年老いた母への対応
ご相談させて頂きます。
母は今年誕生日を迎えると90歳、私はつい先日60になりました。一人暮らしの母が心配で、週に1,2回は様子を見に行き、通院の付き添いや買い物を代わりにしたりとできる範囲で力になっているつもりです。しっかりしていますが、物忘れだけが激しく、つい今しがたの会話や行動も忘れ気味で、そんな時私もついキツい物の言い方になってしまうことがあります。
言ってからすぐ反省し、フォローするのですが私も大人に成りきれずで何度も同じ過ちを繰り返してしまうのが現状です。
60の誕生日を迎えて、直接言えずにいた今までの感謝の気持ちを素直に手紙に書き、郵送しました。毎日朝と夕と安否確認も兼ねて電話をしますが、手紙が着いて数日たった頃、「迷惑ばかりかけて、こんなに長生きしちゃって本当に悪いね」ととても暗い雰囲気で言われました。
手紙には心からの感謝の気持ちを書いたつもりでしたが、ひと言「お母さんが忘れてしまうことにキツい言い方をしてしまい、ごめんね。いずれ自分も通る道なのにね」と書いてしまい、恐らくその一言に傷ついてしまったのかと考えられます。
電話口でも私は自分の口調を反省していることを伝えたのですが、母は長生きして迷惑ばかりかけていると言うばかりです。
手紙など書いたことを後悔しています。
足腰も弱くなり、自分の思うようにいかないことに母も辛いのだろうと、でも何を言っても逆効果になってしまうのかと自分もやりきれません。
この先、私は変わらず接していくつもりですが、この母にどのような言葉をかけていけばいいのか悩んでいます。
宜しくお願いいたします。
お坊さんからの回答 3件
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少しずつ、お母様との距離を心地よいものにしていけますように。
お母様を大切に思う気持ちが強いからこそ、いろいろな感情が入り混じってしまうのですね。お母様に寄り添いたいのに、思わぬ形で傷つけてしまったのではないかと後悔されているお気持ち、痛いほど伝わってきます。でも、どうかご自身を責めすぎないでください。
まず、お手紙を送ったことですが、後悔しなくていいと思います。
ご年齢を重ねると、できていたことができなくなる悔しさや、周りに頼ることへの申し訳なさを強く感じる方が多いです。お母様は 「娘に迷惑をかけたくない」という気持ちが根底にあって、それが「長生きして申し訳ない」という言葉になってしまったのかもしれません。
これからどんな言葉をかけたらいいのか?
お母様の気持ちを少しでも軽くできるような言葉を、これから日々の中で少しずつ伝えていくとよいと思います。
1. 「ありがとう」をもっと増やす
お母様は「迷惑をかけている」と感じてしまっています、そこを「私がいてくれるから助かってる」という方向に変えてあげることが大切です。
例えば、買い物を代わりにしたときでも、「やってあげている」のではなく、「お母さんのためにできることがあって嬉しい」という気持ちを込めて、「頼ってくれてありがとう」と伝えると、お母様の気持ちも和らぐかもしれません。
2. 「できることがある」ことを伝える
お母様は「衰え」ばかりを気にしていると思いますが、「まだできることがある」という気持ちを持ってもらうのも大事です。
「一緒にできることを増やそうよ。何かやりたいことある?」
一緒にできる趣味を見つけるのも良いですね。簡単な家事をお願いするのも、「頼られる存在」としての自信につながります。
3. 「老い」を否定しない、でも怖がらせない
「年を取ったこと」を否定すると、逆に「でも実際にできなくなっているし…」とお母様が苦しくなる可能性があります。
「年を取るのは自然なことだし、私だってどんどん忘れっぽくなってるよ」
「お母さんが変わっていくことも、私にとっては大事なこと」と伝えられると、お母様も安心されるかもしれません。
最後に、お母様が「長生きして申し訳ない」と思っているなら、「お母さんがいてくれることが、私にとってはすごく幸せなんだよ」 ということを、何度も何度も伝えてあげてくださいね。きっとお母様にも気持ちはすぐに伝わると思いますよ。
合掌
サブレさん
拝読させていただきました。
お母様に感謝の気持ちを込めて手紙をお書きになったのに、気持ちがうまく伝わらなくて残念でしたね。
ただお母様からしたら、サブレさんが来てくれて顔を見られるというだけでとても生きる喜びになっているのではないかと思います。お年寄りの施設の入所者みていると、家族が面会に来ているお年寄りと、全然来ないお年寄りとでは表情の豊かさが全然違います。サブレさんが今まで毎週様子を見に行かれたり、付き添いをされてこられたことが、お母様が90歳まで生きてこられる上でのものすごい支えになってきていたということに、もっと御自覚をもっていただけたらと思いました。
また、せっかく会いに行っているのだから、お母様にももっとポジティブな言葉を出して欲しいとは思うところです。ただ、無理に言葉で説得をして気持ちを変えさせるの難しいことなので、ただお母様の近くにいてあげる、話を聴いてあげる、体をさすってあげるなどの、お母様のことをもっと感じてもっと寄り添ってあげることが1番の安心を与える行為になるのではないかとも思いました。
お母様との時間も大切に過ごしたいですよね。サブレさんが罪悪感を持つことはお母様にとっても本意ではないと思いますので、ご自分のことももっと大事になさっていただきたいところです。
合掌
様々な方々とつながりながら
拝読させて頂きました。
あなたはお母様に感謝の気持ちを手紙にしてお渡しなさったのですが、かえってお母様を傷つけてしまうことになってしまいとても悔やんでおられるのですね。詳細なあなたやお母様のことはわからないですけれども、あなたのそのお気持ち心よりお察しします。
あなたがとても悔やむお気持ちはわかるように感じます。親子ではどうしても近いせいか厳しい言葉や態度になってしまいますからついつい深く傷つけてしまったりケンカになってしまうことはよくあります。
ですから他人の第三者の方々が間に入ってサポートして下さる方がいい場合も沢山あると思います。地域包括支援センターや様々な介護施設や医療機関の相談員さんや支援員さんに様々なことをお話しなさりながら親切に聞いて頂いたり、様々なサポートを受けながらお話しなさって頂く中で、お互いに和やかになっていくこともあります。
ですから様々な方々とつながる中からある意味緩衝になってもらいお気持ちを受け止めてもらうこともできると思います。
人とは不思議なものですからね、同じことを言っても別の人から聞くとすんなり受け取ることもできたりします。
ですからあなたのお気持ちも様々な方々にお話しなさってみてアドバイスやサポートを受けていきましょう。
あなたやお母様が沢山の方々とつながり支えられながらお互いのことを思いやり尊重し合い、心から豊かに穏やかに大切な一日一日を生き抜いていかれますように切にお祈りさせて頂きます。そしてこれからもずっと仲良く大切にしながら与えられた命を天寿を全うなさっていかれます様に切に祈っております。至心合掌
質問者からのお礼
お忙しい中お言葉を頂きありがとうございました。
母は老ていく自分にどうしようもない不安や寂しさを感じているのだと思います。
そんな気持ちを汲み取ってあげるのが私の一番の役目なのに、それが出来ていなかったのです。
沢山の気付きを頂きました。
いつまでも、まだまだ母に元気で居てもらい、側で寄り添ってあげられるよう私も精進してまいります。
本当にありがとうございました。