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公私混同した関係を戻したいです

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こんにちは。
いつも迷った時にこちらのサイトで考え方を学んでいます。

今回ご相談したいことが、公私混同してしまった人間関係についてです。

わたしは現在、仕事のパートナーがいます。
一回り以上離れた既婚の男性です。
前から尊敬しており、数年前に彼からハンティングを受け、いま数年一緒に働いています。雑務から営業までこなし、自他共に認める右腕となりました。
これまでずっと夢見ていたことが、この仕事を始めてどんどん叶っていき、やりがいを感じていました。

そんな折、彼から口説かれました。仕事でやりがいを感じていた最中だったため、やんわりと断り、その後は普通に過ごしていたのですが、私が失敗して弱っていたときに抱きしめられ、そのまま関係が始まりました。
始まってからの2年間、わたしから4回ほど「体の関係はやめてビジネスパートナーに戻りたい」と伝えて精算したものの、相手から再度アタックされ、元に戻るを繰り返していました。

わたしも30半ばを越え、精神的に追い詰められていたのと(不眠や食欲減退)ふとしたときに私以外の女性の影が見えて(怪しい領収書や、スケジュール。事実は不明)パニックになり、過呼吸を起こしてしまいました。
彼もびっくりしたようで、そこから体の関係はなくなり、やっと終わらせられました。

その後仕事上では平和に過ごしていましたが…
ふとした会話や業務で「あ、この出張は女性と一緒なのかもしれない」「私に隠れて誰かと会ってるかもしれない」という考えがずっと頭に残っています。スケジュールや出張予定、SNSをくまなくチェックしてしまいます。

過呼吸を起こしてから3ヶ月、表面上では普通を装っていますが毎日この不安があり、体重も6キロほど落ちてしまいました。

この仕事を辞めれば、すべて解決する話ではあるのですが、彼にとって仕事で自分が特別であること、夢が叶っていること、わたしひとりで回している部分が多いことから、辞めるという決断ができません。。
身勝手な悩みなのですが、彼への執着をなくして、平穏を取り戻し仕事に向き合うために、どのような心持ちをすればよいのでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

老いていくオジサン

相手はこれから老いていくオジサンです。
過去の関係は良い思い出として、もう、恋愛対象としては賞味期限切れの男性だと見ましょう。
世の中には、他にいくらでも魅力的な男性がいます。
浮気性のオジサンの相手をしているほど、あなたは暇ではないのです。
仮に「元カレ」であっても所詮は他人です。
他人はあなたの所有物ではありません。
「自分の彼氏」みたいな、「自分のもの」という感覚を捨てましょう。
恋愛対象としては、賞味期限切れのごみ男だと思いましょう。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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戻ることはできないのなら何をすべきか

ご相談拝読しました。とても切なく苦しい胸の内をお聞かせいただきました。

ご自身のお気持ちが執着であると自覚しているのにどうにも行動・気持ちをおさえられないところに人間の現実があるのでしょう。人間は弱いのです。弱いの人間とはは他でもないあなたであり私、まずそのことをおさえましょう。

さて、気持ちは環境と無関係に生じるのではありません。感情は自分の内側の自然現象のようなもの。雨が降る原因があれば雨が降るように、相手に執着する原因があれば執着心は生じてしまうのです。

それは彼は「私のもの」という錯覚・妄念であるとともに、それを断ち切り難くする接触機会の多さでしょう。

>公私混同した関係を戻したいです

とのことですが、元には戻りません。起きてしまったことはなかったことにはできないのです。
彼と関係をもってしまったのならばその上での対処をしないことにはいくら気持ちだけをコントロールしようとしても難しいでしょう。

一番確実なのは彼と会わなくて済む環境を整えること、SNSをブロックして見れなくすること、その上で時間が解決してくれるでしょう。

そうはしたくないというのならそれは自分の弱さを認められないということです。環境を整えずとも自分で自分の気持ちを強くコントロールできるという過信です。
それで頑張りたいのなら止めはしません。でもそれはきっといばらの道なのでしょう。

一つ考えられるのは言葉の力でしょうか。言霊とか怪しいものではなく、口に出したという事実が自分に影響を与えていくということです。行動が伴うとなおよいです。
すなわち彼に「もう私とあなたは仕事上の関係でしかないのですからどうぞ堂々と女性と出張なさってください。」と宣言するなどでしょうか。

普通を装うというところに無理があるのです。装うのでなく、普通にするために汚い気持ちでもなんでも一度はぶつけたらいいでしょう。それが彼が手を出した責任でもあるのですから。
その際一番気をつけないといけないのは彼の甘い嘘や言い訳に再び気持ちを脅かされないことです。

どうかご自身の弱さを認め、その弱い自分が為すべきことを見定めてください。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

願誉浄史様
ご回答いただきありがとうございます。
本当に仰る通りで、距離をおいても「自分のもの」と思っていたところがありました。
終わったのに切り変えられない自分がみじめで苦しかったのですが、オジサンの相手をしてるほどあなたは暇じゃない、という言葉で、今後自分の将来に向けてもっと考えるべきこと、するべきことがあると気付きました。
本来あってはならない関係を持ってしまっていたことを深く反省し続け、自分の未来に向かって前に進んでいきます。
厳しく叱咤されてもおかしくない相談内容でありながら、私の背中を押してくださり、本当にありがとうございました。
(老いていくオジサン、とズバッと言ってくださり、そうだよな、と思わず笑ってしまいました。すみません。)

吉武文法様
冒頭の温かい言葉で涙が出ました。あってはならない関係の話でありながら、寄り添った回答をくださり、本当にありがとうございます。

ずっとなぜ執着心が離せないのか、自分の意思の弱さに嫌悪していたのですが
・気持ちは環境と無関係に生じるのではないこと
・錯覚や妄念を断ち切り難くする接触機会の多さ
と言っていただいたことで、ハッとしました。
どんなに強い意思を持って「気にしない」「割り切る」と思っていても、会えば気になり、知れば気になり、と半ば自動的に感情が掻き乱されていました。でも、そういった環境に身を置き続けていること自体が、私自身の甘えでした。
何事もなかったような関係に修復しようと振る舞っていたことが、何よりも自分自身を苦しめていたのかもしれません。

元に戻りたいという甘い考えを深く反省し、自分の弱さを改めて認識し、これからの行動、振る舞いを考えます。

最後に
この数ヶ月ずっと自分自身を責めていたのですが、回答の中に「それが彼が手を出した責任でもあるのですから。 」という言葉を見て、涙が出ました。自分のものではなくなったことで、相手を美化していたことにも気付きました。
たくさんの気づきを与えていただき、本当にありがとうございました。

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