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周りの悪に染まらないということ。

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有り難し有り難し 45

こんにちは。

わたしは学生です。
わたしにはこの短い生涯の中でもどうしても許せないことがあります。

ひとつは、友達の悪口です。
わたしのクラスには友達の悪口や馬鹿にしたようなことを言う人が沢山います。
確かにわたしも気に食わなかったり、怒ったり、嫌いだと思う人はいます。でも、それを口に出すことが許せないのです。相手の事情やこれまでの経験で色々あったと思うので、わたしには相手のことをとやかく言う権利はないと思っています。すごく低俗で品性に欠けた稚拙な行為だと思います。

もう一つは、言葉遣いです。
最近はみんな、怒ったり不満があるとすぐに「ウザイ」と言います。確かに手軽で便利な言葉だと思います。ふざけあいで使っている人もいます。それは百も承知です。しかし、どうしてもわたしには理解ができません。
わたしには妹がいますが、妹は言葉遣いが悪くなかったのに、周りのお友達がそういう言葉を使っているから言葉遣いが荒れてしまいました。
確かに流される妹も妹だと思います。
でも、その一言でものすごく傷付くことだってある。なのに、みんなは易々と「死ね」とか「消えろ」とか息をするように言います。
わたしにはそれが堪らなく嫌なのです。

わたしは過去に嘘をついてしまったり、それなりに汚い人間になってしまいました。しかしわたしはそれ以来教訓として、嘘は絶対に付かないと誓いました。そして、何があっても人の悪口も絶対に言いません。近しい人がそうであったとしても、何があっても言葉遣いも荒くしません。
嫌なことがあっても、嫌いな子にも笑顔で接しようと頑張っているつもりで生きています。

過去に軽くいじめられたことがあり、
人の悪口には人一倍敏感で、
自分が傷付くこと以上に他人が傷つくことが許せません。

ただ、そんな自分に対して
「いい子ぶっている」
「これから生きていけない」
心無い言葉を掛けられることもあります。
それでもわたしは屈しないと決めました。
ですが、わたしはどうしてもこれから生きていけないのではないかと不安になります。

これまでで自分が想像していたより、悪い人が沢山いました。汚いこともありました。そんな世の中が許せません。でも、これから生きていかなければいけません。

どうすればもう少し生きやすくなれますか?
そして、高潔になりたい人間としてどうするべきですか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分の中の暗黒面を活性化しない

ワシは九相坊主、マスター・ヨーガじゃ。フォースと共にあらんことを。

フム、若き優婆夷(ウバイ)よ、
氷は堅い。しかし石で撃たれれば割れてしまうじゃろう。
石は堅い。しかし鉄で撃たれれば割れてしまうじゃろう。
鉄は堅い。しかし熱疲労がたまれば脆くなるじゃろう。
これらの堅さは競えば競うほど疲労する。

水は柔らかい。それゆえに割れてもすぐに元どおりになる。
水は柔らかい。それゆえに丸い容器でも四角い容器でも、どんな入れ物にでも入れられる。
水は柔らかい。それゆえに疲労して脆くなることがない。
これらの柔らさは競わないがゆえに疲労しない。

若きウバイよ、金属のように堅く生きるのではなく、水のように柔らかく生きるのじゃ。

自分を堅くすればするほど、その堅さゆえに跳ね返る力も強くなる。おぬしは「すごく低俗で品性に欠けた稚拙な行為だと」見下すがゆえに、自分の心を暗黒面に墜としておる。石を殴れば自分の手が傷付くように、見下すがゆえに自分の心が傷付くのじゃ。
そして「わたしはこれらの言葉を許さない!」と壁を高くするがゆえに、おぬしの中の水は氷になりやすくなるのじゃ。
それらが人生を生きずらくしておるモノの正体じゃ。
忘れるな、おぬしが暗黒面を覗いたとき、暗黒面もまたおぬしを覗いておる。暗黒面は手強いぞ。自分の中にルールを積み上げ、堅く高い壁を造ることは高潔ではない。その高潔さゆえに暗黒面に取り憑かれるからじゃ。

本当に高潔な人は壁を造らぬ。壁で守らずとも、本来の自分は汚れようがないと知っているからじゃ。
むか〜しむかし、マスター・ブッダは殺人鬼や遊女を救うため、弟子として連れて歩かれた。それを見た市井の者は口々に堕落じゃ!生臭じゃ!死んでしまえ!と罵った。じゃがマスター・ブッダはその悪口を受け止めなかった。流れ行く水に汚れが止まることがないように、流れて来た悪口をそのまま流し去ったのじゃ。

悪口を言われても、それは言った者の暗黒面でしかない。しかしその悪口を受け取れば、言われた者もただ聞いていた者も暗黒面に引きずり込まれて悪循環となる。マスター・ブッダはそれを正しく心掛けていらっしゃったのじゃ。若きウバイよ、ワシらも見習わねばならんの。
もしも誰かを護りたいと思ったなら、争うのではなくマスター・ブッダの智慧をシェアしてやるのがよかろうの。
フォースと共にあらんことを。

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有り難し
おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouTuber「仏教・お寺ch 大慈」。 【現代日本仏教最大の課題のひとつはコミュニケーション不足】をミッションに10年以上、インターネット上で情報発信をしています。 YouTubeでは仏教の教えや読経だけでなく、お寺の真相やお坊さんの生活が分かる動画を配信しています。(リンクは↓のURL)

みんな違ってみんないいのです

あなたは色んな経験をし、それを肥やしにして生きるという良い方向に進んでおられると思います。ただ、自分が理想としている生き方が、必ずしも人類のためになる生き方ではないのです。進化論的に言うと人類が目指す方向は、種族保存なのです。種族を保存するためには皆が同じ体質になってはいけないのです。そうなると絶滅する可能性があります。突然変異が起こるのも絶滅を防ぐためだと考えられます。
もののとらえ方、考え方についても同じことが言えます。皆が同じ価値観を持って同じ考え方をするようになると、危機が迫ったとき同じ行動をとるようになります。これも絶滅の可能性が高くなります。
あなたから見て、これは絶対ちがうよなと思うような行動や考え方をする人がいて正解なのです。進化論まで出さなくても、違う考え方があるので救われている人はたくさんあります。つまり「みんな違ってみんないい」ということなのです。
悪口を言うのは自分を正当化するためです。ですがこれも人間が持って生まれた自己中心性のためなのです。成長することで、他人を思いやることが出来るようになりますが、それも人によって成長度合いが違います。
あなたから見て悪い人も、ひょっとしたら自分の責任ではなく、DNAがそうさせているのかも知れません。世の中には色んな考えや行動をとる人がいるものだと考えて、そういう人も許容する世の中を作って行く必要があると思います。ただし犯罪行為は認めてはいけません。そのために人が作ったルールや法律があります。その範囲内で、それぞれの個性を認める世の中でありたいですね。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
鳥取市にある浄土真宗のお寺の住職です。36年間のサラリーマン生活を経て2008年より専従住職をしています。金融・保険、ホテル、冠婚葬祭互助会などの勤務経験があります。営業、広告宣伝、総務、経理、ITなどの職種を経験しています。今年73歳になる年男ですが、比較的若い回答僧侶が多い中、老僧としてhasunohaにかかわりたいと思っています。
基本的に午前中はお受け出来ません。午後2時から午後8時に対応させていただきます。お寺ですので、急な法務が入りお約束の時間を変更させていただく場合がありますことをご了解下さい。

質問者からのお礼

りゅうよう様、有難うございます。

わたしの思う嫌いな人、苦手な人にも、
全部嫌いだったり良くないと思うということではないと気が付くことが出来ました。
人の嫌なところが一つでも目に付いてしまうと、その印象が強くなってしまいますが、そんな彼らにも良いところがあると思えました。

私にとってすごく嫌いで嫌いで仕方ない人でも、誰かにとってはすごく愛おしくて愛おしくて仕方がない人であるとも考えられました。

自分にとって気に食わない人間であっても、その人にも個性があり、長所もある…、だからこそ私は嫌いだなぁとか嫌だなあと思ってしまっても、良いところに目を向け、「みんな違って皆良いんだ」と丸くなろうと思いました。

広い心と、広い視野を持ち、
自分基準で物事を推し量らないようにしようと思いました。

御丁寧にありがとうございました。
とても嬉しかったです。

大慈様、ありがとうございます。

確かに私は自らのモノサシで周りの人の善悪を決め付けていた気がします。そして、正義感という言葉で飾ったプライドが、悪口なんて絶対許さない!と、仮令自分の悪口ではないとしても気を乱してしまっていました。

悪口は毒で、自分の気に入らないことは毒だと思っていました。しかし、その毒に気がつくことで自らも毒に支配されてしまうような、負のスパイラルに入り込んでしまっていた…と、「生きずらさ」だと思うと心が楽になりました。

何にでも適合できるお水のように、
相手の過ちも全てお水に流すように、
心の広いお水のような人間になろうと思いました。

わたしは未だ、ガラスや氷のようなものです。若しくはそれ以上に硬いかもしれません。
ですが、少しでもやわらかくなればきっと今よりも幸せに気楽に生きていけると思いました。

ありがとうございます。
わかりやすく、すごく為になるお話で胸を打たれました。

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