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過去を振り返りたくないです

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有り難し有り難し 16

初めまして。質問させていただきます。
30代の主婦です。

幼少時代から高校生まで父の浮気による両親壮絶なケンカを見てきて、さらに特に母からのしつけというなの暴力を受けてきたせいか、どこにいっても異常なまでに他人の顔を気にしてしまいます。

また、仕事なので怒鳴られたときや、患者さんに怒鳴られたときなど、殴られるのではないかびくびくしてしまいます。

また、昔から友達にもばかにされてきました。
今までの人生で関わった親も友達もみんな、私に対してすごく厳しかったです。
私にだけ求められるものが厳しく、なぜわたしばっかりと思ってきました。
知らない方から容姿をバカにされたこと、突発性難聴で片耳がほぼ聞こえなくなったことなどにより、近年さらに他人の視線が怖いです。
そんなわけないのにみんな私に怒ってるのではないかと思ってしまいます。

しかし、出産し、このまま過去のことばかり思いだし、外に行くのが不安なまま子育てをしたくありません。

主人と子供達と堂々と楽しい人生を歩んで行きたいです。

過去を振り返ってもしょうがない、自分をバカにしてきた、傷つけてきた人のことをいつまでも憎んでもしょうがないことはわかっています。

しかしどうしても毎日考えてしまいます。
前向きに人生を歩んでいくための心構えがございましたらご教示いただきたいです。

お忙しい中大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

前を向こうとして振り返らない

こんにちは、初めまして。

「過去を振り返りたくない」とのこと。
私は、質問を読んでギリシャ神話の吟遊詩人オルフェウスのお話を思い出します。

オルフェウスの妻エウリュディケは毒蛇にかまれて命を落としてしまいます。悲しみにくれたオルフェウスは妻を取り戻すために冥府に入り、冥界の王ハデスに竪琴を奏でてつつ妻の返還を求めます。その悲しい琴の音に涙を流す妃に促され、ハデスは「冥界から抜け出すまでの間、決して後ろを振り返ってはならない」という条件を付け、エウリュディケをオルフェウスの後ろに少し距離を開け歩かせます。

やがて長い暗闇が開け、冥界からあと少しで抜け出すというところで、オルフェウスはこれまで高じてきた不安に耐えられなくなります。本当に愛しい妻は、自分の後ろにいるのだろうか、と。そして、とうとう振り返ってしまうのです。その目にした姿が最後、妻と永遠の別れになってしまった、というお話です。

振り返ってはいけない、と思うほどに人間は気になってしまうものです。
それは、古今東西共通の心理なのでしょう。

しかし、どうでしょう。
振り返ってはいけない、という心の集中の仕方はオルフェウスと同じ悲劇を辿るのではないでしょうか。

むしろ、オルフェウスは目に見える前を、光のさす方向を目指して一歩一歩着実に歩んでいけば必ず幸福があるという心の持ち方をしていれば、結果はきっと明るいものになっていたのではないかと想像します。勿論、不安はよぎるでしょう、振り返りたい気持ちとの葛藤もあるでしょう。しかし、自分がなすべきことを明確に意識することで、前を向き続けることをしっかり維持できたはずだと思うのです。

振り返らないようにして前を向くのではなく、
前を向こうとして振り返らないということです。

あなたは、「堂々と楽しい人生を歩んで行きたい」のでしょう。
歩んでください。

ご主人と子供さんはあなたと共に、現に歩んでくれている。
あなたの過去にどんな事があったにしろ、今、あなたの味方である。家族である。
あなたは光の指す方向にこのまま「堂々と」歩んでいけばいい。
過去を抱えた葛藤のまま。
前を向こう、この道が幸福に続いていると信じて。
一歩、一歩、踏みしめながら、着実に歩んでください。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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信仰で自分のメンタルを鍛える。

さくらさん、こんにちは。金剛座寺住職の染川智勇と申します。

つらい人生を歩んで、他人の目を気にしてびくびくしている毎日なのですね。
でも心配いりません。仏さまは必ずお守りくださいます。
すでに大切な家族もできて、あなたは一人ではないのです。明るく幸せに生きるためにも信仰をしましょう。仏さまに守られいると実感すると自分に自信が持てます。そして生きる力が出てくるはずです。

 まずは仏さまを祀ります。仏壇も良いですが、無理に買う必要はありません。応接間の棚や本棚にスペースを作って仏さまを置くことで良いのです。そして毎日お経を読みます。一人で仏教を勉強するのも良いですが、そのためのお寺です。ご縁のあるお坊様の信徒になって信仰を始められると良いと思います。ご主人と一緒にお寺巡りをしながら、ご縁のお寺を探すと良いと思います。あるいはなかなか見つからなければ私のお寺でもかまいません。今はインターネットのお陰で遠方の信者さんもいます。ズームでお話しもできます。

 仏様の信仰をすると自分に生きる力が湧いてきます。なぜ日本全国に1400年前から、これだけお寺が建立されてきたか?それは仏さまの信仰をすると救われるので、お寺が建ってきたのです。その力を信じて是非、仏さまのご縁を結んでください。

さくらさんを応援します。(^人^)合掌

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質問者からのお礼

染川智勇様
お忙しい中でご返信頂きまして誠にありがとうございます。
仏様が見守ってくださるというあたたかいメッセージがとても心に刺さりました。
今後アドバイスのようにお寺を自分なりに探してみようと思います。

釋 悠水様
お忙しい中でご返信頂きまして誠にありがとうございます。
とてもわかりやすいお話もしていただき、一語一語見いるように見させていただきました。
振り返らないようにして前を向くのではなく、
前を向こうとして振り返らないということ
この言葉を頂きすごく自分の中にこの言葉が入ってきました。
前向きに頑張ろうと思えました。
ありがとうございます。

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