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縁について

回答数回答 1
有り難し有り難し 6

いつも迷いの答え合わせをありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
弟、実父、立て続けに死を経験しました。
父とは最後にあったのはもう30年以上前。
両親の離婚で疎遠になりました。
本当に縁が薄かったなと思います。
親子でも縁が薄い関係ってあるのでしょうか?
あるのでしょうね。。。。
父への憎しみが消えたとたん、やっぱり分かり合えなかったことになぜなのかと疑問がわきます。
たまにふっと沸いてしまうこの気持ちに戸惑っています。
なぜ父にこだわってしまうのか。
いつまでも執念深く私の心に居座る父への気持ちが不愉快になります。
もうこの世にいないのだし、もうどうすることもできないのだから、忘れたいです。
私は父を許したし、父だって私に思い出してほしくないはず。
それなのになぜこうもとらわれてしまうのでしょうか?
この世に生を与えてくれたことは感謝しておりますし、ご冥福も祈っています。

もうこの気持ちから解放されたいのです。
許し許される関係になりたい。

ヒントをいただけたら幸せです。
いつも本当にありがとうございます。

2024年1月17日 20:50

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

人間ルールが優先されるからおかしな意識が先立ち赦し合えない

まず、娘のことを案じない父親などいない。
昭和のお父さんはどんな環境で育ってこられたでしょうか。戦前戦中戦後でとても大変な中で頑張って生きてこられた。現代のような自由すぎる家庭でもなく、生きるか死ぬかの中で貧しい中でたくましく生きて家族を守ってきてくださったのです。そういう厳しい状況の中というのは変なたとえですが現代で言えば危険な工事現場のようなテンションになるのです。おい!あぶねぇぞ!気を抜くな!(# ゚Д゚)
そういう風にでも律することがなければ、大けがをする、命がいくつあっても足りないのです。
昭和初期育ちのあなたのお父さんもそうだったのではないですか?
精一杯、娘を愛そうと不器用ながらに当時なりの愛情表現があったはずでしょう。ご自身の当時の身の回りのお嬢さんたちがひどい目にあったりを経験されて、わが子にも同じ目にあってほしくなくて、ただあなたの幸せを願うあまり、厳しい言葉もあったでしょう。女の子、女性から素直に気に入ってくれるような言い方や教育、しつけ、導きが聖人君子並みにできたわけではなかったのです。離婚もありそれがためにすれ違い、行き違い、お互いの誤解もあったのではないでしょうか。
あなたもお父さんの頑固な昭和的な厳しい教導を愛情として受け止めなおす機会を設けるべきです。
許し、許される関係とは、まずこちらから。鏡は先に笑わない。あなたの内なるお父さんも、実在されていたお父さんも、あなたが頑なだからこっちを向いてくれているのに、あなたが目を合わせようとしないのではないでしょうか?

総持寺でお父さんの写真が笑った事件というものがありました。
三回忌の法要でようやくお嬢さんが顔を出した。
世間でよくある結婚を反対されてそれ以来、お互い我を張って父と娘の縁が切れる。死んでからも葬儀に来ない、一周忌にも来なかった、と。
嫁いだ先でいろいろあったのか、ついに三回忌で顔を出したという。
導師を勤めた老師は事情を知っておられて法事が終わった後に
「ほら!写真が笑ってるぞ!笑」と。
「…ほんとに…!泣」
泣いて喜んでおられました。
人間の力によって許し、許されたのではなく、
仏様の力によって赦し、赦されれたのでしょう。
人は見知らぬうちに「わたくし」という意識が強くなり、わたくしルールに縛られている。あなたとお父さんとが親子の縁を授かったことにわたくしはないはずです。

2024年1月17日 22:16
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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

厳しくも愛のあるお言葉ありがとうございます。忘れたころに沸々と湧き上がる許せない気持ちにもはや自分の人生のほとんどの時間をつかってしまいました。
弟を亡くしたときに父と関わらねばならない瞬間も恐怖にとらわれ、接したくない気持ちが先に立ち、さっさと事務処理を済ませたかった思い。
きっと邪魔される、すぐに良い返事をもらえるはずがない、いやがらせをされ、また嫌な思いをさせられる。。。。
こんな気持ちをもったものの、事務処理を数時間で快諾してくれたのは、きっと私への最大なる思いやりだったと解釈しています。
もうこの世にいない人への憎しみなど持ちたくない。
わかってはいるけれど、この憎しみを消すことがなかなかできない。。。
相手のいない自分と戦いです。
お言葉を受け、少しずつ自分を納得させていく努力をさせていただきますね。
ありがとうございます。感謝です。

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