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赤ちゃんの戒名(位牌)について※長文です

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初めて質問させていただきます。
3週間前に愛娘が病気で亡くなりました。生後6ヶ月の赤ちゃんです。悲しみに浸るまもなく、あれよあれよと葬儀を終え、来月四十九日の法要をする予定です。
本位牌を手配するため戒名の意味など調べておりました。
義実家の菩提寺は天台宗で、普段よりお付き合いは全くなく、私はこの度初めてそのお寺の存在を知りました。そちらで書いていただいた仮のお位牌 では「満6ヶ月」と「数貮歳」の2つの表記があり、私に数え年の知識が無かったものですから、「なぜ2歳なのか?」ととても気になりました。電話をかけてご住職に伺いましたところ、数え年について説明もいただき、本位牌には両方入れてもどちらかだけでも良いとの回答をいただきました。自分でも数え年についていろいろ調べ、2つ書いていただいた意味も理解できましたが、本位牌には「満6ヶ月」だけにしたいと思いました。なぜなら私の感覚では娘は0歳の赤ちゃんで、病気のため身体も新生児ほどの大きさしかなかったのに、2歳という言葉(年齢)はあまりに違和感があるからです。
さらに戒名自体については、主に1歳くらいまでの赤ちゃんには「嬰女」、2~3歳くらいには「孩女」という位号をつけることが多いと言われているそうですが、うちの子は「孩女」とつけていただいていました。おそらく数え年で2歳だからなのかと思ったのですが、ここでも物凄く違和感を感じてしまい、なんだかモヤモヤしています。一瞬、「嬰女」に変えていただきたいとすら思いましたが、再度お電話差し上げる勇気もないですし、つけていただいた戒名に難癖つけたいわけでもないです。ただ、数え年を使う意味やメリットには、宗教的な考えもあるでしょうが、昔の時代背景による簡便化といったことばかりが出てきて、この戒名にちっとも納得出来ません。私は無宗教ですし。数え年で戒名をつくることに、少しでもプラスに考えられるようなお話があれば是非お聞かせ願いたいです。「昔は面倒臭かったから」なんてことではない理由が知りたくて調べているのに、調べれば調べるほど墓穴を掘ります。2歳の戒名でも良いんだと思えるようなお話をお願いします。可愛い可愛い愛してやまない娘です。モヤモヤしたまま位牌は作れないです。どうぞよろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お腹にいた時間も「命」の修行実績(2年生扱い)

仏教では輪廻転生を考えます。
赤ちゃんにも前世があったはず。
前世で宇宙のどこかに生きていた者が亡くなって、生まれかわって新しい命として宿った。
その、新しい命として宿った瞬間とは、分娩のときではなく、受精卵と成った瞬間ではないでしょうか?
そう考えると、数え年で考えることにも一理あります。
「二歳」の意味が全然違うのです。
お母さんのおなかの中にいた時間も、その子にとってはこの世で過ごした命の時間だったのです。
いずれにせよ、戒名のつけ方は、同じ宗派であってもお寺によって違う、お寺ごとの伝統もあります。
ご住職さんは悪意があってその戒名をつけているのではないでしょう。
また、戒名をいただいたことは、2600年前にインドに生きておられたお釈迦様の弟子の弟子の弟子の弟子の…弟子になったという意味です。
何十年生きても、何億年輪廻転生をくりかえしても、仏様の弟子になれない者もいますが、お子さんは幼いながらも、お釈迦様の弟子に仲間入りする機会を得られたのです。
戒名をいただけたこと、仏様の導きに出会えたことは、天を仰ぎ地に伏して喜ぶべきこと。
どうぞ誇らしく思ってあげてください。
約2年間頑張ってこの世で修行して、仏様の弟子になれたのです。地球上の学年は2年生。
ご住職は、お腹の中でお母さんと一緒に過ごした時間も数えて、実績を水増ししてくれたのです。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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過去何百年間も「数え年」を使用していた

こんにちは。お悔やみを申し上げます。

 さて、数え年についてですが、お寺さんからも説明があったと思いますが、数え年とは、生まれたら「ひとつ」とし、年を越すと年齢を足す数え方です。12月31日に生まれた赤ちゃんは翌日には「ふたつ」となります。昔は「0」という概念がなかったから「ひとつ」からはじめたわけです。現代において使われている満年齢の数え方と比べると違和感を感じるかもしれませんね。でも「数え年」は日本において長く使われてきた年齢の数え方であり、お寺では一般的な数え方となります。つまり過去何百年もの人たちは数え年でやってきたので、あの世の方々にとっては満年齢の方が違和感があるかもしれません。数え年をぜひ大切にしたいものです。
 お戒名が「孩女」だったとありますが、年齢は関係なく「赤子が笑っていたら孩を付ける」と聞いたことがあります。ステキな戒名だと思いますよ。大切にしてください。

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有り難し
おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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質問者からのお礼

願誉様
早速にご回答いただきありがとうございました。早産でしたのでお腹にいる期間を1年とは思えない気持ちでおりましたが「受精卵となった瞬間」という言葉にハッとさせられました。実は娘は体外受精で凍結保存していた受精卵で産まれました。うちには同じ時に採取し凍結させた他の受精卵で産まれた、現在2歳になるお兄ちゃんがおります。娘ももしそのときお腹に戻していれば2歳だったかもしれない、そう思うと2歳というのもぴったりに思えました。考え方1つですが、モヤモヤが無くなっていくのが分かりました。ありがとうございました。

光禪様
ご回答いただきありがとうございました。
「赤子が笑っていたら孩をつける」。それを聞いて娘が天国でずっと笑っていられるような気持ちになりました。先天的な病気のため様々な面で発達が遅く、いわゆる「笑う」ことは出来ませんでしたが、その分天国でたくさん笑える名前なんだと改めて思うことができました。ありがとうございました!

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ