自分自身を見失いそうです
以前から、生きる意味や自分の存在価値に対して、疑問を抱き答えを探していました。自分が存在する意味、自分の置かれている状況は何か意味があるのだろうかと、自問自答することがあります。
母は長年癌を患っていましたが、最近になりもう治療法はないと言われました。癌はじわじわと広がり、日常生活に支障をきたし、体が思うように動かず大変そうです。毎日母を失う恐怖や辛く落ち込んでいる母を見ると胸が苦しくなり辛いです。
母は幸せだったのかな?
死が見えていることに対して怖い思いはしてないかな?
何で母はこんなにつらい思いをしなければいけないの?
違う人生を歩んでいればこんなつらい思いをしなかったのかな?
と、答えの出ない無駄な自問自答を繰り返してしまい辛くなります。
私だけが苦いわけじゃないのも頭では分かっています。
でもこの先あと何回辛い思いするの?と思うと人生に絶望しか感じません。
私よりもつらい思いをしている人は沢山いるし、私はまだ幸せな方なんだからしっかりしなきゃと思う反面、気持ちが保てません。
自分の機嫌を自分でコントロールできない事も苛立ちます。
結局私は、自分の事しか考えられない小さな人間なんだなって痛感しました。
また、自分の心がどす黒くなっていくのが自分でもわかります。
周囲の人や、友人に対して親身に接せなくなってしまいました。
相談されても、大切な人を失うこと以外辛い事はないからって思ってしまいます。
その人にとったら重大な悩みなのに、心の中ではそんなことで悩んでいられるうちは幸せだよって思ってしまっています。
辛い事の数ばかり数えて、小さな幸せを逃がしているかもしれません。
ただ辛いことが大きすぎて、他のことを考える余裕がなく、正直すべて投げ出したい気分です。現実から目を背けたいです。
自分でもうまく表現ができない感情にどうしたらいいかわからず戸惑っています。
まとまりのない相談内容で申し訳ありません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
どうぞ、仏さまの慈愛を想って下さい…
お辛い状況をお察し致します。
お母様のご病気のこと、本当に心配ですね…ただ、あなたがお母様に対して出来ることは限られています。どうか、治療はお医者様、またお母様ご本人にお任せをして、あなたはお心を寄せるだけになさって下さい。
ただ、お母様を心配されるあまり、お母様がこれまで歩んだ人生のことまであなたが考え、苦しんでいらっしゃる。それはお母様への愛情のようではありますが、お子様であるあなたにも、お母様の人生を「採点」する権利はありません。
お母様の人生はお母様のものです。人が口を挟むことは出来ないものなのです。あなたも、どなたかにあなたの人生を批評されては面白くないでしょう。
厳しいことを申し上げました非礼をお許し下さい。
『辛いことが大きすぎて、他のことを考える余裕がなく、正直すべて投げ出したい気分です。現実から目を背けたい』…そのお気持ち良く分かります。
ならば、浄土の世界を想って下さい。悩み苦しみの無い、老いや病からも解放された仏のいのちを受け止めて下さい。
あなたも私も、浄土の仏と生まれさせていただける命です。だから心配要らないのです。仏さまが「あなたの命の問題を、あなたの苦悩を我に預けておくれ」とおっしゃって下さっています。
今は仏さまのそのお言葉を有り難く頂戴なさって下さい。
あなたのお心は今弱ってしまっているようです。今は無理すべき時期ではありません。
深く考え、悩むことも今は止めた方が、あなたのお身体にとって良いことなのではないでしょうか。
そのためにもあなたの想い自体を「任せよ我に」と力強くおっしゃって下さる仏さまに預け、委ねてまいりましょう。
心の重荷を仏さまに預け、そのことで心の安らぎを得てください。心軽やかに生きて良いのです。
どうでしょう…秋は何をするにも良い気候と申します。散歩や芸術鑑賞、娯楽でもよいと思います。思い切ってどちらかへ出掛けてみませんか。
そのことであなたが少しでも元気を取り戻したならば、そのお顔をご覧になったお母様はきっとお喜びになることでしょう。
あなた、そしてお母様のことを仏さまは微笑みながら、ずっと見守って下さっていますよ…。