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流産からの立ち直り

回答数回答 2
有り難し有り難し 38

現在2人目を妊娠希望しています。3月に流産、掻爬手術を受けてから、どうしても立ち直ることができません。産んであげられなかった赤ちゃんを忘れることができず、私の赤ちゃんはどこへ?と悲しくて仕方ありません。(水子供養はしています。)妊活も上手くいかず落ち込んでいます。主人には、いなくなってしまった赤ちゃんを引きずっていたら赤ちゃんは成仏できないと叱られます。肩の力を抜け、焦るなと言われますが、私には現状できません。突然悲しくなり、一緒にいる子供にもよく迷惑をかけてしまいます。今目の前にいる子供を一番に考えなければいけないのに…
どうすれば前を向けるのでしょうか?そんな日は来るのでしょうか?
また妊娠できるとしたら、それはまた同じ赤ちゃんが返ってきてくれるということですか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

出会い直し

ご相談拝読しました。

引きずらないようにするとか、前を向くとか、無理にそうする必要はないと思いますよ。

悲しい気持ちや寂しい気持ちもその子からのいただきものです。受け取ってあげましょう。

立ち直るということはその子のことでもう悩まなくなったり、思い出さなくなったりするということではないのですよ。

そうではなく、一つの命のかげがえのなさを知らされ、さらには形ある命を超えてずーっと出会い続けていくことのできる存在・はたらき、つまりは仏様としてのその子との出会い直しをいただくのです。
仏様とは真実に目覚めた存在であり、そして私たちに真実を教えてくれる存在でもあります。

その子を思う事を通して真実(本当に大切な事)に出会うならば、あなたにとってその子は仏様なのです。
仏様として見いだせた時、その子が今苦しんでいるというような思いはなくなることでしょう。
供養を通してその子との出会い直しをして参りましょう。

そしてもしもまた妊娠なさったのなら、それは新たな縁がととのったことによる新たな命です。
ですから命を取り返すために妊娠を目指す必要はありません。

妊娠できる・できないにかかわらず、その子は仏様としてずーっとあなたにはたらきかけ続けます。真実(本当に大切な事)に目覚めてくださいと。

だから悲しい気持ちになった時は手を合わせましょう。そして南無阿弥陀仏とお念仏を称えてもよいでしょう。

そうして出会い直しを頂く中で、

「ああ、私の思いを超えて勝手に感情は湧いてくるのだな。こう考えなきゃとか無理しなくていいんだな。そのまんまでいいんだな。」

と自分の姿に目が覚め、今この現実を受け止めていくことができるように思います。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

次の一歩を踏み出せるまで

さくらさん、はじめまして。質問を拝読しました。

3月に流産されて生まれてくることができなかった赤ちゃんに対して忘れることができずにいるのですね。

さくらさんは深い悲しみの中におられることと拝察いたします。
次の一歩を踏み出すことができるようになるまでいくつかの段階を経ることになります。知識として知っておいて頂けるとありがたいです。

流産されたと分かったときは、さくらさんは頭が真っ白になって何も感じることができなかったのではないかと思います。まずは何も感じることができない時期があります。

つぎにものすごく深く落ち込んでしまいます。そして、感情の振れが大きくなります。突然涙を流したり、突然怒り出したりすることがあります。さくらさんも自分の感情がコントロールできないこともあるかもしれませんが、それは自然なことなので心配はいりません。

その後、やっと流産した赤ちゃんについて考えられるようになります。赤ちゃんはどこへ行ったのだろうかと冷静に感じられるようになります。

そして流産した赤ちゃんはさくらさんの思い出の中へと大事にしまっておくことができるようになります。ここまで来るには時間が必要です。どれぐらいの時間なのかは分かりませんが、必ずこの段階までたどり着くことができます。

落ち込んでいるときに御主人の言葉がさくらさんの心に届かないことがあっても心配ありません。時間が必要なだけですから。

上記の1.真っ白になる 2.深く落ち込む 3.やっと話せるようになる 4.思い出にしまうことができる の順で悲しみを受け入れていきます。知識として知っておいてください。

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おきもち

徳島県の高野山真言宗寺院で住職をしています。 本山布教師心得として自坊の月例法話の他に、地域の出張法話の依頼もあります。 出張法話で寺のある地域の特産品「梨」を紹介するので、「梨のおじゅっさん」として有名になりました。 ホームページ http://houwa-kanonji.com/

質問者からのお礼

こんなにも早くご回答頂きありがとうございます。
回答文に思わず泣いてしまいました…
私にとっての仏様、すんなりと納得出来ました。流産した当初、とにかく辛く悲しかったのですが、いろいろなことに気づかされました。その子のおかげで、主人と子供を改めて大切にしなければいけないと気づきましたし、自分を労わる必要にも気づかされました。
「命を取り返すための妊娠」ドキッとしました。確かにそれが目的となっていたかもしれません。反省しました。
悲しい、辛いも全てその子の贈り物。自然な感情を受け入れたいと思います。
いなくなってしまった赤ちゃんのことを私が毎日想ってあげなければ可哀想だと、ずっと考えていましたがそうではなかったのですね。私の仏様ということを忘れずに、目の前の大切なことと少しずつ向き合っていきたいと思います。
なんだか、まとまりのない文章になってしまい申し訳ありません。誰にも相談出来ずに、ずっと悩んでいました。こんなにも親切丁寧にご回答頂き有難うございました!私の仏様…気持ちがとても楽になりました!!

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ