なかなか仕事に就けません
7年半勤めた会社を、人間関係が原因で退職し、1年以上経ちますが、なかなか新しい仕事に就けず困っています。
就職活動をしている間、家族への感謝の気持ちが強くなり、1日も早く就職し、恩返しや楽しいことの共有をしたいと思っているのですが、実現できずに苦しくなるばかりです。
マイナスな事を言ったり思ったりするのは良くないと聞き、自分なりにポジティブに、マイナスな事は言わないようにしているのですが、こちらには素直にお話をさせていただきました。
転職が成功し、明るい未来をイメージして生活し続けて、就職活動頑張っていれば、大丈夫だと思われますか?
何かアドバイスをお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
ぜんぶだいじな「あなたのじかん」
おつかれさまです。
先般、ちょっと縁のある所に書いたわたしの寄稿からの抜粋ですが、
よく耳にしたりします、「無駄」という言葉があります。
これは、荷物を載せていない状態の「馬」のことだそうです。
荷物をのせていない馬には利益がないことから、無駄になった
ということです。にもつをおろして「からっぽ」になった、その状態を
「無駄」というのだそうです。
さて、にもつをおろしたからといって、「馬」は別ななにかになった
わけではありません。
またいつでも荷物をのせたら「無」がなくなって「駄」になります。
その「無駄」のあいだも、馬は歩いたり走ったりして、歩けるように
しておかねば、いざというときに本当に役に立たなくなりますから、
しっかりごはんを食べさせ、休養も取らせるのです。
いまは、そんな「からっぽの時間」だと思ったらいいのではないかと
思います。
谷川俊太郎さんの詩に「ハコのうた」というものがあります。
からっぽはすばらしい
なんでもいれることができるから
でもいつまでも ためておかない
またからっぽにして ハコはまつ
あたらしいもの たのしいもの
ハコはいきて こきゅうしている
ハコのなかで ひとはうたう
ハコのなかで ひとはかたる
ハコのなかで ひとはおどる
ハコのなかは そととはちがう
わくわくどきどきはらはらさせる
ハコはいきて こきゅうしている
~参考:谷川俊太郎いわき文化会館アリオスに寄せて四篇詩のひとつ~
これを読んで、わたしは、ポジティブな言葉も、ネガティブな言葉も
なんでもかんでも自分のなかに入っているものなんだと
感じました。
だからことさらにネガティブなことが悪いとは思わなくなりました。
それも、わたしがひとつのハコとして、いろんなものを入れる為に
必要なことなんだと思っているんです。
いまあなたの中に入っている、家族への感謝の思いも大事ですが、
ネガティブに思ってしまう心もまた、自分にとって大切なこころだと
感じることで、きっとそれらは次に活かされてくると思います。
だからこそ、いまこの時の「からっぽ」の時間を、充分に
味わってみる、そう思って、一日一日を歩いてみては如何かと
思います。
あなたにさちあれ、さちあれ。合掌
質問者からのお礼
星 大晃 様
お言葉ありがとうございます。
心が少し軽くなりました。
「駄」の時が来るまでの、「からっぽ」の時間を、味わいながら歩んでみたいと思います。
ありがとうございました。