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「生命は」
ドラミカ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
私たちは、他との関係なくしては成り立たない存在。どう他との関係、バランスをより良く保つのかが大切となります。
皆、無数の色々な有形無形なものに支えていますし、意識せずとも支えになっていることもございます。
時に、つらく、しんどく、苦しい時には、無数の関係性の中で、ゆるやかに構成されている世界のありようを、吉野弘氏の「生命は」の詩の内容を考察してみると共に、大自然の下へと出かけられて、ゆっくり、ゆったり、あまり深く考えずに自然、生命のありようをよく観察されてみて下さい。
また、自然から、何らか癒しも頂けるのではないかと思います。私たちは得てして、何でも難しく考えすぎてしまうところもございます。時に思考をリセットしてみることも。何かきっとよい気付きもあることでしょう。
生命は 吉野弘氏
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思うことさえも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている
私も
あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも
あるとき
私のための風だったかもしれない
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
川口英俊様……
お返事ありがとうございます。
私なんか支えになっているんですかね……。
頑張っても、考え方を変えても、何も変わらない……
辛く、苦しい日々が続くのなら、私という人物がいなくなれば何も考えなくてもすむし、楽になれるのでは?とつい考えてしまいます。