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緩和ケアなのに会えない

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有り難し有り難し 11

お世話になります。
実家の父が末期癌となり余命1〜長くて3ヶ月。治療を終え緩和ケア施設への転院を予定しています。
しかしこのコロナ禍により親族の泊まりの込みはおろか面会謝絶となっており困惑しています。
県外にいる私達はまだしも、ほぼ山あいで隔離されたような田舎にいる母や祖母すら面会できない…頭では理解しつつもこのコロナ禍の影響をダイレクトに感じ、やるせない思いです。
母は、他の患者さんとの兼ね合いもあると気丈な返事をしますが、家のガスや新聞を止めて泊まり込みを計画していた母の気持ちを考えるとこんなことがあっていいのかと納得し切れない気持ちです。
また、同じように断腸の思いで家族との最期を迎えようとしている同じような方々を思うとこんなことがあっていいのかという思いと、なかなか収束しない現状、油断しましたと語る感染者(あくまでクラブなどで遊んで感染した人達です)、全てが憎くて仕方ありません。
人は肉体を合わせられることが同じ時代を生きている1つの証拠だと思います。
残された時間にただ体温を感じたいだけなのにそれが叶えられないなら緩和ケアは崩壊していると思います。
頭では理解できても気持ちが追いつきません。
しかし父の病状が良くなることはない以上、せめて今の状況の中で最善を尽くすしかないのだと思います。
現場で頑張っている医療関係者に憎しみを向けてしまう前に、この現状にどのような心持ちで過ごせばいいかお言葉をいただきたいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

つらいですね でも、現実を直視するしかないと思います

ayさんの質問、拝読させていただきました。

胸中お察しいたします。お母様も辛いと思います。また、家族の顔を見ることが出来ないお父様も、寂しいことと思います。

 私の住んでいる地域の病院も介護施設も3月4月5月の間面会謝絶だったそうです。6月から少し規制が緩められ、一家族2名まで時間を限定しての面会は可能になったと聞いております。但し、家族と言えども県外にお住まいの方についてはお断りしているそうです。
「ayさんのお父様の入院している病院の対応が間違いで、こちらの病院が正しい。」とは言えません。其々の地域、個々の病院によって、対応が異なる場合もあるようです。新型コロナウイルス感染の予防対策として、どういう対応が正しいのか、私にはわかりません。

 暗中模索の中で、医療従事者は新型ウイルスと戦っています。患者さんとご家族も苦しんでおられると思いますが、医療従事者も苦しい状況の中で頑張って居られると思います。
 かなりの数の病院や介護施設でクラスターが発生し、施設内で多くの感染者が発生しています。医療従事者であっても、病院を稼働させながら完全に感染予防することが、非常に困難なことです。それだけに、病院側も面会謝絶という決断をせざるを得ないのだと思います。

ayさん同様に、入院患者である家族に面会できないことで、辛い思いをしている方は多いと思います。

 お見舞いを希望する方に対しては
1、希望する家族全員のPCR検査を実施して二週間外部との接触を断ち、陰性であることを確認する。
2、防護服を着て面会する。
3、手を握ったりハグしたりすることはしない。
という措置を講じれば、面会は可能かもしれません。でも、1の措置を実行するのは無理でしょう。

 今、首都圏近畿圏を中心に感染の第二波が来ていると言われています。新規感染者数が三桁から二桁、二桁から一桁へとなり終息に向かうなら、面会謝絶も緩和されるでしょう。現状では、緩和される可能性は低いと思います。面会を希望しても、条件が整わなければ、可能とはなりません。辛いとは存じますが、条件が整う時を待つしかありません。待ちましょう。
 質問文を読んで、ayさんのお父様を思う気持ちは私にも伝わって来ました。きっとお父様にも伝わっています。私はそう信じています。

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有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

吉田俊英さま
大変遅くなり申し訳ございません。お応えをありがとうございました。
その後、多くの問題と直面しながらも、最終的に在宅介護という形をとり、父と触れ合いながら最期を看取ることができました。
あれから約一年近く経とうとしています。
多くの亡くなった感染者、病院や施設内でのクラスター、その人数だけの家族が我々と同じ思いをしていると思うととても悲しいです。
「感染した方々のように誰にも会えないままで死にたくない」との父の言葉で在宅介護を決めました。我々はそれを叶えることができたのでまだ幸せだったと思います。
多くの同じような思いをする方々が少しでも安らげるように願うばかりです。

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