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物事の考え方について

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有り難し有り難し 11

私の職場環境、主に人間関係、雰囲気は良いと呼べるものではなく、先日、職場の管理職から言われた話が気になっています!
例えば、ガラスのコップを壁に投げたとして、壁に当たって割れるよね?その事実をどう受け止め解釈するかは、人それぞれ,,,そこに善し悪しはなく、ただ投げたから割れたと言う事実があるだけ,,,だと。
怒る人もいれば、割れちゃったねって人もいる。
何が正解で何が悪いって事はないと。
それを職場環境に当てはめた時、みんな自分の良いと思うこと、価値観や正解だと思っている事、自分軸で物事を話すよね?と、善し悪しがなく、ただ起こった出来事に目を向けるんだと言っていました。
そこで疑問なのですが、善し悪しがないのだとしたら何故争いが起きるのか、起きた物事だけに焦点をあてて、そこから解決策は生まれるのでしょうか。
起きた物事を説明した上であなたはどう思いますか?と問えばいいと。問われた事に対して述べた色んな人の意見を聞いて誰がどう判断するのか。善し悪しがないのなら、ただ起こった事実だけが残りますよね?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

事実は私たちの外にあり、価値は私たちの内にある。

こんにちは。亀山純史と申します。

なんでも鑑定団というテレビ番組がありますよね。鑑定品そのものには、本来、「高い」も「安い」もないのです。ある人たちにとっては、あるものはものすごく高価なものになっている、ということだけなのです。また、私たちは起きた事実に対して、価値をつけてその事実を見るので、様々な争いごとが起きるのです。
このように私たちは物事に価値をつけて見る生き物なのです。それは私たちは「考える」生き物だからです。あなたがこのハスノハに登録し、そしてご質問(ご相談)を投稿しているのも、そこにあなたの価値判断が働いているからなのです。確かに、ハスノハにご質問(ご相談)を投稿した、ということは事実ですが、その投稿には、「こんなこと聞いていいのかなぁ。」「絶対私の考えは悪くないはず。そうだ、ハスノハにそのことを聞いてみよう。」などといったあなたの意志や価値観が働いているのです。
このように、私たちは「起きた出来事そのもの(事実)」に価値をつけて見てしまいますが、事実そのものは私たちの外にあるものなのです。そして「それをどう判断するか(どういう価値をそれにつけるか)」は、私たちの内にある、ということです。
「人間万事塞翁が馬」という故事があります。「老人(塞翁)の馬が逃げだし、その事実に対して、人々が気の毒がっていると、やがて、その馬は駿馬を連れて戻ってきた。その事実に対して人々が祝っていると、今度はその馬に乗った老人の息子が、落馬して足の骨を折ってしまう。その事実に対して人々が見舞っていると、一年後、戦争で若者たちはほとんどが戦死した中、足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだ。」という内容ですね。それぞれの場面には事実がありますが、その事実にどう価値をつけるかは、私たちの側にあるのです。ですから、私たちは事実を目の前にして、一つの見方だけに固執することなく、柔軟に物事を見ていけるようになりたいものです。

以上が私からの回答になります。少しでもお役に立てれば幸いです。

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有り難し
おきもち

hasunohaを訪れてくれた皆さん、こんにちは。私は浄土真宗本願寺派の僧...
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質問者からのお礼

余裕がないのかも知れません。先ずは自分の心と身体と視野をクリアにしてみたいと思います!ありがとうございました!

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