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煩悩即菩提

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有り難し有り難し 15

お世話になっております。煩悩即菩提は、よく懺愧の心から起こると聞きますが、親鸞聖人もおっしゃっているように、僕は無懺無愧の人間です。誠に自分勝手ですが、悪い心を持ってしても、全く恥ずかしいと思いません。何しろ、仏様の目から見れば善悪というのは相対的なものであり、人間(世間)が勝手に善悪と判断しているに過ぎません。仏様から見れば善も悪もないはずなのです。だからわざわざ懺愧する意味が分かりません。そもそも、極悪人や罪という言葉をよく仏教では使いますが、それも相対的なものであるはずです。何がどう罪深いのか分かりません。こういう僕には煩悩即菩提の境地は一生理解できそうにありません。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

斉木さん、こんにちは。
さっそくですが、本題に入ります。
煩悩即菩提は結果論なのではないでしょうか?
ハッと命の真実に目覚めたからこそ出てくる言葉であって、それを目標にするものではないと思います。
理屈で話せば、煩悩を自覚するゆえに、仏さまの我を案ずる慈悲心を思い、安穏の菩提心をいただくのではないでしょうか。
斉木さんが仏様の善悪は所詮相対であるという視点を携え、苦しくないのであれば、それは仏様そのものです。悟っていると同等ですから、仏様の救いは必要なく、あなたそのものが悟りの存在として皆を救い、導くのでしょう。
しかし、その一方、愚痴という考え方があります。
愚かで知ったつもりになっている病ということです。人は無明で、真実を知らないのに知ったつもりになってしまい、根拠なく自らを誇り自惚れ、哀れな姿をさらすのです。
まさに今、この私は知ったつもりになって愚かな姿をさらし、わかったつもりで説教たれているのです。まことに恥ずかしいことですが、厚顔無恥ですので送信ボタンを押してしまいます。
さあ、慚愧とは何か、菩提とは何か。さらに奥深い世界があるのではないでしょうか?

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煩悩は悩み苦しみの原因

仏教の目指す「善」は、煩悩を無くしたり制御したりする方向性でしょうね。
煩悩は悩み苦しみの原因なので、煩悩を制御できれば悩み苦しみをを制御できる、煩悩を消せれば悩み苦しみを消せます。
「煩悩即菩提」という考え方には、宗派にもよるでしょうけど、賛同しないお坊さんもけっこういると思います。
仏教の基本は四諦説なので。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お二人の方、回答ありがとうございます。仏教において「悪」とは苦しみを生む行為なのですね。ようやく分かりました。僕はあまり仏教の基本を学んでいないかもしれません。
どうやら、僕は「愚痴」のようですね。正直、今小路さんから「知ったつもりになっている」と言われ、少々イラッとしました。それは、自惚れ心からでしょう。まだまだ未熟者です。
煩悩即菩提について、たしかに願誉浄史さんの言うように、仏教では基本的には四諦ですよね。煩悩を消すことで、苦しみを消す。ですが、愚かな僕にはそれが出来ません。欲求、怒り、愚痴、これらは一生消えないと思っているので、煩悩を消そうとするのではなく、受け入れ、煩悩と共に生きる道を現在模索しています。煩悩即菩提の境地は、理解し難いもののようですね。煩悩即菩提にはあまりこだわらず、聞法していきたいと思います。お二方、ありがとうございました。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

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