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生きていくための心の持ち方

回答数回答 1
有り難し有り難し 22

最近、自分が、なぜ、なんのため、生きているのかがよくわかりません。
死を恐れて、というか、死についての事ばかり考えてしまい、不安で気分が悪くなって、食べた物を戻したり、やらなきゃいけないことが手につかなかったりしてしまいます。
自分では前向きに考えていこうとしているのですが、不確定な未来や、自分の最期が頭にちらついてしまいます。
友人などは支えてくれますが、どうにも気力が湧いてきません。
このような状態を脱するための考え方のようなものはありますか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

縁起により存在し、人生から求められている

こーびら様はじめまして。ご相談拝見しました。

なんのために生きているのか。仏教的に言うと、

人間が生きていることに意味はない、縁起しているから生きているのだ。意味があるから生きているわけではない。しかし意味なく生きているわけでもない。

というところでしょうか。私も先日出会った言葉です。
私たちは望んで生まれてきたわけではありません。なにか目的や志を持って生まれてきたわけでもなく、生まれてきてから全ての人にそういった目的が与えられるわけでもありません。

やはりそれは見出していくものなのではないでしょうか。それが人生という歩みであります。こーびらさんのその歩みは他のだれのものでもない、こーびらさんただお一人の歩みであります。誰も代わりはいません。まずそこに意義が見出せるのではないかと思います。

人生の折々で、

お金のため、仕事のため、家族のため、健康のため

その時その時で生きがいを定めることはできるかもしれません。しかしそのどれも縁起(独立した存在ではなく、相互依存の関係に縁って生じている)であるがゆえに諸行無常であり、移ろい変わることから奪われたり無くなったりします。
しかしどうでしょう、発想を逆転すると人生から意味が奪われることはなくなります。

人生に何を私たちが求めるか、ではなく私たちが人生から何を求められているのかという考えです。

人生からは様々な困難や、喜び悲しみが投げかけられます。その一つ一つにおいて私たちは人生から試され、求められているのです。
その時にどういう一歩を踏み出すのか、私たちには選択の自由があります。この一点において人生から完全に意味が奪われることはありません。

こーびらさんの選択はこーびらさんだけの歩みです。しかしその歩みは同時に、かず数えきれないご縁によって支えられたかけがえのない歩みでもあります。
私はここに生きる意味、そして存在することの尊さを見出すことができると考えています。

ちなみに私の上記の考えは仏教とV.Eフランクルの考えから影響を受けています。
これからこーびらさんも尊い教えに出会い、仏教でいう出離生死の道、安心して生き、安心して死んでいける道を共に歩めることを念じております。

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おきもち

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

質問者からのお礼

丁寧な回答、ありがとうございました。
人生から何かを求められているという部分が、自分にはなかった考えで、とてもよい考えだなと思います。
少し心が落ち着いたように思えるので、またゆっくり頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。

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