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遺品について

回答数回答 1
有り難し有り難し 24

先日、母が亡くなりました。
母へは親孝行は何も出来ず、避けていた部分もありました。
寂しく悲しかったと思います。

親子関係は、仲良し親子というものではなかったと思います。
私とはうまく行かないけど、でも元気に楽しく過ごしていてもらいたい、という自分勝手な思いでいました。
今では自分があまりにも子供であった事に気付き、
申し訳ないという気持ち以外ありません。

母がたった一人で亡くなった部屋には布袋様の置物がありました。
傍には祖父母の写真が飾られていました。

この布袋様は私が小さい頃に祖父母の家に置いてあったもので、
当時、私は寂しい事や悲しい事があると布袋様の笑顔をじーっと眺めていました。

祖父母が亡くなった後に、母にその布袋様の事を「形見に欲しかったな」等と話したことがありますが、
その時母は、自分が持っている事を私に内緒にしました。
「誰かが持っていったかなぁ」程度で流していたような記憶です。

なので、もういないと思っていた布袋様と再び巡り合ったのですが、
当時母は持っていても私にあげるとは言ってくれなかったし内緒にしていたものです。
大事にしていたのだと思うのです。
それに私は他のきょうだいに比べても母に好かれていた自信がありません。

私が安易に引き取ってもその存在感から、後でやはり自分には重い。
と感じてしまうのではないか?という心配もあります。
絶対に生涯共にして大切にするのか?
というと自信が沸いてきません。

布袋様と再会した時は是非うちに来て頂きたいと思ったのですが、
よくよく考えているうちに、これは私が引き取るよりも、祖父母の写真と一緒にお寺に引き取って頂く方が正しい選択のような気がしています。
(私との会話は母は忘れていると思います。覚えていたら誰も持って帰らないように自身で整理済みだったかもしれません。)

お坊様方ならどのように感じますか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

亡くなった方を忘れないために!

質問読ませていただきました。

生前のお母様との関わりなど思い返し、色んな思いが渦巻いておられるのですね。
心中お察しいたします。

さて、後悔先に立たずとよく言われますように、人はなくしてから後悔することが多いものです。それは人でもモノでもそうです。
やはり、在ることに慣れてしまって、それを当然と思ってしまうのですね。そして、なくしてからその大切さや大きさに気付かされることがたくさんあります。
もしくは人を亡くされた場合、その人と似たような年齢や立場になったときに初めて相手の気持ちがわかることも少なくありません。

では、なくしてから後悔した場合、何も出来ないのでしょうか?
いえ、そうではありません。親が亡くなった場合、そこからできる親孝行もあります。
それは、亡くなった親のことを忘れずに胸に留め置き、自分が信頼できるご僧侶に供養していただくことです。
亡くなった方はそこで終わりではありません。次の命を受けておられます。
そして供養していただくことで、亡くなった方は苦しみを和らげたりすることができるのです。

ですから、大切なのは亡くなった方への思いを忘れずにいることが一番大切なのです。
しかし、どうしても人は気持ちが薄れていってしまいます。それは日々を生きていくのですから、無いモノより在るモノに気持ちが移りゆくのは仕方ないことです。
そこで、形あるモノに残して、気持ちを忘れないようにするのです。それがお墓であり、位牌であります。

そう考えると、ひなぎくさんがお母様への感謝や後悔といった色んな気持ちが芽生えたのであれば、その気持ちを持ち続けて継続して供養してあげる事こそ、お母様は一番喜ばれるでしょう。
そのために、どうやって気持ちを忘れずに持ち続けるか?質問を伺う限りにおいては、布袋様の置物が一番良いのではないでしょうか。
それを見るたびに色んな思いが浮かんでくるでしょう。必ずやお母様への気持ちをいつまでも持ち続けられることと思われます。

あまり自分を責めずに、今から出来る事に目を向けてみて下さい。それがお母様のためになり、そして結果としてひなぎくさんの気持ちを楽にしてくれるでしょう。

何か少しでも参考にしてみて下さいね。

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質問者からのお礼

お返事有難うございました。
私は自分が本当に母に愛されていたのか自信がありません。
私が持っていても母が絶対に喜ぶとは思えなくて、そんな気持ちで持っていても後悔しそうなのです。
何度も何日も悩みましたが、母の故郷のお寺でお炊き上げをして頂き、母の傍に返してあげようと思います。
その代わり、小さなものを形見分けとして頂きました。
気持ちが落ち着いたらになりますが、母を忘れないように、こちらは沢山使ってあげようと思っています。

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