今後の人生が見えない
はじめまして。この歳になって情けないのですが、今後の人生をどう生きたら良いのかわからなくなりました。常に将来への漠然とした不安があり、悲観的です。
悩み苦しみも所詮は幻だと般若心経にありますが、実際にそう理解するのは難しいです…。どうすれば前向きに生きていけるのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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厳密には「幻」ではなくて、「幻のようなもの」
Kanako様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
将来への不安感というのは、皆ある程度持っているものであるのではないだろうかとは存じます。
不安の原因は、やはり、分からないという不確定なところにもあるかとは思います。
しかし、全ては因縁(原因と条件)次第として、善い因縁によれば、善い赴きとなり、もちろん、悪い因縁によれば、悪い赴きとなるということでございます。
仏教では、世間の一時的な幸せや楽というものではない、涅槃・悟りという結果へと向けた因縁を説く教えとなっております。
ですから、しかるべきに仏教の説く善い因縁に取り組んでいけば、善い赴きへと向かうことができるという安心が得られることができるのではないだろうかと存じております。
「悩み苦しみも所詮は幻だ」・・
厳密には、「幻」ではなくて、「幻のようなもの」となります。
あくまでも、それは実体の無い「空」ということを示す一表現で、完全な幻ではないということに注意が必要です。
完全な幻であれば、いかなることを成そうが、どれだけ善い因縁に取り組もうが、無駄となってしまうことになります。
そうではなくて、全ては、「縁起」により成り立っている、簡単には、因縁次第により成り立っているものとして成立はしているのであります。
ですから、前向きに生きていくのも、因縁次第。
人生をより善く過ごすのも、後生への安心へと向かうのも、因縁次第なのであります。
できれば、しっかりと仏教の説示している善き因縁に取り組むことで、人生ももちろん、後生の安心へと繋げて頂けましたらと存じます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
般若心経はこの世を生きるための知恵が詰まったお経だと聞き、エッセイのような解説本を購入して読んでいます。誤解していた点についてご指摘いただき、感謝しております。私は自分のキャパを超えた長過ぎるスパンでものを見ていたようです。今すべきことに集中して、それを重ねていくことを、まずは心がけて過ごしたいと思います。ありがたいお言葉をありがとうございました。また迷ったら相談させてください。