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心が苦しいです

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先日、お話をきいていただいた者です。
父が亡くなって母と大学生の息子と3人で暮らしていますが、1年ほど前から母が認知症を患っています。きれい好きだった人がお風呂に入ることさえ鬱陶しがり、食事の支度は勿論、掃除洗濯もしません。
一日テレビを見て過ごすだけです。

私も介護の仕事をしていたので、認知症がどういうものか解っているのですが、そんな母に対してつい冷たく当たってしまう自分がいます。
父の代わりに母を守っていかなければならないこと、重々わかってはいるのですが・・・
優しくしなければ、と思えば思うほど冷たくしてしまう自分が嫌で嫌で。
このまま母が死んでしまえば、きっと後悔の日々を送ることになるのは目に見えています。

どうすれば心にゆとりができて、母にも優しく接することができるでしょうか?
今、とても苦しいです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

現実のお母さんとそうでないお母さん

あなたの理想とするお母さんを自分の心の中で優先させないことが良いと思います。
実際の現実は、たった今「そうなって」いるのですから。
今の実際の出来事に対して「昔は元気だったのに」とか、比較を生じて別物を生じさせていないでしょうか。「そちら」は今のお母さんではなく、あなたの記憶や理想という名のあなたの想念なのです。
そちらを優先させない様にするためにも、①実際のおかあさんと②そこで頭の中で生じる別のおかあさんとの違いを見極めてから、接するようにしてみてください。
現実のお母さんはあなたが悪く評価をしなければ、ただ、その通りの様を全うされているだけで、あなたを傷つけるものは何もありません。
あなたの中で沸き起こる理想のお母さんは厳しいようでもあなたの頭の中で出てきたイメージや「感じた」ことであって、実際のお母さんは実際のお母さんにちゃんとお逢いしませんと、本当の意味で接することはできないものです。
実際のお母さんに接することができますと、思い・想念の方に影響されずに、和うい思いも交えずに純粋に接することが出来ます。自分の想念と実際のお母さんとの違いをきちんと見極めてみてください。

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おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

心も身体も休めながら穏やかに

拝読させて頂きました。お母様の病状によってあなたもどうしてよいのか受け入れられず苦しんでおられるのかと読ませて頂きました。
あなた自身も大変お疲れなさっておられるのかと思います。先ずはできるだけ心も身体も休めてください。そして心を癒して冷静に見つめられるようになさってくださいね。
そのうえでお母様の状況は病気による影響と受け入れて頂くことです。
専門医やケアマネージャーさんからのアドバイスもあるとは思いますが、お母様が変わられてしまったのはその人のせいではありません。病気の影響によってそもそもの人格が変えられてしまったのです。
なかなか身近な家族特に親子ではそれを受け入れることは難しいです。ですから第三者に入って頂いて適切なアドバイスやサポートをお受けなさって頂きます様お願い申し上げます。
あなたが少しでも心の疲労が取れてゆとりが出てきてから優しく接することもできるのではないでしょうか。
またお子様の進学や生活もあるでしょうからいっぱいいっぱいにならないように心がけてくださいね。

ご病気になっていてもそれでもお母様へのあなたの思いは変わらず心の奥底にはあるでしょう。
どうかこれからも親子のご縁を穏やかに緩やかに保って頂きます様お願い申し上げます。
皆さんが心からお互いを思いやりながら仲良くお過ごしなさって頂きます様仏様やご先祖様にお祈りさせて頂きます。
いつもいつもご先祖様はあなたをお母様をお子様を皆さんをお見守りなさっていらっしゃいますからね。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラーメンが有名な処です。)これからも皆様のご質問に対して誠心誠意回答させて頂きたいと存じます。まだまだ修行中の身ですので至らぬ点あろうかとは存じますが共に精進して参りましょうね。お寺にもお気軽に遊びに来てください。
ご相談は朝から午後5時まで受け付けております。 人間関係や恋愛のお悩み、自殺願望、大切な方の死に直面した苦しみなど、どんな内容でも構いません。一人で抱え込まずに、ぜひお辛いお気持ちを吐き出してください。 仏様や神様、ご先祖様は、いつもあなたを見守り、聞いてくださっています。あなたが少しでも穏やかな気持ちになれるお手伝いをさせていただきます。

質問者からのお礼

一向寺 kousyo kuuyo Azuma 様
 
     お返事ありがとうございます。
     確かに今、生活することが精一杯になっています。
     父の死、愛猫の死と立て続けに起こり、心にゆとりがある状態ではありません。
    
     これからの生活の基盤を作るのに必死で、周りを見渡す余裕すらないのですから。
    
     昨日、お墓詣りに行ってまいりました。
     Hasunohaに心の苦しさを聞いてもらおうと思ったのは昨日のことです。
     きっとご先祖様がそうすべきだと教えて下さったのですね。

     今日明日すぐに心にゆとりが持てるわけではありませんが、少しでもそうなるように
     努力してみます。

     ありがとうございました。

安穏寺 丹下覚元 様

        お返事ありがとうございます。
        50年、見てきた母との差についていけないのだと思います。
        比べることをしてはいけない。 確かにそうですね。人は変わっていく生き物ですよね。
        職場でも、同じような症状の方はいらっしゃいました。その方たちとは上手くかかわって
        られたのは、目に見える姿だけしか情報がなかったからなのだと、今感じました。
        
        余計な情報や思想に邪魔されなければ、なんてことはないのですね。

        ご助言いただいたお言葉をかみしめて、今後を過ごしていこうと思います。

        ありがとうございました。

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