家族は縁で繋がっている?
いつも拝見させて頂いております。
中には自分の身に沁みる回答もあり、為になっております。ありがとうございます。
今回、初めて質問をさせてください。
先月父親が亡くなりました。
不思議な事に、父親の姉もその1週間後に後を追うように亡くなりました。
2人共に末期癌だった事もありますが、こんなにタイミングよく一緒に旅立つものなのでしょうか。
父親が同じ苦しみにある姉を優しさから連れて行ったのでしょうか。
また、偶然かもしれませんが私自身も、父親が倒れる数日前から連続して何故かパチッと明け方に目が覚め(普段は寝坊する方です)疲れてるのかな?等と考えていたら、父親が倒れたと連絡が入り、1ヶ月後に父親は亡くなりました。あれは虫の知らせだったのか?と思いました。
他にも昔祖父が亡くなった1週間後に、甥が産まれたりしました。
生まれ変わりとまでは思わないですが、その時も何かしらの縁のような物を考えました。
霊感も何も無い私ですが、このような目に見えない生死に関わる縁は有り得るのでしょうか。あるのであれば、世の中には悲しい事に虐待されてしまう子供も何かの縁でその親元に行き着いているのでしょうか。それとも、生まれるのも死ぬのも全てただの偶然で意味などないのでしょうか。
仏教の教えをご教示頂けたらと思います。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
過去世の業によって繋がっていますよ
質問読ませていただきました。
この世で深く関わる人は、前世で大きな関わりがあった人とされています。
この世で夫婦だった人は、前世で兄弟だったかもしれません。この世で兄弟だった人は、前世では親友だったかもしれません。
過去世の業と現世の縁によって、引き合っていくのでしょう。そういう意味では、家族というのはどこか繋がっているのでしょう。
ただし、「死」に関してはわかりません。死は現世での縁(出来事)が大きく関わってきます。不摂生をすれば早く亡くなることもありますし、自分で命を絶つ方もいらっしゃいます。病気で同時期に亡くなったとしても、生まれつきの病気でなければ、病気になったのには現世の縁が大きく関係しているでしょうから。
同時期に家族や親族が亡くなったというのは、偶然によるものが大きいでしょう。
また、「生まれる」(お腹の中の赤ちゃんも含む)ことについては、過去世の業が大きく関係しています。生まれてくる赤ちゃんには、今世の「縁」はまだ存在していませんから。
仏教では、この世には十界が存在するとされています。十界とは「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏」の10の境界です。
お経の中で一番ありがたいお経であるとされている「法華経」では、この十界の中にさらに十界があると説かれています。それを「十界互具」と言います。
つまり、同じ人間界に生まれたとしても、「人間界の中の地獄界」に生まれる人もいれば、「人間界の中の仏界」に生まれる人もいるということです。具体的には、生まれてすぐに戦争に巻き込まれたり棄てられたりして命を失う赤ちゃんもいれば、周りのみんなに愛されて幸せに育つ赤ちゃんもいるということです。
過去世の業に引かれて、そのような境界に引っ張られていくというイメージでおおよそ間違っていないと思います。
そう考えると、様々な要素が重なり合って、亡くなった方が家族として「生まれ変わる」ということは十分にあり得ることですよね。
ただ、それを知る術はありません。仏の神通力を得ることが出来るのであれば過去世も見えるとのことですが、末法の世に生まれた凡夫の我々が、生きたままそれを得ることはまず不可能です。
ですから、「不思議な縁を感じる」ということでいいのではないでしょうか。
何か少しでも参考にしてみて下さいね。
質問者からのお礼
藤川誠海 様
回答頂きありがとうございます。
過去世の業と現世の縁によって、引き合っていくのですね。不思議なものですね。
十界のお話もありがとうございます。
その中でも更に十界があるというお話に、なんだかストンと腑に落ちた感じがします。変な例えかもしれませんが、犬にも野犬に産まれる子から盲導犬になって人助けする子までいるので…。
自分がこの世で生きてる間に出会う様々な縁について(病気等の悪縁?についても)しっかり受け止めていきたいと思いました。
十界についても勉強してみます。
このような機会を頂きありがとうございました。