hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

戒を授かることについて

回答数回答 1
有り難し有り難し 8

お世話になります。

私の実家(祖父母)は、父方・母方ともに西本願寺派の檀家ですが、父母の代から別に家を構え、私自身も結婚して独立し、父母の家・私の家ともに仏壇はなく、檀那寺との付き合いもありません。

今後、父母逝去の際にどうするかという問題もあるのですが、今回ご相談したいのは、私自身の授戒についてです。

生前に戒を授かることはとても尊いことと聞き、死後授かるよりも素晴らしく、破戒があっても、輪廻の果てに必ずや解脱に導くと聞いたことがあります。
仏弟子となりたいという思いのほか、子どもをもうけるつもりがないため、死後の葬送が不明瞭ということもあり、生きているうちに戒を授かりたいと考えているのですが、どのように手続きしてよいか分かりません。

高野山、善光寺では授戒会をしているときがあるとか、本願寺ではお剃刀があるという断片的な情報しか知り得ないのですが、

1 授戒とお剃刀は仏弟子になるという意味で同様のものですか?(浄土真宗には戒がないのでお剃刀とは聞いています。)

2 授戒と戒名の授与は別なのでしょうか?

3 どのように授戒やお剃刀にアクセスすればよいでしょうか?(いきなり近隣の
お寺に行って、「授戒してください。」でOKなのか?)

4 複数のお寺で、何回も授戒を受けてもよいのでしょうか?その場合戒名は複数持てることになるのでしょうか?

5 生前戒名を授かっていた場合、授戒したお寺さん以外で死後、葬儀や法要をしてくれない場合もあると聞いたのですが、肌感覚としていかがでしょうか?

6 また、祖父母の檀那寺を含め、もし授戒をしてくれるお寺様と巡り合えた場合、その授戒・戒名(又は法名)を持ちながら、他宗派の信仰や勤行をしても差し支えないものなのでしょうか?(例えば、檀那寺又は檀那寺経由で浄土真宗の法名をもらいながら、一方で、他宗派の信仰や勤行をする等)

以上、とりとめのない質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

2023年1月11日 14:24

この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

戒名を受けるとは、自分にとっての師匠をみつけることです

曹洞宗の吉田俊英と申します。曹洞宗の場合に即して回答させていただきます。それ故、他の宗派のことや其れに関連した疑問質問への回答になっていない部分があります。

1,曹洞宗の場合、授戒とは出家して仏門に入る際に得度式を行います。その儀式は「①剃髪して法衣をいただき、僧侶としての名前(いわゆる戒名)をいただく。」「②授戒」から構成されます。在家者の葬儀は、出家得度式を援用されて行われてきました。曹洞宗の場合、在家者の葬儀に於いて、授戒の前に剃刀を当てて剃髪する素振りをする場合もありますが、剃刀を省略する場合もあります。

2,檀信徒の葬儀に於いて、「故人に戒名を与え、仏弟子として仏戒を守って修行に励みなさい。」という形で戒名を授与し授戒してます。別ですが、一連の儀式の中で一体となっていると理解すべきでしょう。

3,授戒してもらうとは、其の僧侶に弟子入りすることを意味します。師匠となる僧侶を自分の足で見つけていただくしか有りません。法話の会・坐禅会・写経会に参加したり、親戚知人の葬儀法事に参列したり御朱印をお願いしたりする。これらのことを通して、お寺さんと御縁を結び、師匠となる僧侶を見つけて下さい。曹洞宗では永平寺總持寺で毎年4月に大授戒會(だいじゅかいえ)を開催しております。(コロナウイルス感染予防のため、最近は中止が続いていますが)菩提寺が有る方は菩提寺から戒名をもらってください。菩提寺の無い方決まってない方には戒名をお授けします。但し、信士とか居士はつけません。という対応をしています。

4,授戒會には何度でも参加しても構いません。複数の戒名を受けることはお勧めできません。一度戒名を頂いたら、再度授戒會に参加するにしても「既に〇〇△△という戒名をいただいています。」と申告して参加して下さい。

5,生前戒名を受けるということは、死後に其の僧侶に其のお寺で葬儀をしていただくという意味です。インターネットで寺を持たない僧侶がホームページで「戒名を授与します。御布施は〇万円」と記載しているのを見たことがあります。戒名を受ける本人が其の僧侶に帰依しているのなら、構わないでしょう。但し、戒名を受けたなら、葬儀も其の僧侶にお願いするのが筋でしょう。他の僧侶に依頼せざるを得ない場合も、事前に相談しておくべきでしょう。

2023年1月11日 17:44
{{count}}
有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

吉田俊英 様

ご回答ありがとうございます。
入力したつもりでしたが、反映されておりませんでしたので、再度お礼申し上げます。この後、システムの都合等で、重複した場合はすみません。

曹洞宗でのご事情を大変分かりやすく解説していただき、誠にありがとうございました。

「戒名を受けるとは、自分にとっての師匠をみつけること」
「師匠となる僧侶を自分の足で見つけていただくしか有りません。」
というご回答に、難しさと仏縁を感じております。

現実的な難しさはあるものの、それを乗り越えたときに、師僧との仏縁が結ばれるよう祈っております。

最後に、重ね重ねになりますが、丁寧なご回答をいただいたこと、感謝いたします。
合掌

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ