将来について
こんにちは。
この度は、将来についてご質問があり、相談を寄せさせて頂きました。
私は現在、大学四年生です。就職活動中ではございますが、面接中に語る志望動機は、無理やり作り上げたものに過ぎず、私自身の本心ではありません。その本心とは何かと申し上げますと、大学院に進み学問に究めたいという思いです。
ではなぜその道を進まないのか、とお思いになられるかと思います。それは、親にこの本心を到底語ることができないからです。
昔から私の親は、「あなたには無理」という言葉で私の将来を規定していました。さらに、親は優秀な兄を褒め称えていたために、私の家庭では兄の存在こそが「正しい」とされていました。
しかし、これらに恨みを抱えているかと問われればそうではなく、これまで私に相当な学費を払わせてきたことに、感謝と同時に申し分ない気持ちです。
だからこそ、「親の希望に沿わなければならない」というような気持ちが芽生え、大学院に進むのではなく、一般企業に進み、一刻も早く親に学費を返済するべきなのではないかと考えています。
長々と大変失礼致しました。感情と思考とが混沌としてしまっていて大変恐縮ですが、今の私の「在るべき姿」について、指針をお示し下さると幸いです。
ご多用の所大変恐れ入りますが、
何卒宜しくお願い致します。
他者比較 過去の自分への自己嫌悪 夢や希望がない 好きなことがない、趣味がない 生きがいがない 特技や能力のない自分を愛せない 欲の多さ
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
自分自身が選択する道。
私たちは誰しも、日々、常に何らかの選択をし続けていますが、今後の人生を決定づけるような就職、結婚など、人生の重要な岐路に際しては、将来への期待と不安、さまざま思いがより大きく、心にしかかってくるものだと思います。
それらの選択に際して最も大切なことは、「自分自身」が選択することです。
このハスノハ相談サイトの相談の中には、自分自身が決めた道ではなく、親などの意向に逆らえずに進んできてしまった悩み、苦しみの思いなどが寄せられています。やはり私たちは、自分自身で、自分自身の人生の選択をすることが大切で、後から後悔の念に苛まれることが無いようにすることだと思います。
ただし、誰の意見も全く受け付けない、100%純度の自分の意志というものは、もともとあり得ません。親の気持ちや、経済状況、地域性など、自分以外のさまざまな外的要因に影響されることが普通です。
影響されてもなお「しっかりと自分で選んだ」と思えるか、やはり「自分で選べなかった」としか感じられないのかが大きな違いです。
例えば、今、諸事情で就職を選んだとしても、自分で必要なお金を貯めて、改めて「学問を究めたい」を実現することを目指せば、自己決定感が高まるのではないでしょうか。
また、「一刻も早く親に学費を返済するべき」については、親への恩返しは、必ずしも目先の金額だけでは無いのではないかと思います。まずはご相談者さまが生き生きと幸せに過ごされることが何よりの恩返しの一つです。そして、ゆくゆく親御さまが病気や介護などで困られたときに、サポート、金銭的な援助も含め対応されることなども含まれます。
「出世払い」という言葉もあるとおり、これからのある程度長い期間を見据えて考えられることも大切ではないかと思いました。
(学生には経済的な面での裏付けはありませんので、必然的に選択肢が狭められてしまいますものね。)
質問者からのお礼
中村建岳様
お世話になっております。
この度は、貴重なお時間割いて頂き、質問にお答え頂きまして誠に有難うございました。
温かいお言葉を頂いたおかげで、自分自身で決断をすることに対して優しく背中を押して頂けました。貴重なお言葉ありがとうございました。
また機会がありましたら、
どうぞ宜しくお願い致します。