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高野山真言宗の結縁灌頂のご縁とは?

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有り難し有り難し 22

こんにちは!
以前は高野山真言宗の参与会の半袈裟を着用して他の宗派のお寺に参拝しても良いですか?の質問に回答頂きありがとうございました。
その後の2020年は良いことも悪いこともありつつ概ね楽しく過ごし、高野山への参拝をエンジョイしています。
半袈裟を着用する事によって良い変化があり、それまでも自分は高野山が大好きだと思っていましたが、より身近に感じたり「私はここに帰ってくる」という気持ちが少し強くなりました。
気持ちの面で帰れる場所ができたというか…これは新しい発見でした。
「行く場所」ではなく「帰る場所」に変化して不思議な気持ちです。

今日は高野山真言宗で大切な行事である結縁灌頂について質問です。
参与会に参加しましたし、せっかくなので2020年に初めての結縁灌頂を経験したいなぁ!と思っていましたが、今年は状況が状況のため断念しました。
そこで、現時点で2021年の5月に予定されている春の結縁灌頂に参加して是非ご縁を結びたいと考えています。
…しかし疑問が生まれました。

春と秋の結縁灌頂では金剛界と胎蔵界と違いがあり、それぞれに参加してご縁を結んでも良いし、何度も参加する方がいるとも知りました。
(気持ちを新たにご縁を結ぶぞ!というのは悪い事ではないと知ったので、回数については疑問はありません)
私が疑問に思ったのは、例えば私が春に初めて結縁灌頂でご縁を結び、同じ年の秋に参加してご縁が2つできたとします。
そして次の年の春と秋に再度参加したら4つのご縁になる可能性があります。
適切な言葉がわからないのですが、ご縁の有効期限があるのでしょうか?
有効期限という言葉は全然違うと思うのですが、結縁灌頂でご縁を結ぶぞ!と思い立ち結んだ後に次に結ぶまでがご縁なのか、それとも毎年ご縁は変わるもの(増えて行くもの?)なのか?と疑問になりました。
わかりにくい説明でごめんなさい…。
つまり「今年はこのご縁」なのか、または「気持ちの区切りがご縁」なのか自分なりに調べてみましたがよくわかりませんでした。

前回の質問に引き続きとても初心者な疑問のお導きを頂ければ幸いです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

結縁灌頂は「生まれ変わりの儀式」人生の転機に。

こんにちは。恵成と申します。
高野山で15年修行し、10年ほど結縁灌頂に出仕させていただいておりました。
その際、先輩諸師から聞いたお話がとても印象的でした。
「結縁灌頂は生まれ変わりの儀式である」というものです。

そもそも灌頂というのは、古代インドにおける即位の儀式が元となっています。
王子が、新たな王となるとき、インドの四海の水を集めたものを頂(頭頂部)に注ぐ儀式だったのです。
それが密教に取り入れられ、「いち僧侶」から「教えを伝える僧侶(阿闍梨)」となる際に行われるようになったのです。
昔は、灌頂を受ける時は、あらたな名前(灌頂名)も与えられていました。弘法大師空海、お大師様が与えられた「遍照金剛」という名前も、灌頂名です。
つまり、灌頂は「それまでとは違う、新たな存在となる」まさに「生きたまま生まれ変わる」儀式だったのです。

日本では、お大師様が結縁灌頂を行った事が起源となり、今では一般の方も受ける事ができる結縁灌頂、真言宗の僧侶となる際に受ける伝法灌頂など、やはりなにかの段階に達する時に受ける、とても重要な儀式となっています。

さて、本題ですが、「結縁灌頂のご縁に有効期限はあるか?」という質問にお答えするならば
「もちろん期限はありません」とお答えいたします。
では、なぜ結縁灌頂を何度も受ける方がいるのか?
それは、「生まれ変わりの儀式」であるからです。
おっしゃる通り、気持ちに切り替えと申しますか、新生活を始めた時、人生に変化が生じた時、そして迷いが生じて生活を見直したい時など、人生の転機となるときに「それまでの自分とはお別れし、生まれ変わった気持ちでまた新たに仏様とご縁を結ぶ」為なのです。

結縁灌頂では目隠しをし、余計な情報を遮断して、暗闇の中自分を見つめます。
何も見えない恐怖、自由の効かない恐怖...そういった「死の体験」から、仏様との出会い。
まさに生まれ変わりを体験する儀式が結縁灌頂なのです。

なので、何度も受けても良いし、一度だけでも良いのです。
新たに受けたからと言って、以前の仏様と縁が切れる事はありません。
遠くの恩人に1年に一度会いに行くように、仏様に会いにゆき、ご縁を確認するようなものでしょうか。

仏は常にあなたの中にいらっしゃいます。
その事を、自分自身で再確認させてくれる儀式が、結縁灌頂なのです。

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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

恵成さんご回答ありがとうございます!
「生まれ変わりの儀式」と聞き、ストンと納得しました。
そして「生きたまま生まれ変わる」「それまでの自分とはお別れし、生まれ変わった気持ちでまた新たに仏様とご縁を結ぶ」というご説明であぁ、なるほど!と今の自分の気持ちにフィットしているとも感じました。
現在のわたしは精神的に何か迷っているわけではないのですが、ご縁を結ぶことを気持ちが求めているので、来年の春に是非参加したいと思います。
ご回答ありがとうございました!

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