今後の生き方についてアドバイスを
今日、病院に、先週受けた検査の結果を聞きに行きました。
結果は、4~5年前に甲状腺癌の全滴を行いましたが、その癌が全身に転移している模様でした。
今、死を意識してしまい、全ての命が輝いて見えます。
今後、どのように生きて行けばよいのかわかりません。
現時点での今後の治療は、7月に放射性ヨードを服用し、癌を死滅させる方法をとる予定ですが、数年前に同じ治療をして、あまり効果がなかった記憶があります。
心の中の思いを誰かに聞いていただきたくて、この文章を書きました。もしよろしければ、今後の生き方についてアドバイス等をいただけるとありがたいです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
今を生きる私たちの行いが「死後の世界」をつくってゆく
人は、苦しい状況の中で希望を失わず、前を向くことは難しいもの。
それにも関わらず、前を向いて生きようとするあなたの命こそ、なにより輝いています。
さて、ご質問の意図とは少し違うかもしれませんが、最近「人はなぜ良いことをしなければならないのか」ということを考えて、一つの結論が出た気がするので、お話ししたいと思います。
よく、「良いことをすれば極楽浄土に生まれ変わる」「悪いことをすれば地獄に堕ちる」と言いますね。こういった話は世界各国にあるもので、善い行いをすればよい報いが、悪い行いをすれば悪い報いがあるというのが人間の本能的な感覚なのかもしれません。
仏教では、輪廻転生という言葉を用います。
これは、生前の行いによって死後に生まれ変わる世界が違うというもの。仏教を信じていなければちゃんちゃらおかしい空想だと思われるかもしれませんが、実はそんな単純な話ではないのです。
というのは、仏教的に言えば「現在の世界は、過去の人々が積み上げてきた業(おこない)によってできた世界」と考えられるからです。
例えば、一人の人間がきれいな公園に「私一人くらい、いいか」と言ってごみを捨てる。すると、周りの人も「あの人が捨てたし、私が捨ててもばれないか」とごみを捨てる。一人一人のごみは少量でも、みんなが「わたしだけはいいか」とごみを捨てれば、そこはごみの山となります。
最初にごみを捨てた人が生きているうちは、きれいな公園だったとしても、その人が死に、分子となって分解され、また身体を借りて生まれ変わったとき、その公園はごみの山となってしまいます。
一人一人の行いが集団となって世の中や環境も変えてしまうことを「共同業(ぐうどうごう)」といいます。
今を生きる私たちが、もし自分のことばかり考えて他人をかえりみずに生きれば、生まれ変わるころには世界は餓鬼の世界になってしまいます。
もし憎しみ合い、争い遭えば生まれ変わるころには修羅の世界に。
皆が悩み、苦しみ、足を引っ張り合えば、この世は地獄になります。
逆に、一人一人が世の中をよくしようと思えば、生まれ変わる世界は天にも極楽にもなるでしょう。
そう、私たちがよい行いをしなければならないのは「いつか生まれ変わった世界」をよりよくするためなのです。
命は、一度きりではありません。
今、できる良い行いを、少しずつ積み重ねていきましょう。
質問者からのお礼
お言葉をありがとうございます。
自分のできることをやっていこうと思います。