離壇と戒名を返すとは?
以前にご相談させていただきましたが、実家の菩提寺との関係が良くなく離壇の方向で住職と話を進めています。
菩提寺は真言宗智山派です。同宗派でお寺を見つけることができればよかったのですが、兄が学生時代にお世話になった先生が浄土宗の寺で住職をしており、葬儀社の信頼も厚く今後はそちらでお世話になろうと考えております。
ご相談に伺ったところ、菩提寺との関係がきちんと解消されれば入檀は問題ないとのお話を頂きました。
問題は菩提寺です。離壇についてお話ししたところ『戒名を返すように』との趣旨の話をされました。
授かっている戒名を返すとはどのような意味なのでしょうか?
菩提寺の過去帳から名前を消すこと?
位牌の戒名も新しい宗派で新たに戒名を作って頂かなくてはいけないのでしょうか?
菩提寺としては離壇を避けたいとの考えから離壇引き留めの色々な話をしてきました。
色々とわからない内容だった為、一度話を持ち帰りました。
転派と戒名についてご教授よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
転派しても現実的にはそのままの戒名で。
ご相談読ませていただきまさした。真言宗と浄土宗ではお戒名の付け方も意味も違いますから、確かに正式に転派となれば真言宗の戒名を返還して浄土宗でつけ直してもらうようになります。しかし現実的には既に授与された戒名を返還するのは抵抗がありますね。おそらく菩提寺さんは離檀に対する嫌がらせとして戒名返還を要求しているように思います。
それにお兄さま縁故のお寺ならば真言宗の戒名でも引き継いでおつとめは浄土宗でしてくださると思います。あらかじめその浄土宗の住職に経緯を説明してみるべきです。
ちなみに、うちは浄土真宗ですが近くに浄土宗のお寺が無いので同じ阿弥陀様がご本尊と言うご縁で浄土宗の戒名の方を同じ戒名で法事などおつとめしています。
ですから、現実的には最初に頂いた戒名で転派後もご供養してもらうのが良いと思います。
それから本来離檀料などはありません。そのお寺が離檀にあたって離檀料を請求するようなら弁護士を立てると言って、お断りして良いと思います。但し、お墓についてはちゃんと更地に戻してお返しするのが筋です。石材店に依頼して更地に戻せば別途に離檀料を払う必要はありません。
しかし、気持ちとしては今までご先祖をお守りしてくださったお寺には間違いないのですから丁重に菓子折り持ってご挨拶すべきだと思います。その際、3万とか5万の懇志は包むべきでしょう。
戒名は仏教徒の証し
りりいさん、住職との不仲残念です。住職にも責任があります。私が代わりになる訳ではないですが、「ご迷惑をおかけして失礼しました。私が嫌いになっても仏教を嫌いにならないで下さい。」「お身体にも気を付けて、ご自愛下さい。」
戒名は仏教徒の証しです。一度つけた戒名を返上することは出来ません。戒名は住職の持ち物でも宗派の持ち物でもありません。仏弟子の証しです。檀信徒は菩提寺や住職の持ち物と勘違いしている結果ですね。戒名を付ける時に故人様の生前の生き方を参考に授けたはずなのにいざ子孫の方々が離檀すると悪態をつく。そんな住職さんの噂は良く聞きます。出会いが縁なら別れも縁です。僧侶が四苦八苦に苦しむとは情けないですね。
だからといって、あなたが別の宗派に知人の紹介だからといって檀信徒になるとまた同じことを繰り返しますよ。分かりますか?その宗派の特徴、教え、お経、開祖様、祖録(教えを書き示した書物)、本山、規則などすべてご存知ですか?そんなことも知らないで檀信徒になると同じ事が児孫で繰り返すかもしれませんよ。あなたが入檀するなら、子孫のことも責任を持ってください。
孫悟空が斉天大聖に戻る
西遊記に出てくる石猿の俗名は斉天大聖でしたが、三蔵法師に弟子入りして孫悟空という戒名をもらいました。
もしも孫悟空が三蔵法師の弟子を辞めて(又は破門されて)在家に戻るなら、孫悟空という戒名を捨てて斉天大聖に戻るという考え方もできますね。
もちろん、戒名に著作権などないでしょうから、三蔵法師の弟子を辞めても孫悟空を名乗り続けたって良いです。
つまり、菩提寺の住職が師匠にあたるので、住職の弟子を辞めたいと言うなら、師匠が「わしが名付けた戒名を名乗るな」と言うことも、ロジックとしては成り立つのです。
ただ、現実的には、菩提寺を変えても戒名を変える必要はありません。
新しい菩提寺の住職に相談し、同じ戒名で問題ないか確認しましょう。
質問者からのお礼
ご回答いただきありがとうございました。
新しいお寺のご住職には今までの経緯はお話しし、入檀の了承は得ています。
現在のお寺にはお墓は無く、お墓は自宅近くの共同墓地にある為、お墓を移す必要もありません。離壇の際に今までお世話になった?お気持ちはお支払いする予定です。
住職の人柄や今後のことを考えるとやはり離壇することが一番の方法と考えています。
戒名についても理解いたしました。ありがとうございました。