昔好きだった人の消息を聞いて、心が揺れてしまいます。
現在結婚9年目、子供も二人おり、主人はまじめに仕事をし、ラクではないけれど私はずっと専業主婦で平穏な暮らしをさせてもらっています。
主人とは何年もセックスレスであることを除けば、まあ円満に家庭を運営しているほうだと思います。
独身時代、もう20年近くも前の話ですが、学校を出て最初に就職した職場の上司がとても好きになりました。
彼は15歳年上で、当時30代半ばで独身。
しかし、一年でその上司は東京へ転勤してしまい、最後に気持ちを伝えることはできましたが、彼は私を(嫌ってはいなかったにしても)恋愛対象とは思っていなかったようで、交際どころか連絡先を交換することもなく終わりました。
数年後私はその会社を退職し、別の会社で働きながら今の主人と出会って結婚しました。
恋愛感情の盛り上がりは、断然主人より上司のほうがありました。思い返してみると、男性と出会うたびにその上司と比較し、上司のほうが好きだったことを確認していたように思います。
しかし現実には叶わないので、ある意味諦めの気持ちもあってした結婚でした。結果、主人との結婚は間違いではなかった、と思います。
しかし、最近元同僚を通じてその上司がまだ独身で、私のことを覚えていてくれたことが分かりました。「EYさん、まだ好きみたいですよ」と上司に言うと、「嬉しいなぁ」と言っていたと・・・。
社交辞令なのはわかります。今更連絡を取り合うこともありません。でも、心が揺れて苦しいのです。
お坊さんにも恋愛感情はありますよね。「煩悩」が消せないときは、どう対処しているのですか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
妄想で終わらせているから楽しい
例えば、ケーキが大好きな人でも、ケーキを食べ過ぎたら気持ち悪くなります。
裏をかえせば、気持ち悪くなるくらいケーキを食べられたことで、満足したから、もう欲しくなくなったのです。
まだ食べ足りない、満足していないときは、ケーキをめっちゃおいしく感じられます。
元上司についてあれこれ妄想したくなる(妄想が楽しい)のは、元上司との関係が「お腹いっぱい」にまで至らなかったから、満足しないままで別れたから、です。
でも、ケーキを気持ち悪くなるくらいたくさん食べられた人は、幸せなのではないでしょうか。
ケーキを充分に得られなかった人はケーキの妄想も楽しめますが、実は満足していないのです。
もし、実際に元上司と付き合っていたら、「食べすぎて気持ち悪い、もう要らない」レベルまで達してしまっていたかもしれません。
不十分なところで、妄想だけで終わらせているからこそ、その妄想はいつまでも楽しめる妄想なのです。
一方、旦那さんは「もう充分。もうお腹いっぱい」な旦那さんかもしれませんが、それは、あなたが満足いくまで旦那さんを味わえたからかもしれません。
質問者からのお礼
迅速かつ丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。
「食損なったケーキ」・・・言われてみればたしかに、成就しなかったからこそ美しい思い出であり、叶わなかったからこそ執着してしまうところがあったと思います。今食べているケーキよりおいしかったという保証も無いのに(笑)
当時は上司のことを冷たいと思いましたが、この年になると、最大限私を傷つけないように振る舞ってくれたのだということが何となくわかります。好き嫌い以前に、新卒の部下に手を出すわけにいかない立場だったでしょうし。
成就しなかったからこそ思い返して胸がきゅんとする・・・誰にも迷惑かけていないのだから、それくらいは自分に許してあげてもいいのかなとも思いました。
これからは、心が揺れたら「これは食べ損なったケーキ」をおまじないにします。懐かしい思い出は思い出として、今の一日一日の生活を大切にしたいと思いました。