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亡くなった祖父は極楽浄土に行きたいのか

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有り難し有り難し 12

先週、最愛の祖父が亡くなりました。
支離滅裂な文章ですがどうかお付き合いください。

祖父は働き者で優しく、怒っているところや悪口、文句を言っているのを誰も見たことがありません。
苦労した人生だったようですが、その話を自らすることはほとんどありませんでした。

子供や孫のことには惜しみなくお金を出すのに、自分にはお金をかけず、ぼろぼろのものを大切に使い続けるような、本当に素敵な人でした。

私は子供のとき、学校が終われば親が迎えに来るまで祖父宅で過ごしていました。大学からは地元を離れてしまいましたが、帰省の度に必ず祖父宅に顔を出していました。祖父は初孫である私をとことん愛し、甘やかしてくれ、穏やかで幸せな時をたくさん過ごしました。

祖父は私が社会人になったころから体調を崩し、祖母や母が懸命に世話しておりましたが、入退院を繰り返しながら徐々に弱っていきました。

亡くなった日は、なんとか一時間前に間に合い、祖父の手を握りながら愛や感謝の言葉を伝えることができました。

ただ、離れていても祖父のことを思わない日はありませんでしたが、まさか祖父がこんなに早く逝ってしまうと思わず、闘病中ほとんど連絡をしませんでした。自分で稼いだお金で旅行に連れていってあげることもできず、楽しみにしてくれていた結婚やひ孫の知らせもできませんでした。

祖父の菩提寺は浄土宗です。
葬儀のとき「○○さん(祖父)は今後極楽浄土に行かれ、ずっとみなさんのことを見守っています。また会えます」ということを和尚様が教えてくださいました。

でも私は、本当に祖父が帰りたかったのは祖母がいる自宅だったのではないか、祖父は本当に極楽浄土なんか(失礼な表現で申し訳ありません)に行きたいのだろうか、などと、素直に信じられない気持ちでおります。
また、祖父ならば阿弥陀さまのお力を借りずとも大丈夫なのではないか、とも思ってしまいます。

葬儀屋さんには、祖父が迷いなく極楽浄土に行けるよう、早く遺品を整理しなければならないとも言われておりますので、極楽浄土は祖父が本当に行きたい世界なのか知りたいです。

祖父は今後どうなるのか、どこにいくのか、そして今どこにいて、どういう気持ちでいるのかを知りたくてたまりません。

どうか教えていただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

 まずはお祖父様のこと、心より哀悼の意を表します。お祖父様には人一倍お世話になり、深い思いを持っていらっしゃるあなたの今のお気持ち、よくわかります。あれもこれもしてあげたかった!という思いが頭から離れないことと思います。
 私たちは、知らない過去世から、この世に生まれ色々な縁を結び、またこの世を通りすぎていく、考えてみれば本当に不思議なご縁で、祖父、孫という立場になられたのです。
 お祖父様はこの世での役目を終わられて、お坊さまがおっしゃりましたように、阿弥陀さまの極楽浄土にいらっしゃいます。阿弥陀経の中に、「倶会一処」という言葉が出てきます。
極楽浄土では、縁あった懐かしい人との再会ができますよ、という意味です。私の祖母が亡くなった時に従兄弟が、「ばあちゃん、さようなら。お元気で。また会いましょう」と声をかけていましたが、この世での別れは必然。しかしまた極楽浄土で会うことができる、私は寿命を全うしてまた懐かしい人との再会を楽しみにしています。
 お祖父様は寿命を全うし、次のステップへと進み、あなたや周囲の方々をみ守っておられます。私たち人間は、所詮人間界に生まれただけの者です。阿弥陀さまの深い慈悲の導きがなければ次へ次へと進むことはできません。浄土宗では、極楽浄土に「往生する」と申します。つまり、往って生まれるのです。そこは極、楽なところ。何が楽かというと、成仏するための修行が極、楽なところなのです。
 お祖父様が、懐かしい方々と極楽浄土で再会され、阿弥陀さまのもと、お過ごしになりやがては自身が仏となられる。応援したくなりませんか。
 私は早くに母を亡くし、まだまだ親孝行ね「お」の字もしていなくて本当に残念で悔しくて淋しくて仕方ありませんでしたが、今は阿弥陀さまと共に過ごし、私をみていてくれると思うと安心いたします。またの再会も楽しみに、この世での毎日を大切に過ごしたいと考えています。どうぞ、大好きなお祖父様に、たくさんのこの世でのお土産話を持っていける、あなたらしい日々をお過ごし下さい。
南無阿弥陀仏

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有り難し
おきもち

九州に住んでいます。 長い間、教育職をしていましたが、発心して浄土宗の僧...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございます。
次のステップに進む祖父を応援する、というお言葉にはっとしました。祖父はこの世で精一杯生き、そして次のステップに進もうとしているのに、私ばかりいつまでもくよくよしていられないな!と思いました。

本当はまだ寂しくて仕方ないですが、これからも見守っていてね、と言う気持ちをこめて、先日執り行われた祖父の葬儀での弔辞は「これからもよろしくね」で締めさせていただきました。

大好きな祖父にまた会える日を楽しみに、私らしく明るく生きていきたいと思います。

このたびはお忙しいところ、本当にありがとうございました。

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