中絶後の夫婦関係
中学生と小学生の子供が3人います。
去年9月に4人目を妊娠しましたが、中絶しました。夫は中絶にずっと反対していましが、何とか説得し手術しました。
中絶したかった理由は共働きで子育てが大変。三人の保育園送り迎えは全て私がしてきており、再び一からの子育ては嫌でした。仕事も好きだから続けたいし、自分の時間も欲しい。共働きですが、子ども3人育てるので精一杯の収入です。4人目の出産までの身体の負担や職場のこと、復帰時の保育園探し、全て自分ばかりが苦しくなると考え伝えました。
夫は中絶の手術にも立ち会い、その後しばらくは家事も子どもの事も積極的にほぼ全部やってくれていました。
何週間か経った頃から夫が変わり始めました。
中絶手術の時の映像がフラッシュバックして、とても怖いと言いだしました。仕事中や、家に1人でいるときにそれがあると怖くてどうしたら良いかわからないと言い出しました。私は精神科医に相談に行こうと誘いましたが、断られました。
その後から夜中に起こされ、何故中絶したのか、問い詰められるようになりました。
夫婦でサインして決めたことだと言っても、夫は私にだまされてサインした、と言います。おろしたら元の仲よかった5人家族に戻れると言ったけど戻れないじゃないかと怒ってきます。
中絶したことで、私だけが満足していて、夫は中絶した子に会えなかったことが我慢できないと問い詰められます。離婚だと言われたり、出て行けと言われたり、出て行くと言われたりもしました。上の子3人の為に離婚はしないと私の意思は固いです。
12月頃から2回くらい暴力も振るわれ、子供も暴力に気付き、父親を怖がっています。
問い詰めたり、暴力したりするのは飲酒した時でした。
最近、結婚記念日があり、花束をくれて、これからも50年よろしくと言われました。チャンスと思い、お酒飲むのを辞めて欲しいと伝えました。それから飲酒、暴言、暴力はなくなりました。
それから3週間経ちました。私はまだ旦那のことが許せません。中絶後の暴言は私の生き方を全否定する内容でした。暴力で子どもを怖がらせた事も許せません。
末っ子が大人になるまでは頑張って夫婦を続けるつもりです。しかし、心から旦那を受け入れられなくなりました。何を言われても疑ってしまいます。
どうしたら心穏やかに受け入れられるようになるのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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その重みをお二人が共に担っていく、ということ
こんにちは。
「中絶後の夫婦関係」についてお尋ねです。
文中の言葉を使えば、ご主人を「どうしたら心穏やかに受け入れ」た上での「夫婦関係」を築けるか、という質問になるのでしょう。それは、決して望まない「暴言、暴力」であるけれども、何とか夫婦関係を改善したいということなのだと思います。
結論から言うと、「中絶」ということの重みをお二人が共に担っていくこと、これにしか無いと思います。
十分お分かりのことかと思いますが、「中絶」に至った経緯は全くもってお二人の共同責任です。そして、「中絶」したことも同様です。
あなたは、「再び一からの子育ては嫌」「仕事も好きだから続けたい」「自分の時間も欲しい」という理由で「中絶」を望んだ。ご主人は、「ずっと反対」していたが、あなたに「説得」されて結果的に「中絶」に同意した。この意味では、ご主人があなたを問い詰めて、「暴言、暴力」を振るうというのは極めて理不尽です。
ただ、ご主人は今にして「中絶」という命を「絶」ったという行為の大きさがまざまざと思い知らされた、のではないでしょうか。「中絶手術の時の映像がフラッシュバックして、とても怖い」というのは、命を自らの選択で「絶」ったことへの罪悪感と後悔が言いようのない感情として、どうにも対処できなかったからなのだと思います。
そのどうしようもない、ある意味人間として自然な苦悩に正面から向き合えず「暴言、暴力」に発展した。「何故中絶したのか、問い詰め」たり、「だまされてサインした」とあなたを責めることで過去をなかったものにしようとしている、自分の責任を回避しようとしているのです。
ご主人は、優しい人のようです。「結婚記念日」「花束をくれて、これからも50年よろしく」と言ってくれたのでしょう。
ただ、「中絶」という命に対するその後の向き合い方をお二人で共同して定めない限り、ふとしたきっかけで問題は再燃する可能性があると思います。
「中絶」した子どもさんのお葬式をしましたか。
私は過去にお勤めしたことがあります。
「中絶」ということの重みをお二人が共に担っていくためにも、亡くなった命に対しての適切な向き合い方があるのだと思います。「5人家族」ではなく、6人「家族」になるはずだった命としてご夫婦の、家族の一人として迎え入れる、そこに「中絶後の夫婦関係」はあると思います(字数制限)
意見が違っても、結果的にお互い尊重しあえている理想的な夫婦。
4人目のお子さまを産むことについて、ご相談者さま夫婦それぞれにそれぞれの立場があって、意見が違うことは当然のことです。どちらか一方的な意見を押し付ける結果にならず、しっかりとお話合いをされて、手術への立ち会い、その後の家事と子どもの世話なども含めて、とても素晴らしい協力関係のご夫婦さまだと思います。
また、結婚記念日に花束をもらって、禁酒する約束ができ、それから暴言、暴力もなくなるという改善がなされたことは、これも、とても素晴らしいご夫婦の関係だと思いました。
悪いと思ってもなかなか改善できず、ずるずる苦しみが継続してしまうことが、わりと普通の夫婦関係に起こりうることですが、ご相談者さまご夫婦の今は、すっかり解決されています。ある意味、理想的な関係といえるほどかもしれません。
ただ一つ、暴言と暴力があって、ご相談者さまの心が傷ついてしまったことが大きな問題です。
これだけのしっかりされた関係のご相談者さま夫婦ですので、一度、その思いを伝えられ、謝罪をしてもらうこと。そして、謝罪をされたらそれを機に、ご相談者さまが気持ちを切り替えて、その思いを引きずらないことが大切なのではないでしょうか。
暴言、暴力がいけないことはその通りです。夫さまの悩ましいお気持ちがお酒の力を借りて表にでてしまったことは、いけないことではありますが、お気持ちのところは理解できるはずです。
トラブルのない関係は、実際のところありえません。わだかまりの心を乗り越えて、前に向かわれることを祈っております。