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いつになったら解放されますか?

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有り難し有り難し 5

プロフィールに書きましたが、子供の頃のことが悪夢でしかありません。少しでも性虐待や暴力を連想させることに触れたり聞いたりすると、動悸と吐き気と死にたい気持ちになります。
それでもここまで生きてきたのは、いつかはそんな記憶から解放されて幸せになれると信じてきたからです。

父は20年も前に亡くなりましたが、私の気持ちは少しも楽になりません。

父だけでなく、子供を捨てた母親、誰一人助けてくれなかった周りの大人達への思いが今だに強く、人に対しての不信感、不安感で人付き合いも差し障りなくしか出来ず友達も一人もいません。

その辺ですれ違う知らない人へも「この人は親から性虐待うけていないんだろうな」「そのせいで生きづらくなったりしないんだろうな」と他人を羨ましく思ったりします。特に親と一緒に歩いてる大人の女性には嫉妬を通り越して怒りが湧きます。

年月が経てばこの感情も薄まり楽になっていくと信じていましたが、何も変わりません。むしろ長年抱えてきたせいか疲れてきました。
いつか解放されるでしょうか?
どう向き合えばいいでしょうか?
お力をどうかお貸しください。

2022年5月15日 2:04

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ありのままで救われる

もはやアレルギー体質のような肉体的な症状のようなものかも知れません。
脳は、危険な体験に学習する働きがありますね。
たとえば、腰痛に悩んでいる人で、腰のレントゲンを撮ったら完治しているはずなのに腰痛がなくならない人がいて、そのような人達にとあるビデオを見せたらかなりの割合で腰痛が消えたそうです。
そのビデオの内容とは、脳が原因で腰痛が起きているという内容です。
脳は、腰痛の恐さを学習し、腰のケガから人間を守るために幻の腰痛を作り出していたのです。その種明かしのビデオを見ただけで腰痛が治った人がけっこういたそうです。
あなたの場合は、脳が性的なアクシデントからあなたを守るために、必要以上に「幻の恐怖」という注意報を発令しているのかもしれません。
それは、脳にとっては正常な役割で、脳は「身を守るために頑張って注意報を出しているんです」という立場かもしれませんが、日常生活では、必要以上の腰痛や恐怖が邪魔になりますね。
アレルギーの鼻水も、鼻は病原体から粘膜を守るための洗浄液を出してくれているだけなんですが、必要以上に出ると邪魔になります。
人間は、心だけでなく肉体も完璧ではないのです。
ただ、仏様はそんな不完全な私達を不完全なままで慈しんでくれ、極楽浄土に迎えてくれるそうです。
恐怖の時間が多いなら多いままで、ありのままのあなたを仏様は救ってくれる。
仏教では、「雷が怖い?雷が怖いままでもべつに良いではないか!」みたいな、解決しないという解決もあります。
日常生活の苦しみは無くなりませんが、苦しみの形が人それぞれに違うだけで、生きものから苦しみ・宿題は無くならない。
宿題から解放されるべきというのもまた、実体の無い幻なのかもしれません。
医師やカウンセラーではない私はあなたの力にはなれませんが、あなたの悩み苦しみが減るように願っております。

2022年5月15日 9:23
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

願誉浄史さま、回答して頂きましてありがとうございます。
脳のお話しは難しいのと、私に当てはまってるのか正直わかりませんが、「解決しないという解決」というお言葉がしっくりきて、少し楽になった気がしました。
どこかで終わらせなければ前には進めない、幸せになれないとずっと思っていましたが、解決できないものもあるというありのままの現実とともに生きていく運命なのかなと諦めとともに納得しました。

何より私のために時間をかけて考え、文章を作っていただけたことに嬉しくて、涙がでました。
ありがとうございました。
仏教の世界にも興味が湧きました。

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