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死ぬ時期を決めて生きる父

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有り難し有り難し 5

初めまして。
私の父は61歳です。
                   

現在一人暮らしの父は、どうやら自分で死ぬ時期を決めているようなのです(数年以内のようです。)。
                   
理由は二つ。
一つめは、介護状態になったとき、子どもに迷惑をかけたくないから。
二つめは、生きる期限を決めた方が、金銭面で苦労することなく、楽しく生きることができるから。
というものです。
                   
「そういうわけだから、俺の心配をするな。ある日突然いなくなるから。迷惑はかけない。」と言います。
                   
父の言い分は理解できないものでもありません。長生きすることが幸せだとは限らないと、私もよく考えるからです。私だって死にたくなるときはあります。
                   
ただ、それを子どもである私に伝える意味が分からないのです。
                   
父の決意が本気だとしたら、私は父の言葉をどう受け入れればよいのでしょうか。
                   
自分で死ぬ時期を決めるということに対して、反対すべきなのか、そのつもりで心構えをすべきなのか。
                   
自分の親に「自死宣言」をされ、心穏やかにはいられませんし、正直憤りさえ感じます。
                   
今まで散々心の虐待を受けた挙げ句、自死宣言。いつまで私の心を傷つけるんだろう?とも思ってしまいます。
                   
まとまりのない文になってしまいましたが、回答をいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

一定の距離を取って「反対」すべき

こんにちは、初めまして。

お父さんの「自死宣言」に戸惑われているご様子です。
ただならぬ言動に落ち着かないことでしょう。

まず、お話の前提として「今まで散々心の虐待を受けた」等の文面外の状況、程度が当方には分からないので、その点ご了解下さい。

お父さんの言動に対して、「反対すべき」「そのつもりで心構えをすべき」とお尋ねです。

私が思うに、あなたは一定の距離を取って「反対すべき」だと思います。

お父さんに「散々心の虐待を受けた」、「いつまで私の心を傷つけるんだろう」という一節にあなたの複雑な思いが伺えます。また、「正直憤りさえ感じます」と御自分の思いを率直に述べられています。

回答僧側だけに分かるプロフィールと併せて想像するに、お父さんはとても自分本位、自分勝手でしかものが見れないのではないでしょうか。

「ある日突然いなくなるから。迷惑はかけない」とお父さんは言われていますね。

そんなことが出来うるはずがありません。
連絡がない、消息がしれない、それを放っておけないのが身内です。
行方不明の状況を作ることが、どれだけあなたを苦しめるでしょうか。

むしろ、あなたが放っておけないだろうと見越してその事を言っているように思えます。それは一般に老いの寂しさということもありましょうが、自分勝手に生きてきた結果、孤独にならざるをない現実に、今やっと気がついたのではないでしょうか。自分のことを気にかけて欲しい、そうとも取れると想像します。

「自死」を表に出しつつ、心理的なつながりをあなたに求めているように思えます。これは、あなたが「心の虐待を受けた」ことと併せて考えると、とても自分本意なコミュニケーションを求めているとも思うのです。

この為、私は最初に一定の距離を取って「反対すべき」だ、と申しました。

身内だからこその情はある。「自死」も容認できない。

しかし、相手のペースにだけ合わせる必要はない。
ましてや自分勝手な人に付き合うと、次には違う形で何かを求めてきます。
そして、受け入れてもらえなければ不機嫌になる、と想像します

だからこそ、一定の距離を取る必要があるのです。
その前提で、自分の間合いで相手と向き合う。
私は当面、これで良いと思います。

ご家族のことについて、多分に想像を交えながらですが感想を申しました。
ご参考まで。

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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

「あなたが放っておけないだろうと見越してその事を言っているように思えます。」
                   
確かにその通りかもしれません。私自身、家族から嫌われている父を見捨てられず、父の興味があるテレビ番組やスポーツを勉強するなどして機嫌をとってきました。
今もこまめに連絡するようにしています。
                   
この世話焼きがいけなかったのかもしれませんね。おっしゃる通り、もう少し遠いところから父を見守ることを考えます。
                   
こんなに早く回答をいただけるとは思っていませんでした。ずっと悩み、誰にも相談できなかったので、心が軽くなりました。
本当にありがとうございました。

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