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母親になるということ

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こんばんは。
今年の6月に6年つきあった彼と入籍し11月に結婚式を終えたばかりです。結婚にあたり隣県に引越し、仕事も退職し専業主婦です。
結婚式がようやく終わり、これからやっと仕事を見つけて新婚生活を楽しみつつ1年後くらいから妊活を始めようとした矢先、先日妊娠が分かりました。
本当ならとても嬉しいことなのに突然ということと、結婚式がやっと終わったところで貯金もしなきゃいけないな、ということ、私自身まだ全然子どもで母親になれるのかという不安、そんないろいろな気持ちが混ざって心から喜べない自分がいます。
しっかりしないと!と思えば思うほどいろいろなことを考えて不安に押しつぶされそうです。
誰のせいでもない、自分たちの責任であることは頭では理解しているつもりです。
でも夫に強くあたってしまったり、実母に今後のことなど厳しいことを言われると泣いてしまったりと、とても母親になれると思えません。
また遠距離恋愛を終えて夫とやっと2人で過ごせることを喜んでいたのに出産後はきっと子どもにつきっきりで夫と今のように過ごせなくなると思うと悲しいです。
こんなことを考えてばかりいると、お腹にいる子どもに申し訳ない気持ちでいっぱいで、ごめんね、ごめんね、と言ってしまいます。強くなりたいのですが、どうすれば強くなれるのでしょうか。
こんな私は母親になる資格があるのでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

親になって初めて気がついた「阿吽の呼吸」

私は10年間の遠距離恋愛でした。結納も済ませ、いざ結婚式の準備という段階で妊娠がわかり、出産までは離れ離れでの生活。出産後ようやく一緒に暮らすようになりました。そのため、夫婦二人での新婚生活は全くありませんでした。

しかし、出産を機にこれまでとは異なる価値観を持つようになり、以下に私自身が出産に立ち会ったときのお話を記します。

出産は病気ではないからという安易な気持ちで妻の出産に立ち会いましたが、いざ出産に立ち会うと状況は全く異なりました。

陣痛がはじまり「すぐに産まれてきますよ」という先生の言葉とは裏腹に、陣痛促進剤を大量に投与しても子供が産まれてきません。

陣痛が始まってから30時間を経過しようという時です。「もうこの一踏ん張りでも駄目だったら人工的に取り出しましょう」という先生の言葉の後に、「オギャー!」と大きな声は出しながら子供が誕生いたしました。そして、その光景を目の当たりにして、修行時代に先生から聞いた「阿吽の呼吸」の意味を実感しました。

お寺の山門にはよくある仁王様。片方の仁王様は口を大きく開け、もう片方は口をつむっています。前者が「阿形」、後者が「吽形」の仁王様と呼ばれます。阿形の仁王様は人が産まれる時、吽形の仁王様は人が亡くなるときのお姿を表し、仁王門の間隔は人が生まれてから亡くなるまでの人生の長さが短いとことを示しています。

さらにそこから「阿吽の呼吸」という言葉が。サンスクリット語の50音は、日本語と同じように初めて「あ」で始まり、最後は「うん」で終わる。その途中がなく物事がピタッと一致することが「阿吽の呼吸」なのだと。

さらに呼吸の大切さを如実に物語っている漢字があり、男の子が生まれれば、「息の子」と書いて「息子」であり、女の子もかつては「息の女」とかいて「息女(むすめ)」と読んでいたと。

産まれたきた子供の姿をみて、阿吽の呼吸の意味を実感した瞬間でした。

この度のご懐妊はご自身の人生設計とは異なっているのかもしれませんが、親になって初めて親の大変さ・感謝の気持ちを強く持つようになり、これまでとは異なった価値観を持つようになりました。

妊娠期間はつわり等大変な時期があると思います。どうか御身体をご自愛され、元気なお子さんが無事お産まれになることを心より願っております。

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有り難し
おきもち

おめでとうございます🎉

それは素晴らしいことです。ご懐妊おめでとうございます^_^

命を授かった。モノではない命です。旦那様そのものと言ってもいい。あなたの大好きな旦那様の命をいただきあなたのお腹に宿ったのでしょう。

お子さんを大事にしないことは旦那様や、自分自身を蔑ろにすることです。おかねのことは旦那様に任せ、その命を二人三脚で大切にしていく。不安もあるでしょう。それならその不安も素直に旦那様に聞いてもらい、助けてもらう。
何より大切な命です。生きているのです。そこを大切に二人で育んでください。これを乗り越え、さらに二人の信頼はあついものになるのでしょう。

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おきもち

禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
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質問者からのお礼

邦元様
ご回答ありがとうございます。
いろいろと不安に思うこと、早速正直に夫と話してみました。そうしたら心のもやもやが少しはれました。夫婦なのだから1人で抱えずに、ぶつかりあっても2人で助け合っていきたいと思えるようになりました。大好きな夫との間に授かった命を2人で大切にしていきたいと思います。

加藤智章様
ご回答ありがとうございます。
奥様の出産大変だったのですね。出産というのは本当に命がけなんだなぁと思いました。
また、阿吽の呼吸、とても意味が深いということを初めて知りました。私も授かった命を大切に出産の時には教えていただいた阿吽の呼吸を思い出したいと思います。今は無事に子どもにあえることを祈っています。

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