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中絶も母の病気も何もかも自分が全て悪い

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相談、と言うよりも懺悔に近いのかもしれないです。ただただ自分が憎たらしい。

避妊に失敗してアフターピルを飲んでも妊娠してしまいました。
自分の身体の事、それにまつわるお金の事など様々な事情でパートナーと話し合った結果、中絶するしかないと結論づけました。
今週末、処置を受けることになりました。

中絶の同意書に緊急連絡先を書く欄があったのですが、パートナーは婚姻関係にまだ無いので名前を書けず、母の名前を書いてしまいました。
他の人が処置を受けるより持病のためリスクがあるだろうと思い、連絡先に名前を書いた母にだけはこのことを伝えなければと思いました。

婦人科から帰ってきて、LINEで報告しました。
なじられたり、怒られたり、親子の縁を切るとも、無理にでも産めとも言われることなど全くなく、何よりも私の体調を気遣ってくれました。自分を責めすぎるなとも言われました。
それがむしろ辛かったです。

その翌日、母が大病で入院することになりました。
父から連絡が突然入り、体調の心配のあとに報告があると。母はぼかして父にも私の事を伝えたようです。
そこまで母は気を遣ってくれるのかと、自分の体調が何より辛いはずなのに申し訳なくてとても苦しかったです。

避妊に失敗する前に持病があっても使える避妊方法をもっと調べていれば、連絡先に母の名前を書かずに報告することもなければ母にも家族にも誰にも迷惑をかけずに済んだのに。
自分一人で解決できなかった弱さが、無知が、全てが憎いです。

この先、中絶した罪と母を不幸にした罪とすべてを背負って生きていかなければならないと考えるととても苦しいです。

科学的に言えば中絶は自分の細胞の一部を取り出すだけ、と言われるかもしれませんがそれでも人殺しする事と等しいのではないかと思っています。
母の大病ももともと既往歴があるからそのせいだと言われればそうかもしれません。
それでも私がとどめを刺してしまったように感じています。

自分を殺してしまいたい位、自分が憎たらしい。
本当に情けない。
死んで償うしかないのではないかとすら思うほどに罪悪感がひどいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

少しでも思い直してもらえたら

こんにちは。

既に「中絶」という結論が出てしまっているようです。
ただ私は、このハスノハで「中絶」により深い悲しみを負い続ける質問を数多く見てきました。その経緯から、少しでも思い直してもらえたらな、と思っています。

単に「中絶は自分の細胞の一部を取り出すだけ」ではないでしょう。
それは、成長すれば必ず人間になる「細胞」だからです。その意味では私はあなたの感覚に近いです。やはり人間の命の問題です。

「避妊に失敗して」とあります。
これは、彼氏さんもあなたも二重に対策していれば防げた可能性は高いはずです。あなたが「避妊に失敗する前に持病があっても使える避妊方法をもっと調べていれば」という問題もあるし、彼氏さん自身の問題もあるし、双方の合意の仕方の問題でもあります。

経済的にも社会的にも養育が一定程度可能な成人の男女が、「中絶」せざるを得ない大きな「様々な事情」が何であるかは私には分かりません。

とはいえ、失敗をするのが人間だし、「自分を殺してしまいたい位、自分が憎たらしい」と思うのも無理はありません。命に対する罪悪感、母親に心の負担を負わせたかもしれないという罪悪感。これは、人間が単なる「細胞」の塊ではないという厳然とした事実を物語っています。

「死んで償う」とか、「自分が憎たらしい」という自責の念を強く思い続ける人生よりも、自分の行いに責任を持った人生を送ってはいかがかと思います。まだ間に合うのです。

予定外の妊娠だし、結婚如何もわからないことでしょう。
どういう周辺事情があなたにあるかは第三者には分かりません。

しかし、そのお腹の子供を守れるのは現在の所、あなただけです。
その生命とともに歩む人生を考えられませんか。

第三者に言えるのはここまでです。
あとの判断はあなたにおまかせします。

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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

ただの懺悔にコメント、ありがとうございます。
様々な人に相談し考えた結果、結論として中絶しました。

持病のコントロールができていない状態で妊娠を継続するのは身体的、精神的影響が大きいだろうと判断しました。
自分が選んだ選択を後悔はしません。

死んで償うよりも、私と同じ様に病気やその他の事情で確実な避妊方法を取れない人への支援をできたらと思うようになりました。

細胞とはいえ、一度は命として身体に宿ったものを外に出す無念、不安、苦しさを忘れずに(忘れられるはずがないですが)自分にできる精一杯をしていきたいです。

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