障害者の身内が居る重圧
わだかまりと心理的重圧の手放し方について、ご相談いたします。
二十余年前、亡くなった私の祖母は、今から思うとヘリコプター・ペアレントでした。
5人の子どものうち2人を若くして喪った経験もあってか、過保護で過干渉。父の姉、妹は祖母が子離れしなかったが故に、独身のまま。祖母の没後、相次いで精神を病み、二十年以上もの入院生活を送るところとなりました。(うち一人は昨年他界)
これまで伯母たちの後見人は父が務めてきましたが、年齢的なこともあり気力が下がって負担しきれなくなり、弁護士に後見人を依頼することとなる見通しです。
私自身独身で、両親と同居しておりますが、父は後見人引き継ぎの話を私にではなく、結婚して別に世帯を構える姉にし、目下、姉が必要書類の収集等の手続きにあたっている次第です。
過日、姉から、叔母の後見人に名乗りを挙げる気はあるか、との打診がありました。
正直、葛藤しております。
叔母たちとは子どもの頃同居していた時期もあり、可愛がってももらい、恩がありますが、反面、私が二十代の前半に、彼女たちが相次いで精神疾患に臥せるところとなり、自分には結婚という選択肢はないのだ、と察した(残念ながら日本では精神疾患への偏見が根強いため)部分もあり、気持ちの上で負担に思う側面もあります。
姉は実務を担ってくれていますが、後見人を引き受ける意思はないようで、一方で、私は実務に関与していない分、後見人のひとりとして名乗りを挙げなければ、のちのち姉との関係性に溝が出来るような気もしています。(姉が敢えて私に後見人引き受けの意思を問うのは、妹(=私)だけ何もしないのはずるい、という意識がどこかにあるような気もしています)調べると、後見人は複数人で担うことも可能なようで、専門家の手を借りつつ自分も担う、というのが妥当な線か、と思ったりもしています。精神的な重圧を感じるあまり、叔母はあとどれだけ生きるのだろう…と思ったり。
また、前述の通り、私は独身ですが、私が長生きすることで、将来、ただ一人の姪に負担がかかるのでは、と案じています。
日本はまだまだ家族主義で、身内の面倒は身内で、という意識が根強いように思います。
将来の禍根を絶つために、親より長生きしない方がいいのか、あるいはすべてを捨てて海外に移住でもするべきか、悩むところです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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メリット・デメリットも考えながら、専門家に頼るのも一つの方法
独身だから、将来や老後が心配というのは、あるかもしれませんね。ただ、結婚していても、子どもがいても、身内がいても、安心かどうかは、状況にもよりますし、大変な負担やトラブルに巻き込まれた人もたくさん見てきました。
だから、その人の意思を尊重しながら自己決定を支援する考え方から、現在の成年後見制度があるのでしょうね。
以前は親族がなる場合が多かったようですが、現在は弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職がなる場合が増えており、全体の約7割を占めているそうですよ。
制度を理解しないまま利用すると、思わぬ負担や制約を負うことになりかねません。メリット・デメリットも考えながら、専門家に頼るのも一つの方法かと思います。
また、どこまで担うのかも話し合って、全ての負担を一人だけが背負うことのないようにも。手続きにも時間もかかると思いますが、互いに安心して生きるためのものですから。それは、あなたにとってもね。
質問者からのお礼
中田 三恵上人
早速のお返事をありがとうございます。
今まで直視することを避けていた問題に向き合わざるを得なくなり、来るべきときが来たか…という思いと、つらいなあ、という気持ちとありますが、ひとりで抱え込まないように、とのメッセージ、ありがたく存じました。