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恵まれているのに消えたい気持ち

回答数回答 1
有り難し有り難し 17

閲覧ありがとうございます。
私の悩みについてご意見を賜れればと思い、質問させていただきます。

まずこれまでの出来事を振り返りますと、
・小学生の頃自宅で祖父を自死で亡くしその場面を見た、知らない人から軽い性犯罪にあった。
・中学高校の頃はいじめではないにしろ、あまり友人から好かれず悲しい思いだった。
・18の時に精神疾患を告げられた、そこから4年くらいは辛く苦しい日々だった。

現在ですと、
・親のありがたみに気がついた、周りの友人知人ともいい関係。
・母へのわだかまりは解けたが、母に甘えている自分にモヤモヤする。
・いい職場に恵まれた
・いいパートナーと出会えた。
・やりたいことはある。

苦しんだ精神疾患は未だに残ってはいるものの、いい病院と出会え、だいぶ良くなりパートで働けるまで回復しました。
祖父のことで苦しんだ実家からも出て暮らせていますし、周りの環境にも恵まれています。周りへの感謝や幸せも日々感じます。
客観的に見ても主観的に見ても「恵まれている」と思っています。

ですが、どうしても「消えたい」という思いが拭えずにいます。
贅沢な悩みであることも重々承知なのです。友人には言いません。親にはこぼしてしまう時はありますが、「考えすぎ」と言われます。
しかし、「消えたいなあ」という思いがずっと頭にあって苦しいです。
「私なんかいない方が迷惑かからなくていいんじゃないか」「跡形もなく消えられたらいいのに。」
そんなことを悶々と考えてしまいます。
しかし、実行はできません。死後の世界を信じているからです。
「ひどく苦しんだあの頃」に比べれば、今は平穏で満ち足りた日々だとは思っています。ですが、なかなか心は難しいのか、本当の平穏が訪れません。

これらを踏まえ、質問の内容は
「いくら恵まれている、幸せだとわかっていてもこの悩みからは逃れられないのでしょうか?」ということです。
自分の弱さがこの悩みを生み出しているのだろうなとも思います。自信のなさも関係しているかもしれません。視野の広げ方がわからずにいます。

拙い長文を失礼致しました。
どうかお坊さん方がもつ見解でご教授いただけたら幸いです。

2022年1月3日 19:25

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

与える行為を心がけること

拝読させていただきました。

仏教での根本精神は『利他』です。
利他とは他人が利益になるようになる行為です。
数え切れないほどの利他実践行があります。
・仕事を与える
・食事を施す
・笑顔を与え、安心させてあげる
・席を譲ってあげる
・悩みを聞いてあげる
・困っている人に気づいてあげる
まだまだ数え切れないほどありますが、他人が困っている環境(心境)のときに、今の自分に何ができるのかを考えていくことで、自己満足である現在の心境から新しい心境へと移行し、今ある環境がどれだけ良い環境の中で生活できていたのかを知る機会にもなるのです。いわゆる本当の感謝を知ることができます。

お釈迦さまは元々王様の一族であり、すべてを満たされていたことに違和感を覚え、外出したときに、「老いていく人々の姿」「病にかかり病院にも行けない困窮者」「葬式の参列者の様子」。いままでお釈迦さまは満たされていた環境にはないことを外出することで、気づかれ出家の道を辿りさとりを開かれました。

私たちはひとつの体しかなく、すべてを経験していくことは無理であります。しかし、人々の気持ちを考えていくことはできるものです。いわゆる慈悲をもつということです。
慈悲とは
◇慈・・・他人に楽を与える行為
◇悲・・・他人の苦を取り除く行為
を簡易として説明しておきます。

私たちは年齢によって人生の段階を気付いたり知ったりするものではなく、その時に自身の中で違和感を覚えたときなどに、このままでいいのか自分は?と疑問が生じます。

自分のために頑張ったり、目標や達成や夢などには天井があり、得られたとしても納得も答えもでません。かえって虚無感さえも覚えます。人は他人に施す行為(自分にできるだけの)には限界はなく無限です。
みーなさんも人生の中で彷徨い苦難の中を抜け出せてきた強い人間です。

他人のために行動を少し起こしてみることで、少しずつ見えなかった自分の本当の姿や生き方が見つかります。
他人のためとは人だけではありません。
例えば、日本人口が一億2700万人ほどです。一日にゴミをひとつ拾うとひとつなくなります。それを見ていた人たちは良いことをしているな。私たちもしていかないという思いや、日本の人口すべての人が一日にひとつゴミを拾ってくれれば、一日で1億2700万個のゴミが消えます。
たくさんの良いことを心がけることから

2022年1月4日 1:51
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有り難し
おきもち

祈るこころに佛心が宿る。 変化多き時代を生きる私たちにできること、それは...
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質問者からのお礼

お礼が遅くなり、申し訳ございません。
回答ありがとうございます。

あれから、利他を念頭に置き、自分なりに実践してみました。
たとえば、相手に心地よく過ごしてもらうために笑顔を心がけ、明るい心でいる。
相談されたら、「与える」精神で真剣に話を聞き、相手のためになるにはどうしたらいいかを考える。
など。普段からの意識が変わりました。

そのおかげでしょうか、気持ちも明るくなっていきました。
他の人や他のものに自分は何ができるかを考え、実行する。
その結果力になれたと感じると、嬉しくなります。
今後も実践していこうと思います。

ありがとうございました。

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