障害を受け入れられない主人
はじめまして。
約3年前に結婚をし、結婚してすぐに主人が免疫系の難病と診断されました。免疫が暴走すると自分の筋肉を攻撃し、破壊してしまうという厄介な病気です(筋肉痛が続くようなかんじ)。幸いなことに、肺炎などの合併症などにならなければ死に至る病気ではないのですが、よくなったり悪くなったりを繰り返す病気のようです。
昨年は筋肉が弱ったことにより転倒してしまい、腰椎にヒビが入り、そのまま約半年間入院となりました。
リハビリのため、約1年休職をしていたのですが、この春から職場復帰を目指しています。車椅子からようやく立てるようになりましたが、今は筋肉のバランスが悪いためまだまだヨチヨチ歩きといった状況で、歩きにくい場所や初めていく場所には必ず杖を使って歩くようにしています。
ここからが相談なのですが、主人が「周りに変に同情されたくない」と、杖を持っていくことを拒否しているのです。主人の職場は私立高校なのですが、段差などもあり、完全なバリアフリーではないため、私は心配で仕方ありません。
主人は元体育教師ですので、過去のバリバリ動けていた自分と、今の障害を持った自分とを受け入れられないのかもしれません。
特に、教え子の前で杖をつくことを強く拒んでいる様子で、杖をつくくらいならもう一年休職したい、と言っています。
もちろん、もう少し休めば完全に良くなるのであればそうしたらいいと思いますが、難病のため絶対に良くなる保証もありません。
わたしとしては、今後長く付き合っていかないといけない病気ですので、はやくプライドを捨てて、杖を使い安全な状態で復職して欲しいのですが、
頭ではわかっていても、心で受け入れる、ということができていない主人の姿をみるとなんと声をかけていいのかわかりません。
お坊様であれば、どうやって説得をするか、アドバイスをいただけないでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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気持ちと考え方のサポート
こんにちは。
ご主人がご病気とのことでさぞかしご心配のことでしょう。お察しします。
どのように説得すればいいか、というご質問です。私は言葉による示唆も大切かと思いますが、あと一つは日頃からの気持ちの解きほぐし方が重要ではないかと思います。
ご主人が生徒の前で、以前とは違う病に苦しむ弱々しい姿を見せたくないということ。これは自分が思っている強い自己像、そして相手に見せたい強い自己像、ともに強い自分でなければならないと言う制約を自分にかけてしまっているのだと思います。
つまり、
強い自分=人に頼らない=迷惑をかけない
弱い自分=人に頼る=迷惑をかける
こういう極端な二極分化が心の中に定着してしまっているからだろうと思います。これをあなたが家庭生活の中で解きほぐすことが大切ではないでしょうか。
男性は女性に比べて一般的に頼ることを苦手とする人が多いようです。人に頼るまでのハードルが高いのです。
ですからあなたは日頃からご主人に頼ってもいいんだ、それは恥ずかしいことじゃないんだ、迷惑をかけてもいい、弱くたっていい、強いものにならなくてもそのままのあなたでいいんだと受け止める言動が必要となってくるでしょう。
そもそも迷惑をかけない人なんていない、強い弱いを分ける必要もない。無理をして自分を作らなくてもいいんですよと。
もうすでに取り組まれていることかと思いますが、この前提が不可欠だと思いましたのであえて書きました。
あと言葉の説得においては、職場の皆さんを心配させないことも大切だととけばよろしいのではないでしょうか。
これは車の運転と同じで、良い運転は周囲を心配させないのがいい運転だと思います。自分だけが安全運転をする、その視点だけでは不足だと思います。周囲の人にも慌てさせない、不用意なブレーキを踏ませないという観点も必要です。
ご主人には自分の思いがあるのはこれは無理のないところですが、教職員や生徒の皆さんに対して安心感を持ってもらう。ここにご主人の気持ちの焦点が持っていけるようにお話しされるのはどうでしょうか。
これは1年後になるのか時期的なところは私には判断できませんが、いずれにせよご主人の心の持ち方、考え方をサポートして行く必要性はいずれにしろ必要だと思います。
どうぞご主人も奥さんもお大事にお過ごしください。
質問者からのお礼
釋 悠水様
とてもあたたかみがあり、心に刺さるお言葉、ありがとうございました。わたしも主人に知らず知らずのうちにプレッシャーをあたえてしまっていたのかもしれません。
結局、職場からもう一年休みなさい、といわれてしまい復帰が延びてしまいました。自分の体と心に向き合う一年にしてもらえるよう、サポートいたします。ありのままを受け入れられるような妻になりたいです。この度はほんとうにありがとうございました。