仏事では、人がお亡くなりになってから、何度か日をあけてお勤めがあります(宗派によって異なりますが)。教えによれば「いま、このお勤めをしたから即大丈夫」と説いているのですが、それこそ「頭では分かっても全体として受け入れきれない」という状態があることによる、と私はとらえています。
また、「人の噂も七十五日」といいますね。今日から共謀罪が施行されたそうですが、いつ可決されたか、とか覚えてますか？存在すら忘れている人も多いのでは？
というように、人間の記憶には自然と「忘れる」という機能が備わっているのです。ですが、ものによってはとても長く記憶に留まります。そのメカニズムは色々あるようですが、「時々思い出す」というのは、記憶を長持ちさせる技の一つです。
あなたが、その方と別れてどのくらい経っていますか？今回それを思い出し、相談する気になったきっかけは何でしょう？その辺りを自分ではっきり把握してください。
そして後は時間任せです。七十五日経って何もなかった、100日経って何もなかった。そういう実績を積んでいけば、また急に不安になった時、今より多少は落ち着いた対応ができると思います。
可能性ゼロを目指したいですか？それは無理な話です。が、そんな可能性の超低いことで心を満たしていられるなら、「よっぽど平和に暮らしてるな、俺は」と思ってよろしいです。

佐藤良文

光圓寺

一般大学（一般的でもないが…）から大正大学の史学コースへ。そののちお寺。坊...

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