タク様

釋 慧心と申します。

拝見させて頂きました。

現代社会に身を置いておりますと、誰しも否応なしに、
何かしらのストレスに身をさらされてしまいます。

リフレッシュも大事なのですが、
この度は少し違う視点のお話をと思います。

私のお預りさせて頂いております寺の壇信徒様で、ナンマンダブツナンマンダブツとお念仏されながら、
近所のゴミを拾われている方がおられます。

また他にも、毎朝早く、まだお寺の門が開く前から、門の前で丁寧に合掌礼拝をされて通られる姿をたくさん拝見させて頂きます。

私はその方達のお姿を見たり、お話を聞かせて頂きますと、イライラしていたり、忙しくしていましても、
はたと、我を振り返えらされて、少し落ち着いて、手を合わさせて頂かないと、という気持ちにさせて頂けます。

お育て頂けるのです。

お宗派があられるとは思いますが、
是非、イライラしたら、ナンマンダブツナンマンダブツと心で言うてみてください。

子供や若いお母さんのお姿、いつか来た道いつか来た道、ナンマンダブツナンマンダブツと。

私も子供さんが公共の場などで、大きな声で騒いでいたり、危ないくらい走り回ったりしているのを見ましたら、
ちょっとくらい注意したらいいのに、と思うことがあります。

しかし、もう一歩踏み込んで、よくよく考えてみれば、確かに騒音なのですが、
子供の声が響いている町、地域、場所、良いじゃないか、大人が全員で見てあげられて育てられる社会、本来はそんな風に思わせて貰わないとな、と思うのです。

子供が騒いでいる姿は、

私のいつか来た道。

タク様も子育てをされてこられて、子育てのご苦労はご承知、言わずもがなと存じますが、

さらに、さかのぼってみますと、私もいつかそうして周りの大人の温かい目に育てて頂いたのだと気づかされます。

また、ご年配の方がゆっくり道を横断したりする姿があれば、

それは、私のいつか必ず行く道。

とかく私というのは、私の立場、私の都合で物や人を見たり判断してしまいます。

いや、そうじゃなかった、
そうでした、子供も年配の方も、
みんな私の姿でしたね。
とお味わいさせて頂けたらと願います。

色んな気づきにお育て頂けます。
仏さまのお心のお育てを頂きますのは、誰の為でもない、私の眼を開かせて頂く為です。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

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