天部の神様は怖いのでしょうか?
三面大黒天さまをお祀りしている者です。
ご本尊(阿弥陀さま)、個人的な念持仏のお不動さまと共に、毎日お勤めをしております。
大黒様のお祀りの仕方を読んだ本には書いていなかったのですが、人づてに「天部の神様は怖い」と聞きました。
(聖天さまやダキニ天さまの噂は聞いていたので、遠慮しました。)
大黒様には怖い噂は当初は聞いていなかったので、大丈夫だと思っていたのですが。
しかし何人かの方々から、総じて「天部」の神様は、人間に近く感情をお持ちなので、気をつけなければならないと聞きました。
聞いたところによりますと、
・粗末に扱う、罰当たりなことをしゃべる
・礼拝をさぼる
・信仰をやめる
・お祀りの作法を間違える
・お坊さんの真似をして、在家が本格的な祈祷をやる
これらが要注意だと聞きました。
その後、いろんな人の意見を聞いたのですが、「怖い」、「いや怖くない」と意見はバラバラでした。
いずれも在家の人々です。
(開眼は大きな寺院で集団で行いましたので、そのお寺のお坊さんとは連絡しずらい状況です・・・)
そこでお坊さまがたのご意見を伺いたくて、ご質問をした次第です。
よろしくお願い致します。
物欲。ひたすら物欲。 余計な好奇心。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
大黒さん私も拝んでますよ
kentarouさん、初めまして。
三面大黒天さん、私もご縁あり拝ませていただいております。
天部の尊を拝む際に注意が必要というのは事実です。
仰るよう、聖天さんや荼枳尼天さんは特に心して拝む必要があります。
とはいえ、天部の尊が人間に害を与えるわけではなく、行者の覚悟が問われます。
天部の尊は仏教に帰依する前にはその持っている力に溺れ仏様や仏の教えに背き、欲望のまま好き勝手していた神々が多く存在します。
また人間により近いところにおられる故に、人間の願いをより早く叶えてくれるとし、古くから信仰を集めてきました。実際に天部の尊のご利益は凄まじい面もあります。
お書きになられているように
「粗末に扱う」等はどの仏様や神様を拝むにしろ、大変失礼なことですし、自らの後ろめたさ故に本来の仏教の目的である真の心の平穏から離れる一方です。
「お祀りの作法を間違える 」のも文献やネットで調べて真偽のわからないままお祀りして拝むのは自身の中で疑を生みながら拝むことになり、信を深めることができません。
ちなみに「お坊さんの真似をして、在家が本格的な祈祷をやる」
これは、拝む対象が天部、明王、菩薩、如来どの仏様であろうが、しかるべき師匠について出家得度、授戒、修行もしていないものが勝手にしてはいけません。
仏教的罪、真言密教における越法罪、いわゆる教義的な罪はもちろん、社会的な犯罪にもなりかねません。モノマネ祈祷は往往にして霊感商法詐欺に陥りがちです。
一時的に財や尊敬を集めたとしても、すぐに化けの皮は剥がれ、得た以上のものを失います。
信仰する過程で独りよがりになり、我欲に溺れ、自分を見失って結果的に身を滅ぼした者がいるのは事実であり、戒めの意味もあり、怖いと言われるのだと思います。
とはいえ、普通に信仰し拝む分には何も害はありません。
もちろん怖くもありません。
川口先生のおっしゃられるように、過度に委縮するのではなく、謙虚に信仰し、ご自身と向き合い、ご自身の信を深め、ご加護、慈悲に触れていただければ幸いです。
オン・マカキャラヤ・ソワカ
合掌(^人^)
「追記」
お礼拝読しました。
合掌は印母(いんも、印の原型)の一つでありそれ自体が重要な印契ですので合掌にてお勤めください。折角ですので真言はお経の後に各三辺もしくは各七辺唱えていただくのが良いでしょう。
「護法善神」
kentarou様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
天部の神々は仏教では「護法善神」としてお祀り致すことになります。
尊い仏法を護って頂くというお立場となります。
悟りへと向かうための邪魔(四魔、陰魔・死魔・煩悩魔・天魔)をお鎮め頂ける役割であると言えるでしょうか。
怖い(形相は邪魔退治のための憤怒相の場合もありますが)というよりも、御守りを頂ける存在として有り難くに思われておかれると良いのではないだろうかと存じます。
過度に委縮するのではなく、尊重して敬礼申し上げて、ご加護を賜りたいものでございます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
川口英俊様
ありがとうございました。
「護法善神」としてお祀りしているのですね。
ご教示ありがとうございます。ポジティブに考え、過度に委縮するのではなく、尊重して敬礼するよう、心がけて行きたいと思います。
沙門 亮鷹様
ありがとうございました。詳しいご教示、恐縮致します。
毎日、大黒様、毘沙門様、弁天様のご真言を1回づつ、般若心経と大黒天神経を読誦しております。
(手印は在家はやめたほうが良いと聞きましたので、普通の合掌です)
越法罪のご説明もありがとうございました。疑問の多くが氷解いたしました。
今後も在家をわきまえ、過度に委縮せず、謙虚に信仰するように心がけてゆきたいと思います。
追記
沙門 亮鷹様
お勤めの作法までご教示いただき、感謝いたします。
合掌も重要な印契だったのですね。勉強になりました。
ご真言につきましても、さっそく明日の朝のお勤めから、実践いたします。
ありがとうございました。