hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

「職業選択の自由と、社会に必要な仕事」のバランス

回答数回答 2
有り難し有り難し 10

世の中にあるほとんどの職業は、
世の中に必要な仕事だと思います。

しかし、就職(転職)希望者が、どのように職業を選ぶかというと、
『社会全体のニーズを把握して
全体として、各業界/各職業にバランスよく配分されることを意識する』というより

自己都合で選択する方が多いように思います。

そうなると、
楽な仕事、給料が良い仕事、自慢できる仕事が人気になります。

逆に、
世の中に必要であっても、給料が安い仕事、きつい仕事、は人が集まりにくいと思います。

また個人個人で、何が好きか、向いているか、などもバラバラです。

それなのに、
職業を決める時に、それぞれが自分の都合や、好き嫌いで、
(あるいは社会のことを考えているにしても自分個人の考えで)

バラバラに選択をしていて、
どうして、世の中が成り立っているのか、
少々不思議に思っています。

(※ある意味では、少し社会主義的と言いますか、
江戸時代のように生き方の選択肢が少ない方が
全体としてバランスが取れていたのではないかとも感じます。)

~~~~~
以下が質問部分になります。

現代社会は、資本主義の仕組上
個人レベルでは、就業人口のバランスが
いびつになるのは仕方ないのでしょうか?

また、私は現在、前職(IT)が色々な理由で合わず、退職しておりますが、
次の仕事は、畑違いの仕事を希望しています。

しかし、畑違いが希望なこともあり、
具体的に何をなすべきか、悩んでいます。

私としては、私利私欲よりも
少しでも他人や、社会の役に立てる実感のある仕事をしたいです。

そこで悩んでしまう点があります。

(当たり前ですが、)
「自分の仕事を1つ選択するということは
他の仕事を人任せにする」という見方もでき

どれか1つの仕事に就いたと「仮定」したとき、

「本当に一翼を担えているのだろうか?、
もっと困っている業界を助けるほうがよいのではないか?」

と、つい社会のバランスの方を考えてしまって
なかなか選択ができません。

「安定している仕事、面白そうな仕事」という基準であれば、
簡単なのですが、
社会全体のことを考えてしまうと難しくなってしまいます。

職業は、どのように決めるとよいでしょうか?
(もちろん最低限、向き不向きもあるとは思います。)

やや文章にまとまりがなく、長くなってすみません。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分の能力で継続可能な仕事を選ぶ

まずは、自分の能力にみあった仕事を選ぶことが大事でしょうね。

能力には、経験や知識も含みます。
生まれながらに頭が良い子供もいれば、親のおかげで塾に通わせてもらって知識を蓄えた子供もいます。
生まれながらの美男美女もいれば、ダイエットやおしゃれに頑張って美男美女になる人もいます。
どちらでも、結果的に能力を発揮できれば同じです。

で、必要とされている仕事で人手不足な仕事があるなら、一応需要と供給のバランスで、給料が高くなるはずです。
たとえば、介護や保育の人手が不足している場合、国は、介護や保育の報酬の単価を上げて、処遇改善を図ります。

求人募集が出ている仕事は、世の中に必要とされている仕事でしょう。
その中で、自分にできる仕事をみつければ、充分社会貢献になります。

{{count}}
有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
このお坊さんを応援する

鶏口となるとも牛後となるなかれ

私は職業選択の時、父から「鶏口となるとも牛後となるなかれ」の諭しをもらいました。最初は分かりませんでしたが、大会社で働き、第二の人生で小さな寺の住職に就任してみて、「中小企業で長と成る方が、大企業で作業員として働くより良い」との意味であることが、ようやくわかりました。参考にしてください。
また、質問を、みますと自分中心のお考えでなされていると感じました。大人は、自分中心の考え方から世間中心の考え方に成長することが大切です。「君たちはどう生きるか」は池上彰氏が心から感動し、人生を決めた一冊と言われる本の著書名です。コペルニクスの「地動説」を例に自分中心から世間中心に考え方を変える重要性が易しく説かれています。ポプラ社発刊の講読をお薦めします。この本の著者著述「人間の尊さを守ろうも」も貴君が抱く事項についても、回答が易しく説明されていると思いますので推奨します。

{{count}}
有り難し
おきもち

清水道心
サラリーマンでしたが、第二の人生は、在家から出家得度し僧侶に転進。現在、ブ...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

「まずは、自分の能力にみあった仕事を選ぶ」「求人が出ている仕事なら必要とされている」
「鶏口となるとも牛後となるなかれ」「自分中心のお考えでなされている」

ご指摘を頂いてから、改めて自分に目を向けると
心のどこかでそう感じるような部分がありました。

池上彰さんの本のことも、ちょうど先日テレビで拝見し気になっておりました。
ご紹介頂いた本、「君たちはどう生きるか」や「人間の尊さを守ろうも」
を読むなどして、もう一度、自分を見つめなおしてみたいと思います。

今感じたことを書きますと、
私が質問文に書いたことは、一見大層なことを言っているように見えますが、
それよりも大切なのは
「自分のできる範囲で、当事者意識を持つこと」なのではないかなということでした。

かつて松下幸之助さんが「日々の掃除」を重要視したという話を
最近読んだのですが、それもこのことと関係するのかもしれないと思いました。

まだ今はその大事な部分を、上手く言えない自分ですが、
もっと理解を深めていきたいと思います。

参考になる貴重なご意見をありがとうございました。

また、少し余談かもしれませんが、
(もちろん相談を聞いて下さる方のご都合次第ですが)
こうやって誰かに相談するのは良いことなんだなと思いました。

「自分が間違っているかもしれない。恥をかくかもしれない」など
どこかで思って、1人抱え込むより
失敗しても間違えでも、素直に思いを打ち明けたり、行動するなどしたら
結果が、必ず何かきっかけになると思いました。
むしろ間違いや恥こそ、次に活かせるのであれば、自分を前進させてくれると思いました。

(※お礼コメントに1点誤りがありましたので、追記訂正します。
「池上彰さんの本」⇒「池上彰さんがご紹介していた吉野源三郎さんの本」)

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ