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許すこと、許されないこと。

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有り難し有り難し 3

今、岐路に立たされているような気がしています。

私が過去にいじめや虐待を受けて、他人を許せない気持ちがあったんです。
ところが、私は今まで誰も傷つけなかったのか?と考えてみると、
まったくそんなことがありませんでした。
それなのに、自分は許されたいという気持ちがありました。

それは、自分はまだ未熟だったという思いや、
あるいは学習の機会すら与えられなかった、奪われていたこと、
過去の影響で記憶や感情などに障害があるからです。

しかし「自分だけ許されたくて、自分は他人を許さない(許せない)こと」は許されるのか、という疑問が生じました。
それと同時に「なぜ自分は許されないのに、自分は他人を許さないといけないんだ」という気持ちもあります。

自分が他人を許したからといって、他人が自分を許すとは限りません。
許す/許さないの判断は、個人の自由だからです。
しかし、どうしても自分だけ他人を許すような気持ちになれません。

どうしたら、損得勘定を持たず他人を許せるようになるでしょうか。
また、自分が許されたくても許されない場合の心構えが知りたいです。

2023年12月12日 18:36

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

許し合いが大切

拝読させて頂きました。
あなたは自分が許されたいと思う気持ちを抱えながらも他者をなかなか許すことできないそんな矛盾に思い込んでいるのですね。あなたがどうしてもお悩みなさるお気持ちもわかる様に感じます。お気持ち心よりお察しします。
私達は誰もが様々な罪を犯してしまい人を傷つけてしまったり、被害を与えてしまったりするものです。
自分に悪気がなかったとしても、あったとしても大なり小なりあやまちを犯してしまいます。そして悔やんで悪いと思ってしまいます。そこから正直に謝ることあるでしょうが、なかなか謝ることできない場合もあります。或いは開き直って謝らない場合もあります。
ただそんな自分であっても許してほしい受け入れてほしいと思ってしまいます。個人差がありますから人それぞれかとは思いますけど、なかなか許すことできない心があるのも否めないですからね。
私達は仏様ではありませんから全てを水に流して許すこととできる人はそういるものではないでしょうね。

とはいえどもしも一切のことを許すことできなければどうなっていくでしょうか?
世界中では今なお争いや戦争が絶えません。それは何でなのかと言えばお互いに許し合い認め合い尊重し合うことができないからです。
それによってどうなっていくでしょうか?当然ながら争いや戦争は終わらず弱い人達や一般の人達やお子さん達や高齢者や障がい者の方々が深く傷つけられ或いは殺されることになってしまうのです。
そしていずれは自分も自分の大切な人達をも傷つけられ殺されることになってしまうのです。
損得勘定というよりは本当に私達が共に生きていく為にはお互いを心から尊重し尊敬し合い許し合い助け合うことが必要です。
あなたが生きる為にも皆さんが生きる為にも許し合いが大切かと思います。

2023年12月13日 13:14
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

Kousyo Kuuyo Azuma 様

前回に引き続き、ご回答ありがとうございます。
許し合うことで自分や相手だけでなく、社会にとっても良い影響を与えるのだと思いました。
自分が許さない限り、許し合いは成立しないので、まずは自分が相手を許したいと思います。

しかし、許し合うためには自分が許すだけではなく、相手にも許してもらう必要がありますが、
許す/許さないは個人の判断に委ねられるものですし、相手の意思をコントロールすることはできません。
また、強要によって生まれた許しはただの虚像でしかありません。

そこで、許し合いというよりは、自分を許さ(せ)ないことも含めて相手を許すことがよいのではないかと思いました。
自身の言動を鑑みても、誰かを許せない状態にあるときは、とにかく心に余裕がなく、自分のことで精いっぱいで、相手のことを考える余裕がありませんでした。
ここでもひとつ意見が合わなかっただけで、すべてを拒絶(ブロック)するような人がいましたが…。
そういった人も、今は心に余裕がないのだろう、あるいはまだ成長過程にあるのだと考え、その相手の不完全さも含めて許せるようになる、というのが自分にできることだと思いました。

ですから、自分が許されることはいったん置いておいて、まずは自分が相手を許せるように努めていきたいです。
改めて、ご回答ありがとうございました。

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