頑張っても頑張っても批判される
投資のアドバイスをする会社を経営しています。投資なので、自分としてはできる限りの努力をして最善のアドバイスをしているつもりですが、それでもうまくいかないことがあります。
アドバイスした投資の成果が出ないと、顧客から批判を受けます。結果に対する批判なら仕方がありませんが、そこからさらに「誠実じゃない」「私は被害者だ」「やり方が間違っている」と、ありとあらゆることを批判されます。私としてはできる限り説明を尽くし誠実にやっているつもりなので、良かれと思ってアドバイスした相手に批判されると、これ以上頑張る気力を失ってしまいそうになります。
顧客は1000名近くになり、すべての人がこのように批判的ではないことは分かっているつもりですが、やはり辛いです。このような状況で、前向きに生きていくにはどうしたら良いでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
自分の器に見合った人生を送る
人間には人それぞれ「嫌われていい人数の最大値」があるのです。
それを今ここで“器”と表現します。
どれだけ人間性やコミュニケーション能力を鍛えても、100%の人間に好かれることは出来ません。
50%に嫌われないのは簡単です。
80%に好かれることもそう難しくはないでしょう。
しかし、80%から1%上げることはとても難しいことが、あなたの様な人に関わっていく仕事の人にはよくわかるのではないでしょうか?
あなたが20人に嫌われても大丈夫なら、100人の顧客を抱えられるでしょう。
今、1000人に関わっているなら200人に嫌われます。
200人に嫌われることが苦しいのなら、顧客自体を減らすか、他人に責任を分けるのが良いでしょう。
それが現在の自身の器の大きさであり、それを受け入れないことにはいつか心身を壊します。
今のまま顧客を10000人に増やせば、アンチは2000人に増えます。
20人しかアンチがいないなら、せいぜいその中の2人がメールでクレームを言うくらいでしょう。
200人いたら、20人からクレームが来て、さらに2人は罵倒してくるでしょう。
しかし、それが2000人になれば法を犯すものが出てくる可能性さえあります。
日本で最も支持者の多かった政治家が、どうなったか記憶に新しいことからも、“多くに支持される”というのは同時に“多くに支持されない”ということでもあるのです。
今のあなたはすでに限界か、それに近いところにいらっしゃるのではないでしょうか。
人の器を育てるのには時間がかかります。
しかし、仕事は待ってくれないはずです。
投資という世界ならなおさらでしょう。
事業拡大、または維持なら経営のパートナーを見つける。
見つけられないなら事業の縮小。
あなたの心を見れば、この道しかないのではないでしょうか。
質問者からのお礼
大変丁寧なご返信ありがとうございます。
すべての人間に好かれることがどんなに努力をしても不可能であること、嫌われて良い人数の最大値が人間の「器」であること、心に響きました。
「自分は悪いことをしているのか」という思いに苛まれていましたので、随分気持ちが楽になりました。
また、折しも現在、一人で事業を行っていたところから、組織を作り上げていく最中です。その動きをはじめてから1年が経とうとしていますが、まだ自分ひとりで背負い込んでいたように思います。
自分の「器」を大きくすることは一朝一夕には叶いませんが、組織の「器」を大きくすることを目標に、これから取り組んで参りたいと思います。貴重なお話をありがとうございました。
※自分に宛てたメモ
■100人いれば、どんだけ頑張っても20人には嫌われる
■嫌われてもいい人数の最大値がその人の「器」
■ひとりの「器」を大きくするには時間がかかるが、他人と分けることならできる