にもよく、気持ちが楽になれるのであれば離婚した方が良いのではないかと話し合うことも必要ではないでしょうか。それはきっとあなたにも現状を改善するための一手になるでしょう。

勝手な意見を書きましたが、取捨選択はどうぞご自由に。

追記
お役に立てれば幸いです。
また相談お寄せください。

2022年3月3日 10:38
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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

釋 悠水  先生

ご回答いただき、ありがとうございます。
妻に夫婦関係の継続の意思を聞いてみたところ「離婚は、はなから考えていない」とのことで、私からの指摘も「素直に受け入れるよう努める」とのことでした。
まだまだ、これから、道のりは長いと思います。
その中で悩むことも出てくると思います。
そのときには、またこちらで相談させていただきたいと思っています。
今後とも、ご指導をいただけますよう、お願い申し上げます。

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