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絶対秘仏

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有り難し有り難し 13

何度も質問してしまいすみません。

ここ一年ほど、御朱印を集めることにはまっていて、いろいろな神社やお寺に出掛けています。
ここはどんなところだろう?と調べるのが楽しくて、いろいろ見ているうちに絶対秘仏というのがあることを知りました。
有名なところでは長野県の善光寺とか。

そこで疑問に思ったのですが、仏様が秘仏になられたのは御告げがあってお隠れになったということなのですが・・・
何故お隠れになるのでしょうか?

善光寺のご本尊は、絶対秘仏であり7年に一度の御開帳のときに見られるのもご本尊ではなくご本尊を模したものだということを知ってびっくりしました。
誰も見たこともなく、これからも見ることのないご本尊・・・
すごく神秘的で、尊いことですね。

ぜひご本尊を見てみたいものですが、お隠れになるには意味があるのですね。
いろいろ読んだのですが私には難しくあまり理解できませんでした。
もし可能ならば、私のような素人にも理解できるよう解りやすく教えてください。
よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

宝蔵おのずから開いて受容如意ならん

公然の秘密という言葉があります。
これは私の尊敬する老師が悟りの内容や正法眼蔵を分かりやすい言葉に置き換えられたものです。
私は仏像が好きでしたがある時から外に求めなくなりました。
仏像・本尊・秘仏の御開帳とは、その仏像自体に用があるのだろうか。本当はそれを拝む自身にこそ用があるのです。自己の本尊とは内にあるからです。本尊とは自己の本来の姿。外に求める仏という図式をつい描いてしまいますが、求められるべき先は本当は自身が自身の中に「ほとけ性」という本尊を見出すための機縁とするべきものです。
これは求道心、菩提心の度合いによって変化します。
本当に秘仏を見たいと思ったら、そのめったにご開帳されない仏様を物質的にみて拝むだけではなく、ミルフィーユのように何層にも何層にもなった自分の色々な思いのベールを全部脱ぎ捨てて自身の中のご本尊をご開帳するべきです。
公然の秘密。
仏法というものはいたる所にあります。
思いや考えの雲が現代人たちは先立てています。
脳内ディスプレイには常に「自分が思ったこと」(脳内情報)が優先的に機能しています。
人は「そっち」ばかりを見ているのでしょう。
私が思ったことというサブ・副産❝仏❞ばかり思い描き、実物、実仏=秘仏をみないのです。
テレビのアニメやドラマもキャラクターというものは仮の姿です。
先日亡くなられた「渡る世間は鬼ばかり」で長年意地悪な姑役をされてきた赤木春江さんもドラマの中で意地悪な役をしてきただけであって実際にはイイ人だったそうですが、ドラマのキャラクターが先立って意地悪な人だと思われることがよくあったそうです。
映画やドラマの出演者の合同記者会見などでも一部のファンの中には本人ではなく、ドラマ映画の中の主人公・キャラクターとしてみている脳になっている人もいるものです。
※私たち人間が何かものを見る時、キャラクターを優先しているヨという心理をついた話です。
あなたが本当に拝むべき秘仏というのは本当は仏像の方ではないと思います。仏像を拝まれてもその奥の奥にある自身の本来性を拝むべきではないでしょうか。
人間の見解をうちすててものを見る時、もともと秘されていたわけではないのですが、自身の先立てている気持ちや思いの層が厚い故に見出さなかった秘仏とでもいうべき真実仏を目にすることができます。坐禅などの仏行は自己の本尊・本来性を見出す道です。

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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

ご回答ありがとうございました。
仏教の考えというのはやはり難しいですね。
なかなか自分と向き合うというのは私には辛くて避けているところもありますが、頑張ってみようと思います。
ありがとうございました。

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