過去や周囲の言葉に囚われない方法
ご相談に乗って頂きたく存じます。過去はプロフィールをご参照下さい。
急な私の入院で子供の面倒を誰に頼むか悩みました。義母は遠方、実母も過去のことや、泣き止まない当時1歳だった子供に「うるさい、近所迷惑だから帰れ」と言ったことがあり嫌でした。でも頼る宛もなく実母に依頼しました。
入院数日後に義母と交代、実母には夫から菓子折りとお金を包みお礼しました。日頃私は片付けと掃除が苦手で、仕事、育児に追われ必要最低限しかしていませんでした。情けないことに実母に子供の面倒とそれらもさせることになり、謝罪と助けに来てくれた感謝をメールで伝えると「親子なんだから気を遣わないで」と。親子ではなくどこか他人だと思っていた私にとって嬉しい言葉で、数日置きにメールのやり取りをしていました。
ある日何気なく、フルタイムでの仕事復帰を考えていると伝えると「家のこともできないのに仕事するな。汚い家に子供を住まわせて不健康、可哀想」と今まで我慢していたようで激しくまくしたてられました。母の様に完璧でないのはわかっている、仕事復帰前に整理整頓すると考えていたのに、様々な思いを飲み込み返信しませんでした。
感謝する反面、子供に過剰にダメ出ししたり、冷たい態度を取っていたことを知り、そのことが内心許せず、今後助けも求めたくありません。でも距離を置こう、小言を言われても気にしない、そう考えてもなぜか母に言われると支配された気になり、落ち込む自分が情けなくて嫌になります。
私は充実した衣食住、たくさんの玩具や物に囲まれて育ち、両親はそれが愛情だと思っていたことでしょう。育てる苦労や、両親も1人の人間で完璧な親はいないと理解でき感謝もしていますが、私はただ話を聞いて抱き締めて欲しかった。この満たされなかった思いをどうしたらいいかわかりません。
子供に同じ寂しさを味わわせまいと一緒に過ごす時間を大事にしていますが、片付けられない自分に自己嫌悪。時々冷たい態度を取ったり、自分さえ我慢すればと溜め込み、耐えきれずに子供の前で物に当たり、両親と似ている自分も嫌です。今回家事をせず子供のことを全然考えていないと母に言われ、ますます自己嫌悪に陥っています。
母の言うことや過去の満たされなかった思いに囚われず、そして私の中の両親の嫌な所を子供の前で出さないようにするにはどのような心持ちで過ごせばいいのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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与えて満たされるものもありますよ
質問読ませていただきました。
過去のトラウマが頭から離れず、今の自分と照らし合わせて苦しんでおられるのですね。
心中お察しいたします。
さて、子供にとっては親というのはやはり特別な存在です。大人になった今でも、少なからず影響を与えるでしょう。
しかし、サリーさんはそんなご両親を見ながら、自分だけの経験を通して自分自身の価値観を作ってきました。それは、ご両親とは全く別の価値観を有する一人の人間なのです。
ですから両親と関わる中で、受け入れたくない部分は受け入れず、感謝する場面は感謝し、なるほどと思う部分は受け入れる、そうやって場面場面で立て分けて整理していけば良いんです。
そうやって自分をアップデートしていけば、必ず両親とは異なる自分を作っていくことが出来ますよ。
また、「過去の満たされなかった思い」というのは、どうしようもありません。過去に戻ることは不可能ですし、たとえ今愛情を受けたからといって、子供の頃に素直に愛情を受け止めるには自我が育ちすぎているでしょう。
しかし、他の方法で気持ちを埋めることはできるかもしれません。つまり、「自分が受けられなかった親の愛情を、自分が子供に与えることで満たす」ということです。
それは、「親が叶えられなかった夢を、子供を通して叶える」ということに似ているかもしれません。もちろん、「親の夢を押しつけるのは自分勝手だ」という意見もありましょうが、「夢」ではなく「親の愛情」ということであれば誰も反対意見など唱えないでしょう。
そして、そうやってサリーさんの心が満たされてくれば、余裕が出てきます。余裕が出てくれば、自分が嫌っている「両親に似た部分」も顔を出さなくなるのではないでしょうか。親子共に、心安らかで平穏な家庭を築くことができると思いますよ。
何か少しでも参考にしてみて下さいね。
質問者からのお礼
質問を見て頂き、また丁寧にご回答頂きありがとうございました。
とても落ち着いた文章で、読み進めるうちにざわざわした気持ちがすーっと落ち着きました。
「自分自身の価値観を作り、両親とは全く別の一人の人間」というご意見を読み、改めて両親と私は別の人間だと自覚することで自信が湧き、前を向けた感覚になりました。
日頃子供にスキンシップを取ると、私が幼少期に欲しかった言葉や態度を子供が示してくれることがあり、私も満たされた気持ちになったことがありました。
ご意見を頂くことで私のしてきたことは間違っていなかったのだと再確認できました。
相手が引いてしまうと思い、今まで両親のことやトラウマを誰かに相談したことがありませんでしたが、思い切って相談してみて本当によかったです。
心が軽くなり、自信を持てました。
この貴重なご意見を忘れず、平穏な家庭を築けるよう努力していこうと思います。
本当にありがとうございました。