忘れたくはない気持ちとの付き合い方
大切に想い合っている人と、自分自身のことも相手のことも大切に想うが故にお別れしました。
今まではどちらかが好きじゃなくなって別れていたため、自分がもう好きじゃないから前を向ける、又は、相手はもう自分のことが好きではないからと忘れて前を向けました。
ですが、今回は忘れたいとは思っていません。
忘れたくはないけど前は向きたいです。
友人と恋愛について話していても、同じ熱量で想い合って、恋人であり家族のような存在になれる人なんてほんとにいるのかな?そんな人中々いないよね、と話をします。
そんな話になる度に、私にとって彼がどれだけ貴重な存在だったか思い知らされます。
彼と別れたこと自体に後悔はないはずですが、彼を超えるような人と出会えるというポジティブな未来も見えず、大切な過去の思い出を振り返って浸ってしまいます。
いつまでもそんなことをしている暇はないと焦る気持ちと、彼との過去に浸りたい気持ちと矛盾しています。
彼の存在や彼との時間を忘れずに大切にしながらも前を向くためには、どのように考え、行動するといいでしょうか?
連絡してはいけないのに連絡してしまいそうになる瞬間や、私の中にいる彼に話しかけるような時間を減らしたいです。
お坊さんからの回答 3件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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執着→慈しみへ
ご相談いただきありがとうございます。
ああさんの悩みは、仏教でいう「執着(しゅうちゃく)」の苦しみそのものです。
大切に想い合いながらも別れを選んだというのは、並大抵の決断ではなかったでしはないかと思います。だからこそ、彼を忘れたくないし、でも前に進みたいという矛盾が生まれているんですよね。
では、どうすれば、苦しみを生みだしている執着を手放せるのか?
まずは、忘れようとしないこと、忘れることに執着すればするほど手放せなくなってしまします。
仏教では、「すべてのものは移り変わる」と説いています。
どんなに大切なものも、絶えず形を変えていく。
ああさんと彼の関係も、「恋人」という形は終わったけれど、あなたの中で「大切な人」として生き続ける形に変わったのではないでしょうか?
それは決して悲しいことではなく、新しい形でのつながりを受け入れることなんですよ。
忘れる必要はないけれど、執着しないこと。
彼を超える人を探そうとするから、苦しくなる。
人は何かと何かを比べるほどに迷い、苦しむ生き物なんです。
彼との思い出は「ふたりだけの美しい軌跡」として胸にしまって、その上で「心に満ちる暖かな光」に目を向けることが大切です。
そのためにも「ありがとう」を増やすことをお勧めします。
彼を思い出すたびに、「失った悲しみ」ではなく「彼がいてくれたことへの感謝」を意識してみましょう。
過去に執着するのではなく、「彼がいたから今の私がいる」と思えたら、その思いは苦しみではなく、あたたかい光に変わりませんか?
「彼の幸せを願う」
仏教では「慈悲の心」が大切とされています。
彼が今どこかで幸せであることを願う。
そう思えたとき、貴女の心も解放されるはず。苦しみではなく、「幸せを祈る」気持ちにシフトすることで、少しずつ執着が和らいでいくんです。
最後に、「縁起(えんぎ)」という考え方があります。
すべての出会いには意味があり、そしてその関係性は変化していく。彼とのご縁も、今の形になったことにはきっと意味がある。大切な思い出を持ちながら、でも新しい縁を育んでいく。それが、仏教的な「前を向く」生き方なのです。
焦らなくていいので、ああさんのペースで、あなたの心を大事にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
過去を否定するのではなく、過去を自分の糧にしていきましょう。
あなたが今抱えているのは、恋愛の終わりというより、「大切な存在との別れ」という人生の大きな出来事だと思います。だから、普通の失恋のように「忘れなきゃ」「次の人を探さなきゃ」と無理に切り替えようとする必要はありません。
「彼を超える人に出会える気がしない」
→ それは今の時点では当然の感覚です。すぐに「もっといい人が現れるよ」と言われても、そんな簡単な話じゃないですよね。でも、これだけは言えます。
「彼がどれだけ貴重だったかを知ることができたあなたなら、また同じように深く人を愛することができる」ということ。
1. 彼の存在を「思い出の人」ではなく「糧」にする
彼との時間を忘れたくないなら、無理に忘れる必要はありません。ただ、「今の自分にとって、彼との思い出をどう意味づけるか?」を少しずつ変えていくことが大切です。今はまだ、「彼が特別だったから、それ以上のものはない」と感じるかもしれません。でも、あなたが経験した「こんな愛の形があるんだ」という気づきは、今後のあなたの人生において、素晴らしい指針になります。
2. 連絡しそうになる瞬間の乗り越え方
どうしても話したい時は、ノートやメモに書いてみるのもいいです。「もし彼に伝えるとしたら、こんな風に言いたい」という形で書き出すと、意外と気持ちが整理されることもあります。
3. 「彼との時間に浸ること」と「前を向くこと」は両立できる
過去の思い出に浸る時間を完全になくす必要はありません。それが大切なものなら、「今日は1時間だけ振り返る」と決めてみるのも一つの方法です。思い出に浸る時間を「意識的に取る」ことで、ずるずると過去に引きずられるのを防ぐことができます。
4. 新しい出会いを探さなくても、自分の世界を広げる
「彼を超える人に出会える気がしない」という思いは、ごく自然なもの。でも、新しい人を探そうと焦る必要はありません。その代わりに、自分の世界を広げることに意識を向けるのはどうでしょうか。新しい趣味を始める、友達との時間を大切にする、旅行をするなど。今は「彼を超える人なんていない」と思っているかもしれません。
でも、それは「彼以上の人がいない」ということではなく、「まだ新しい愛を知らないだけ」の状態です。だから、焦らなくてもいいんです。あなたのペースで、少しずつ「新しい自分」を見つけていってくださいね。
合掌
それぞれの未来に向って
拝読させて頂きました。
大切な方とお別れなさったのですね。そしてその方を思う気持ちと前を向いていく気持ちが入り交ざっているのですね。詳細なあなたやその方のことはわからないですけれども、あなたのそのお気持ちを心よりお察しします。
その方はあなたにとってこれからも大切な存在としてあなたの心の中に居続けるとは思います。時間が経っていけばそれが少しずつ変わっていくと思います。
あなたはこれから様々な方々のご縁があるでしょうし未来があるでしょう、そしてその方にも様々なご縁がありますし、その方の未来があるのです。
それぞれに人生が開けていくのです。なかなか気持ちが切り替えられないとも思いますが、いずれじっくりと振り返る時もくるでしょう。その時に大切な思い出として生き続けているでしょう。
あなたもその方もそれぞれの与えられた未来を素晴らしい出会いやご縁に恵まれて健やかに生きていくことできます様に、本当に大切な方と一緒に人生を生き抜いていかれます様に切に祈っております。そしてあなたやその方を心より応援させて頂きます。
またあなたのお気持ちお聞かせくださいね、あなたを心よりお待ちしております。至心合掌
質問者からのお礼
回答いただいた皆様、ありがとうございます。
自分の気持ちとの付き合い方だけでなく、具体的な対策など様々なご意見をいただき前向きな気持ちになりました。
ありがとうございます。
無理に前を向こうとせず、少しずつ考え方を変えてみようと思います。