忘れたい人の忘れ方が知りたい
こんにちは。前回は相談に乗っていただきありがとうございます。好きだった相手の結婚を祝福できなくて苦しいと相談させていただきました。自分の「今は祝えない」という気持ちをまず認めることができて、楽になれました。
ただ、自分でも情けないのですが、その好きだった方への想いがぶり返したまま冷めず、執着に成り果ててしまいました。
忘れようとして、仕事や趣味に力も思いも注いでいますが、それでも思い出してしまいます。生き霊がいたら本当に寝ている間に彷徨い出て、六条の御息所みたいにその方の結婚相手を取り殺してしまったかもしれない。そんな執着の強さなのです。
心が疲れてしまうので、なんとか執着を手放そうと、前述の趣味や仕事以外でも、この問題を預けるために近所の寺社にお参りしたり、好きになれる相手を探したりしていますが、効果はありません。相手に会うことは常識的に考えてできませんし、時間薬に任せるのもいつ効果が出るかわかりません。なによりも忘れるまでの間の時間で成せたかもしれない物事のことを考えるとしんどくなります。
私には八方塞がりで、もうどうしようもありません。好きだった相手を思い出の一ページにするにはどうすればいいでしょうか。不毛な感情に振り回されて、集中すべきことに集中できず、新しい相手ができたとしても不誠実な対応になってしまうのがとても嫌です。僧侶の皆様のお知恵を拝借できれば幸いです。
お坊さんからの回答 2件
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時間がいろんな経験や思い出を上書きして、今の記憶が薄れていく
前回の質問も読ませてもらいました。
好きだった人は、あなたの中で、「まだ好きな人」のままなのかもしれないね。
その想いが暴走したとして、結婚相手から奪えたとしても、自分のことを好きになってもらえるかも わからないのにね。
ただ、結婚してしまったことに、喪失感があるのではないですか。もう恋したり好きでいることも、叶わないんだ、許されないんだと。自分が好きだった気持ちや時間まで奪われてしまったようで、許せない思いなのではないでしょうか。
私もね、ある歌手の人が大好きで、女優さんと結婚された時に、ショックでね。ラブソングが私に向けられているようで嬉しかったのに、彼女のための曲だったんだ〜なんて思ってね。でも、結婚してもしなくても、恋が叶うわけでもなく。歌う彼に恋をしていたのだと思うのです。だから、私が好きな歌手の彼を、そのまま好きでいたら良いかなって。今でも曲を聴くと、やっぱり彼が好きで、良い曲だなって思います。
私の話と、あなたの状況では、全く話が違いますが。でも、好きなら、あなたの好きな人として想えばいいんじゃないですか。あなたが見ている部分は、その人の一部分でしょう。そこが好きになった部分なのでしょう。実際に恋愛をしたとしたら、全てを知っても、同じように好きでいられたのかはわかりません。
ですから、あなたの知る相手を(やっぱり好きだな)って想ってもいいし、そう思える自分を大切にしましょうよ。
早く忘れることは、物理的に離れること、接点を持たないこと、連絡先を全て消すこと、何かに集中すること、いろんな人に出会っていくこと。そうして、時間がいろんな経験や思い出を上書きしていき、今の記憶が薄れていきます。
あなただって、わかっていますよね。でもなかなかそれが出来ない。動けないのですよね。行動に移していくほど、前向きなエネルギーが湧かないのだと思います。
ですかは、自分の気持ちに無理はせず、それでもやっぱり好きなら、密かに想っていてもいいじゃない。苦しいけれどね。それほどに、恋していたのだものね。時期がきたら、思い出に変わっていきますよ。
考える時間と回数を減らしていく
その相手について考える時間と回数を減らしていく方が良いと思います。
ヴィパッサナー瞑想やマインドフルネスをやってみてはどうでしょうか。
私達は、自分の思考に対して自分で執着してしまいがちですよね。
しかし、頭に浮かんだことは、所詮は頭に浮かんだことにすぎないのです。
現実と乖離したイメージ(記憶)の中の彼に縛られているのは、もはや彼を忘れられないとかではなく、妄想雑念に取り付かれているという状態かもしれません。
瞑想を通して自分の心身を冷静に見つめるコツを掴める可能性があります。
試しみてはどうでしょうか。
質問者からのお礼
願誉浄史様
お忙しい中ご返答いただきありがとうございます。
マインドフルネスは以前ご縁があって勉強していました。確かに自分の感覚や今起こっていることに意識を持つのはいい方法ですね。頭の中でぐるぐるしていたのも辛かったので、もしなってしまったら、やってみようと思います。
中田 三恵様
ご返答いただき誠にありがとうございます。
確かに、自分の想いが相手の「結婚」によって許されないものになったと思ったのがしんどかったのかもしれません。想ってていいと言っていただけて心が軽くなったように思えます。
相手への気持ちがある自分も肯定しながらエネルギーを貯めて、自分が幸せに思える方へ歩いていこうと思います。