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彼の運の悪さについて

回答数回答 2
有り難し有り難し 23

現在私にはお付き合いしている男性がいますが
彼はとにかく運が悪い人間です。

見ていてかわいそうになるくらい本当に運が悪く、
大事な日に雨が降ったり、具合が悪くなったりします。
また、少し天然なところがあるので
彼自身の不注意で何かを失くしたり落とすことが多いです。
ただこれも「財布失くしたけど運良く見つかったね!」
ということがなかなかなく…本人が悪いにしても
かわいそうだなと思うことがあります。

私は明日、彼と遠出する予定でしたが
それも具合が悪くなり延期になりそうです。
正直ちょっと残念ですが、
彼の不注意で体調が悪くなってしまったわけではないので
仕方ないかなと思っています。
ただ、それに対して彼が
「俺さ、人をがっかりさせる天才なんだよね」と
悲しそうに言っていて私まで悲しくなってしまいました。

私自身は逆にラッキー人間で、
雨の予報を覆したり、
ぎりぎりかけこみで間に合ったり
ということが多いので
なかなか彼をどう励ましていいのかがわかりません。

私の兄も彼と同じようなことが多いのですが
こういう人がいるのはなぜでしょうか。
本人が意識していないところでラッキーがあって
アンラッキーが目立つだけなのでしょうか。

また、こういったときの励まし方や
そもそもの運気のあげ方、気の持ち方に
おすすめがあったら教えて下さい。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

とりあえず、疑ってみる

拝読いたしました。

最初に、私が感じたのは、彼は本当に運が悪いのか?という事です。
まずは彼の運の悪さに疑問を持ってください。

彼は本当に運が悪いのでしょうか?
彼には、一生懸命に自分を心配してくれる彼女がいます。
お坊さんに相談してまで、なんとかしてあげたいと思ってくれる人がいます。

不運なのでしょうか?
私はラッキーだと思うのですが・・・・

逆にあなたは、運がいいのでしょうか?
運がよければ、楽しみにしていた明日の遠出は延期にならないはず。

もし、彼の体調が明日に回復すれば?
その時は、あなたの運気が彼を勝ったという事になるのでしょうか?
じゃあ彼の運の悪さは何処へ?

大事な日に、雨が降ったり体調が悪くなること。
これは、もう変えようのない事実です。

ですがそれを、何故晴れない、なんで体調崩すんだと、変えようのない事実を正面から否定するところに、苦しみが生じます。
さらにその苦しみを認めたくないので「運が悪い」としてしまうのです。

ですので、まずは事実と向き合って下さい。
そんな、ただ思い通りにならなかったことを、捻じ曲げた思考で自分がダメだから・・・としても、自分を傷つけているだけに過ぎません。

また、自分の発した言葉はそのまま返ってきます。

もし、運気というものを上げたいのなら・・・
しっかりと事実と向き合う、マイナスの言葉は発言しない。
それを守って下さい。

ですが、我々はただの人間。
マイナス思考に突入することもあるでしょう。

しかしそれは、当然起こりうる感情です。
それもアリだと受け入れた時、不運から抜け出せると、私は思います。

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おきもち

時宗の寺院で住職をしています。 今の時代、お寺の在り方とは、僧侶とはいっ...
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失敗するのが怖くて先回りして自分から失敗する

経済人類学者の栗本慎一郎さんは、子供の頃、同居していたお祖母さんが「テレビ」といった簡単な横文字の名前を「テビレ」などと言い間違えるのが不思議だったとエッセイに書かれています。何度「テレビだよ」と直されても「テビレ」と言い間違えるのだそうです。
これは、横文字に馴染みの薄いお祖母さんが「横文字の名前を言い間違えて失敗したらどうしよう」というストレスのあまり「あらかじめ自分から失敗してしまおう」という無意識の行動に結びついたものなのだそうです。
予測できない失敗は自分でコントロールすることはできませんが、自分からする失敗は、いわば”わざと”しているのですから、自分のコントロールの範囲内の出来事で、その分ストレスが小さいということだそうです。
「出かけた先で体調が悪くなったらどうしよう」→「出かける前に体調が悪くなれば出かけなくてすむ」、「財布を落としたらどうしよう」→「最初から財布が無くなれば落とすことはない」、というような志向に結びついているのかも知れません。こうした行動は、当人が意識的に本当に”わざと”しているのではなく、無意識のうちにそうなってしまうので、本人も「どうして自分は運が悪いのだろう」と悩むことになるでしょう。

「途中で気分が悪くなったら休めばいいし、本当に体調が崩れたらそこで帰ればいいじゃない」といった風に、何か失敗が起こっても二人でいれば対処できるという見通しを持てるような方法で声がけをしてみてはどうでしょうか。

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おきもち

新潟県上越市、龍興山宗恩寺住職。
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質問者からのお礼

善通寺
海老原 学善 様

言われてみれば、そうかも!とハッとさせられました。
運が悪いという発想は、誰かのせいにしないことだから
いい考え方だと思い込んでいたようです。
事実から目を逸らしているだけですね…。
仰っている通り、しっかりと受け入れる事で
自分と彼の状況をよりよくするためにできることを
考えられたらいいなあと思います。
ありがとうございました!

宗恩寺
百目鬼洋一 様

栗本慎一郎さんのおばあ様のお話、
とても興味深いです。
確かに彼は私と付き合うときにすごく渋っていて
理由を聞くと
「自分がやらなくてダメなら仕方ないって思えるけど
自分がやってダメだった時のダメージが大きすぎるから」と
言っていました。
すごく好きな人に、付き合ってがっかりされたくなかったようです。
失敗したくない、という思いが人よりも強いのかもしれません。
そしてそういう気持ちが無意識的に
そういった思考に結びついているのかもしれませんね。
彼が少しでも気が楽になれるように、
声掛けしてみたいと思います。ありがとうございました。

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