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8歳の娘の悲しみのケアについて

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夫が脳の病気で植物状態になり、一年以上たちました。遅く産まれた一人娘とまるで友達のように遊ぶ元気で子煩悩な夫でした。今では人工呼吸器と胃瘻をつけ退院できず、意識ももどらず、コロナのため面会も半年以上できずにおります。娘にも大まかな状況は話してあります。面会には行きたがらないので無理強いはしていません。「パパはただいま!って必ずかえってくるもん」となき、「パパと遊びたい」となき、「喧嘩しなければ良かった」となき、「学校でお父さんの話を禁止してほしい」となき、最近になり泣くことが増えました。悪いことに同居の父も夫の倒れる二日前に、緊急入院し、大事には至らなかったものの入退院を繰り返すうちに、物忘れが激しくなり体力も弱り、仕事も娘と遊ぶことも出来なくなりつつあります。我が家は父、夫、私が仕事をして経済を回していたので、3本の柱が一本になり、私も不安で一杯です。夫の医療費も負担です。精一杯やってきましたが、娘に今まで通り手や目をかけられなくなっている自覚はあります。私自身も昨年の秋ごろから体調がすぐれず、それにともない気分も落ち込み、安定剤を飲んだりしてゴマカシゴマカシやり過ごしています。父親を失いつつある娘のために、といくら思っても、明るいお母さんでいられなくなってきました。この上私にまで何かあったら、と考えると逃げ場のない思いになります。2世帯で穏やかに暮らしていたのに、なぜこんなことになったのか、これから我が家はどうなってしまうのか、体調の悪さもあり毎日泣いてばかりです。八方塞がりで希望がありません。この状況が変わるとしたら、夫や父の命がつきるときで、それを望んでいるわけではないけれどもう疲れてしまいました。夫は私に子育ても稼ぐことも親のケアも全部任せて何も分担せず、いったいどうするつもりなのでしょうか。脳死でなく植物状態なので、寝たまま数十年生きるかもしれません。私が先に逝くかもしれません。それでいて画像でみた夫の脳は崩れてしまっているのがはっきり分かり、娘の望むような意識がもどる奇跡は望みようがありません。こういう状態の人の魂はいったいどこにあるのでしょうか。仏様は夫や私達家族に手をさしのべてくれないのでしょうか。娘の思いをどう導けばよいのでしょうか。話が重すぎて友達にもあまり相談できません。この状況を乗り切るご助言を頂きたいです。よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

事実そのものが仏様の救いのはたきの中にある

ご相談拝読しました。やり場のない思いを少しでも正直に吐き出していただければ幸いです。ここhasunohaでは無理して自分を有るべき姿にしようと頑張る必要はありません。どうぞどんな思いでもお聞かせ下さい。

さて、お望みの回答ではないことを承知の上であえて思うところを述べさせていただきます。

仏様は奇跡を起こしてこちらが思うように状況を好転・改善させてくれるスーパーマンのような存在ではありません。こちらの都合に合おうと合うまいと、ただひたすらに物事の道理を説き、真実に目覚めさせるのが仏様のはたらきです。

仏様のはたらきは今あなたがお抱えの不安や苦しさや憤りと無関係ではありません。それらはあなた自身が本当の救いを求めるからこそ裏返しとして感じるものでもあります。
ご主人のご病気もお父様の容態もそれには医学的・科学的な原因があり、けしてその原因以上の怪しげな意味(祟りとか試練とかバチとかの意)があるわけではありません。

今の状態はけしてご主人も望むところではないでしょう。しかし大きな負担をかけてしまっている現状にあってもどうにもできないのが今のご主人であるとお聞かせいただきました。

命の問題なので何ともしがたいのですし、許されるものとそうでないもの、心がついていける部分とそうでない部分があるかと思いますが、正直なところをお医者様に相談なさる他はない問題なのかもしれません。

今はなんとかあなた自身が自分を大事にできる状況を作ることが大切かと思います。自分のためが娘さんのためにもなり、娘さんのためが自分のためにもなるようなバランスを目指し、頼れるものは頼り、手放すものは手放していきましょう。

さてさて、私もどうすべきか正解などわかりませんが、文章から娘さんのご様子をお聞かせいただくと、娘さんもきっとこの先お父さんが回復するというのは難しいという厳しい事実を感じながらも、きちんとそれを受け止められるきっかけがないのかもしれません。

お母さんの言葉で

「お父さんはもう良くならないのかもしれない。それでもお父さんは今懸命に生きているのよ。お父さんに会いに行ってみない?」

という様なことを提案してみるのも手でしょうか…。最初のショックも大きいでしょうが言葉だけで受け入れるよりも、状況が許す範囲で生身の事実そのものと会うことが娘さんの覚悟を促すかもしれません。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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皆さんで受けとめ支えていきましょう

拝読させて頂きました。
ご主人様が大変な病になり一切動くこともコミュニケーションをとることも出来なくなってしまわれ皆様とても辛く悲しい思いをなさっておられることでしょう。ましてその様なさ中にお父様も病いとなってしまわれ、気力体力共に失われてしまい大変な状況に追い込まれてしまっておられることを読ませて頂きました。
あなたもその様な状況の中で心身共に大変追い込まれておられるのではないでしょうか。娘さんのことも大変心配になっておられることでしょう。あなたのお気持ちや娘さんのお気持ちはとても深く辛いことでしょう。あなたのお気持ち娘さんのお気持ち皆様のお気持ちを心よりお察しします。
あなたも先ずはお独りでその思いや状況を抱えずに多くの方々に積極的に相談してサポートを受けましょう。ご主人様のこともお父様のことも医療機関の医師やケアマネージャーさんやカウンセラーやケースワーカーの方々にも速やかに相談していろいろな形で支援を積極的に受けて下さいね。
そしてあなた自身の心も身体も休ませましょう、いろんな方にサポートして頂きながらあなたも休める時間を少しでも多く取りあなた自身を労わって下さいね。
あなたは決して独りではありません、沢山の方々とのつながりの中で生きているのです。いろんな方々から支援して頂きあわてずに一つ一つお向き合いなさって下さいね。
娘さんの思いにあなたもゆっくりとお向き合いなさり耳を傾けながら学校や自治体の子供相談窓口や児童相談所にも積極的に相談して娘さんを皆さんで一丸となって見守っていきましょう。娘さんは皆様で一緒に育てていくのです。
今もあなたの様々な思いがあふれてくるかと思います。あなたのその思いも独りで抱えずにここでもゆっくりとお話し下さい。あなたの中でため込まずに思いつくままここでもお話なさって下さいね。私達はあなたともう既につながっています。私達はあなたをお待ちしていますね。
ご主人様は今は病により動くことも言葉を発することもできないでしょうが必ずあなたや娘さんのことをいつもいつも見守っていらっしゃいます。あなたのこと娘さんのことを心から愛して大切に思っていらっしゃるでしょう。
仏様もご先祖様方もあなたや娘さんやご主人様やお父様お母様をいつも見守っていて下さいます。そして皆様を必ずお導きなさって下さいます。

ご主人様はいつもあなたと娘さんのそばにいます。

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Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

吉武文法様 ご丁寧にお返事いただきましてありがとうございます。夫の事も父の事もその他の事ももちろん祟りなのではないでしょう。おっしゃる通りです。もとより宗教に現世利益を求めすぎてはいけないのもよくわかります。ですが、苦しいときには観音様助けて、などとなってしまうものですね。夫は初期には脳死と言われ、1か月程度の余命と言われたので、娘にも何度も様々な言い方で「会いに行かないか」と促しました。実際に病院の近くまで行ったこともありますが、車から降りず、今に至ります。しかも今はコロナで、私も7月以降面会禁止となっています。お気にかけて頂きありがとうございました。

Kousyo Kuuyo Azuma様
暖かいお言葉をありがとうございます。
追い込まれた気持ちになっているときには
「誰も助けてくれない。」と思ってしまいます。
実際に夫もこれ以上治療はできないとのことで、療養病棟に家族の意志を押し切って入れられてしまいました。今は入院といっても介護しかしてもらえず、血液検査をするにしても「自費で」と言われるほどの待遇の中にいます。
人工呼吸器をつけているので、施設に移ることもできず・・夫自身もにっちもさっちもいかない状況にあります。
誰かとつながっている実感が持てたらいいですね。
話が重すぎて、基本的には誰にも相談はできていないので。
娘を健全に育てられるように祈っていただければと思います。
つながっているといっていただくなど、優しいお言葉をありがとうございました。

生きているとは何なんだろうな、と夫を見て思います。
私は日本的なうっすらとした仏教徒にすぎませんが、祖父母などに教えられて、死んだ後にはご先祖様があるいは仏様が導いて下さり、お浄土に行くんだという思いがありました。お浄土に行くのは私の魂だとしたら、魂があるのだとしたら、夫の魂は今どこにあるのでしょうか。夫の体に結び付けられ動けずにいるのか、魂だけは自由に動き回り娘に会いに来たりしているのか、それとも身体より先にあの世にわたってしまっているのか。もしかしたら消失してしまっているのか。不思議で不思議でたまりません。

目を通していただきありがとうございました。

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