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愛猫の死で気が狂いそうです

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有り難し有り難し 21

 私が12歳の時から16年間連れ添った愛猫を先日亡くしました。
長いですがきいていただけますか。

 彼女は腎不全を患い、2年に渡り自宅で皮下点滴や投薬を続けていました。
元々は家族で可愛がった猫でしたが、両親もきょうだいも引っ越し、最後の1年は私が実家でひとり面倒を見ていました。

 闘病と言えど穏やかなもので、坂道を下っては緩やかに持ち直す日々でした。が、ある時を堺にたがが外れたような食欲を見せます。欲しがるままに多めに食事を与えれば、翌日一日中下痢や嘔吐に苦しむ。かといって規定量の食事では満足できず、私が在宅勤務をしている横で、一日中大声で鳴き立てました。そんな日々が数ヶ月続き、私は疲れ、苛立ち、およそ生き物と暮らす人間がすべきではないひどい仕打ちを数回、行ってしまいました。

 騒がしい日々は、思いのほか呆気なく終わりました。腎不全とは別の持病のために食事に口をつけなくなり、みるみる痩せ細り寝たきりになり、看取りに備え家族も駆けつけました。それまで何度も持ち直した気力もどこへやら、かかりつけ医の余命一週間の見立ての翌朝、家族全員が起きてきて囲むやいなや、ため息をつくように彼女は息を引き取りました。

 人生で初めて迎えた猫でした。家に子猫がやってきたワクワクだとか、1人泣いている夜に布団に潜り込んできた温もり、予想外のいたずら(賢い子でした)、嫌な治療にも決して人間を傷つけるような暴れ方をしなかった優しさ、温かな思い出がたくさんあるのに、あのとき自分がしてしまった仕打ちばかりがフラッシュバックします。

 保健所から家庭に迎えられ、猫の平均寿命を全うした彼女を不幸な猫と呼ぶ気はありません。ただ自分のことが許せないです。彼女にも許して欲しくない、むしろ罰して欲しいとさえ思います。彼女を思い出すたび悲しくて愛しくて自分が腹立たしくてもう気が狂いそうです。触れたくて見つめたくて呼びたくてたまりません。失って初めてなんてあまりにも莫迦だと思います。

 以下ご相談です。
 週末には弔ってくださったお寺からお骨を引き取ります。こんな煩悩の塊のようなぐちゃぐちゃな状態では彼女に顔向けできないと思う一方、晴れやかに「今までありがとう」だなんて白々しいと思うのです。
 私はどんな心持ちで彼女を迎え、また見送ればいいのでしょう?

2023年1月19日 0:13

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

その子とのご縁は永遠ですから

拝読させて頂きました。
あなたのその子への深い愛情や思いを読ませて頂きました。あなたのその悲しみや後悔や自分を許せないお気持ちを心よりお察しします。

あなたがその様に思われるかとは思いますが、その子はあなたや皆様と出会い、皆様と一緒に心から愛し慈しみ合い、幸せな人生を生きていかれたのです。様々な出来事もあったでしょうし様々な感情もあったでしょうが、その子はいつもあなたや皆様に寄り添いながら心豊かに与えられた天寿を全うなさって往かれたのです。

その子が必ず心安らかになります様に心を込めてお祈りさせて頂きます。至心合掌 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ

あなたもどうかその子が心から安らかになります様にと真心込めてお祈りなさって下さい。

その子は必ず仏様や神様に導かれ、皆様のご先祖様に優しく迎えられて心から安心なさいます。仏様のもとで一切の苦しみや痛みや迷いからも救われて心清らかに円満にご成仏なさいます。そしてこれからもずっとあなたや皆様を優しくお見守りなさって下さいます。

あなたのその悲しみや後悔は消えないでしょう、どうかその子に手を合わせてその子への様々な思いや感謝のお気持ちをありのまま心からお伝えなさって下さい。その子はあなたのその思いを全て優しく受け止めて下さり、あなたに優しく寄り添いって下さいます。あなたはこれからもずっとその子と一緒に生きていくのです。

いつの日かあなたや皆様がその天寿を全うなさる時には必ず仏様がお導き下さり、その子が親しい方々やご先祖様を連れて温かくお迎えなさって下さいます。そして再会を共に喜び合い分かち合い、共に心安らかにご成仏なさることができるのです。

あなたがこれからもずっとその子とのご縁つながりを感じながら心から豊かに毎日を生きていかれます様に、皆様と一緒に幸せに与えられた人生を生き抜いていかれます様に心からその子にお祈りさせて頂きます。きっとその子はあなたのご成長や生き様を見守り続けていて下さいますからね。

2023年1月19日 9:21
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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あるがまま

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

私も腎不全で闘病していた猫を見送りました。
点滴に通う日数が1週間おきから4日毎、2日毎と短くなっていき
食べた、食べないで一喜一憂しておりました。

今はまだ、『あんなことをしてしまった』『こんなことをしてしまった』
などと後悔ばかりの日々かと思います。
とても苦しい日々ばかりと思います。
何もしていない時は特に思い悩んでしまう事でしょう。

そんな時は少し気分転換をしてください。

仕事に没頭するとか
絵を描いてみるとか
筋トレしてみるとか

何か頭を空っぽにして打ち込んでみてください。
そして、一週間毎とか、ご命日とかに改めて向き合ってみて下さい。

今はまだ『ごめんなさい』しか出ないかもしれません。
それでもいいんです。
でも、ごめんなさいをたくさん言った後には
必ず『有難う!』も言ってあげてください。
『可愛い姿を見せてくれて有難う』
『楽しい思い出をくれて有難う』
『命の在り方を教えてくれて有難う』

無くなられた方々は仏様となり、私たちを導いてくださいます。
そこには何の怨みも、怨念もありません。
しいて言うならば
私達が祟りや怨念などを恐れて道を踏み外してしまう事を嘆いてくださいます。

なので、命の言うものの本当の在り方、本当の姿、そして本当の終わり方を
身をもって教えてくれた猫ちゃんに感謝の合掌をしてあげてください。
例え、猫ちゃんがどんなに理不尽な目にあったとしても
それを戒めてして
一歩一歩貴方が歩いていけるのならば
猫ちゃんは仏様としてあなたを導いてくださることでしょう

2023年1月19日 22:14
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有り難し
おきもち

真宗大谷派 顯正寺(けんしょうじ)住職 とある動物霊苑でお手伝いをさせて...
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質問者からのお礼

Kousyo Kuuyo Azuma様
愛猫との思い出を後悔と悲しみだけで満たし苦しんでいる自分に気づかされました。お導きをありがとうございます。
私が理不尽に苛立ちをぶつけてしまったこと、愛猫が患ってからも2年もの間そばにいてくれたこと、闘病生活よりもずっと長い平穏で幸せな日々も、思えば全てが本当でした。後悔も感謝も愛しさも、ありのまま、全て伝えたいと思います。

中根浩正様
ご住職も同じ病で猫ちゃんを亡くされたとのこと、寄り添うお言葉をありがとうございます。その子が心安らかであるようお祈りいたします。
愛猫はまさしく命の先生でした。小さな体で命を使い切って教えてくれました。自分以外の命に責任を持つ難しさも、その命を天に返す苦しさも、愛猫なくしては知り得ませんでした。この教えを血肉とし、生き物や人、自分自身の命を大切にできる人間でありたいと思います。

あの子の姿かたちが失われるのが恐ろしく、ひっきりなしに思い出しては依然として苦しいですが、お二人のお言葉を読み返すうち、感情が入り乱れて訳もわからない状態だったのが、少しずつ片付いて参りました。本日お骨をお迎えします。
まずは四十九日迎えるまで毎週火曜日に、一周忌迎えるまでは毎月17日に手を合わせる時間を設け、それ以外の時間は自身の生活に専念してみたいと思います。
ごめんなさいもありがとうも、亡くして一層愛しい気持ちも全て伝えて、愛猫の安寧のため祈ります。
お知恵をくださり、またあの子のために祈ってくださり、本当にありがとうございました。

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