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弱い人間が前を向くための言葉を頂きたい。

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有り難し有り難し 6

いつもこのサイトでのお坊様のご回答を興味深く拝読しています。
少し心にたまった澱を吐き出したく筆を執りました。
    
今、家族を離れて海外にしばらく住んでおり、一年間ほど努力した結果海外で特殊な資格の仕事のオファーを得ることができました。ただ、まだ自分はその資格を取得していないです。海外の会社からは一年間以内に資格を取れなければクビだが、その資格を得られるなら数年間働くことが可能、と言われました。
    
海外の仕事はかなりハードワークですが、日本よりも収入が格段に大きいです。妻はまだ小さい子供を連れて日本で家庭に仕事に頑張ってくれています。互いの両親もチャレンジしたら、と言ってくれています。後押ししてくれる周囲に感謝しかないのですが、いざ元々いた会社に辞めようとしたら、体が急に硬直して動かなくなってしまいました。
    
自分自身はいつもポジティブで果敢にリスクを取れる人間だと思っていたのですが、家族がいるのにコロナ禍で仕事を失う恐怖、コロナ禍で数ヶ月人に全く会わない生活をしていた孤独、海外を拠点にするとまたいつ日本の家族に会えるかわからないという不安から、いつの間にか心がすり減ってしまい、チャレンジする力を失ってしまいました。
    
頭では人生でなかなかないチャンスとわかっているし、「チャンスの神様に後ろ髪はない」「やらない後悔よりやる後悔」といつも胸に刻んでいるのですが、どうしても心がついて行きません。そんなときは心の声に従うしかないと本当に感じ、二週間近く悩んだものの、結局オファーは受けず日本に戻ることにしました。近く日本に戻り愛する家族に会えるということに、心は本当に安堵しています。一方で心の弱い自分は負け犬だとも感じます。
    
こんな心の弱い自分でもまた前を向けるお言葉あれば、ご教示いただけると有難いです。宜しくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

あなたが幸せになりますように

さるのこしかけ 様 相談ありがとうございます。

文章を読んで、私の感想です。
あなたは、心が弱くありません。
思いやりをもって、家族の所に帰ってきたのですから、勇気がかなり必要だったはずです。
それに、チャンスに心がついていかなかったのですから、自分に正直でしたね。その正直に向き合ったことも思いやりと勇気が必要だったでしょう。

心がついていかないことにチャレンジすれば、ストレスで体を壊します。
そうならなかったのですから、本当に良かったと思います。

まずは、自分とご家族皆様を癒して、
これからも、ご家族を愛し、自分にも思いやりと勇気を向けて、
充分に精神を満たして、また新たなことに、挑戦してください。

私はあなたのその勇気を応援しますとともに、
安心して、物事に取り組めますように、ご祈念いたします。
あなたが幸せになりますように。合掌礼

追伸:早速のお礼メッセージありがとうございました。
「心のひび割れに少し軟膏を塗っていただいたよう」は良い表現ですね。
ひび割れが塞ぎますように祈ります。
また、「それは自分一人の強さでは全くなく、家族に生かされていることによる強さではないか、と思っています。」も素晴らしい思いと私は思います。
誰も一人では生きていけませんから、生かされているという事を、思い感じ意識するのは良いことです。迷っても判断に間違いはなかったという事が、やがて証明されるときがくるでしょう。
そして「自分はそれができない人間だった」を、もし自分を責めるような感じて脳内で繰り返すフレーズとなっていれば、それはストップするように心がけてください。「自分は冷静に(家族と自分の為に)勇気ある判断ができる人間だ」というような言葉に置き換えてくださいね。
そうすることで、きっと幸せがもたらされるでしょう。
御身体をご自愛していただいて、これからも愛情を大切にして、人生を過ごしてください。ご縁に感謝申し上げます。再礼

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有り難し
おきもち

お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリン...
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質問者からのお礼

釋様
  
私の悩みにご回答頂き、ありがとうございました。心のひび割れに少し軟膏を塗っていただいたようで、ほろりと涙が出ました。
    
自分の心が弱くないかどうかは、正直よくわかりません。社会の荒波を軽々と乗り越えていくような強靭な人々が世の中にたくさんいる中で、自分はそれができない人間だった、と今でも思います。
   
しかしながら、妻と娘達に会え、皆を抱きしめられることに、何よりも喜びを感じています。自分は、家族を引っ張り、皆を幸せにできる存在でありたいと思っていましたが、実は自分が家族に生かされていることを強く感じました。もし釋様が私の悩みの中に心の強さを感じられたのであれば、それは自分一人の強さでは全くなく、家族に生かされていることによる強さではないか、と思っています。
  
もう30代も半ばを超え、人生の折り返しを過ぎ、果たして次の新しい挑戦があるかわかりません。ですが釋様に祈念頂きました通り、家族共々心身を充実させ、前向きに人生を過ごしたいと思います。
  
有難うございました。

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